目次
共通テスト英語の性質
大学入試センターから発表された共通テスト英語の問題作成方針には
「高等学校学習指導要領では,外国語の音声や語彙,表現,文法,言語の働きなどの知識を,実際のコミュニケーションにおいて,目的や場面,状況などに応じて適切に活用できる技能を身に付けるようにすることを目標としていることを踏まえて,4技能のうち「読むこと」「聞くこと」の中でこれらの知識が活用できるかを評価する。」
とあります。英語の文章や会話を読む、または聞いて理解する能力が総合的に問われており、単純な知識事項それ自体を問うことをしなくなったのは共通テストにおいて全科目通じて言えることです。実際、上記の通りセンター試験では出題されていた発音、アクセント、語句整序の問題がなくなって全問文章題になりました。問われる内容は部分部分の理解から全体的な内容の把握までバランスよく問われています。直接問われないとはいえ、正しく読み取るためには単語、文法の暗記が根底にあることを忘れてはいけません。
センター試験と共通テストとの違い
共通テスト英語はセンター試験から大きく形式が変わりました。
最も大きな変更点としてリスニングの得点比率が大きくなり、リーディング200点リスニング50点からリーディング100点リスニング100点になったことが挙げられます。
共通テスト英語リーディングとセンター試験との違い
文法問題がなくなり長文読解問題のみになりました。単語数も2020年度センター試験の4000語超から2021年度の共通テストでは約5500語と分量が大幅に増加し、時間内に解き終わることがより難しい試験となりました。後半の英文は難易度もあがることから、英文を前から順に読みながら理解する、という事を意識して読むスピードを上げていく対策が必要です。単純な知識事項を問う問題は出題されませんが、文章を正確に早く読むためには知識事項を完璧に抑えることが重要であることに注意しましょう。大学入試センターから発表された共通テスト英語の問題作成方針には
「様々なテクストから概要や要点を把握する力や必要とする情報を読み取る力等を問うことをねらいとする。」
とあり、英文を正確に読むことのできる実践的な能力と、情報を適切に処理する能力が要求されています。題材となる問題文もウェブサイトや広告といった日常的な情報媒体から出題されているのがポイントです。
共通テスト英語リスニングとセンター試験との違い
センター試験のリスニングでは1問2点の25問の形式が長く続いていました。共通テストでは一部表の穴埋め問題では1問1点となる設問も出題されましたが、ほとんどの小問が3〜4点となっています。大問数は6問、小問数も25問から30問前後と若干増加しています。大学入試センターから発表された共通テスト英語の問題作成方針には「生徒の身近な暮らしや社会での暮らしに関わる内容について,概要や要点を把握する力や必要とする情報を聞き取る力等を問うことをねらいとする。」とあり、現実的な日常生活を意識した聞き取り能力を問う問題となっています。英文も一般的な会話文から講義まで、実践的なシチュエーションから多く出題されています。
共通テスト英語の構成
共通テスト英語はリーディングとリスニングに分かれており、リーディングが80分、リスニングが60分のそれぞれ100点満点となっています。リーディング・リスニング間には休憩が入り、リーディングの時間にリスニングの問題を読むといったことはできません。またリスニングには30分程プレーヤーの確認や音量調節の時間があるため実際の試験時間は30分程となっています。
共通テスト英語リーディングの構成
全6題ですが、大問1〜3、6の4題は独立した二つの小問にわかれそれぞれ英文が出題されているため、実質的には2問×4題+1問×2題の計10題となっています。小問数は2021年度、2022年度共に39問となっており、大問ごとの小問数、配点パターンに関しても変化のない構成になっています。(下記表参照)
※各大問のテーマ・情報媒体について
2022年 | 語数 | 2021年 | 語数 | 配点 | |
第1問 A | 書籍情報の読み取り | 177 | メールの読み取り | 213 | 4点(2点×2問) |
第1問 B | ウェブサイトの読み取り | 366 | ウェブサイトの読み取り | 369 | 6点(2点×3問) |
第2問 A | 施設案内文の読み取り | 524 | 審査員コメントの読み取り | 411 | 10点(2点×5問) |
第2問 B | 新聞記事の読み取り | 456 | メールの読み取り | 459 | 10点(2点×5問) |
第3問 A | ブログ記事の読み取り | 347 | ウェブ掲示板の読み取り | 357 | 6点(3点×2問) |
第3問 B | 雑誌記事の読み取り | 535 | 学校通信での勧誘文の読み取り | 430 | 9点(3点×3問) |
第4問 | 複数のブログ記事の読み取り | 721 | メールの読み取り | 688 | 16点(3点×4問+2点×2問) |
第5問 | 伝記文の読み取り | 959 | ニュース記事の読み取り | 959 | 15点(3点×5問) |
第6問 A | 論理的な文章の読み取り | 944 | 論理的な文章の読み取り | 852 | 12点(3点×4問) |
第6問 B | 論理的な文章の読み取り | 1037 | 論理的な文章の読み取り | 757 | 12点(3点×4問) |
共通テスト英語リスニングの構成
全6題ですが、大問1、4、6の3題は独立した二つの小問に分かれているため、実質的には2問×3題+1問×3題の計9題となっています。小問数は2021年度、2022年度共に37問となっており、配点パターン共に変化のない構成になっています。(下記表参照)
第1・2問は2回、第3~6問は1回の読み上げでした。
2022年 | 2021年 | 配点 | 読み上げ回数 | |
第1問 A | 短文の聞き取りと内容の合致する文の選択肢を選ぶ問題 | 短文の聞き取りと内容の合致する文の選択肢を選ぶ問題 | 16点 4点×4 | 2 |
第1問 B | 短文の聞き取りと内容の合致する絵の選択肢を選ぶ問題 | 短文の聞き取りと内容の合致する絵の選択肢を選ぶ問題 | 9点 3点×3 | 2 |
第2問 | 短い会話の聞き取りと内容の合致する絵の選択肢を選ぶ問題 | 短い会話の聞き取りと内容の合致する絵の選択肢を選ぶ問題 | 16点 4点×4問 | 2 |
第3問 | 短い会話の聞き取りと、その内容について問う質問に答える問題 | 短い会話の聞き取りと、その内容について問う質問に答える問題 | 18点 3点×6問 | 1 |
第4問 A | 発話の聞き取りと、発話の内容について時系列順に整理する問題 | 発話の聞き取りと、発話の内容について時系列順に整理する問題 | 8点 4点×1問+1点×4問 | 1 |
第4問 B | 複数の発話の聞き取りと、内容を整理する問題 | 複数の発話の聞き取りと、内容を整理する問題 | 4点 4点×1問 | 1 |
第5問 | 長文の聞き取りと、その内容を整理したり、内容の合致する選択肢を選ぶ問題 | 長文の聞き取りと、その内容を整理したり、内容の合致する選択肢を選ぶ問題 | 15点 2点×2問+3点×1問+4点×2問 | 1 |
第6問 A | 会話の聞き取りと、その内容について問う質問に答える問題 | 会話の聞き取りと、その内容について問う質問に答える問題 | 6点 3点×2問 | 1 |
第6問 B | 4人による比較的長い会話の聞き取りと、その内容について問う質問に答える問題 | 4人による比較的長い会話の聞き取りと、その内容について問う質問に答える問題 | 8点 4点×2問 | 1 |
共通テスト英語への対策
共通テスト英語リーディングの対策
共通テスト英語リーディングのポイントは分量と時間制限です。全問文章題である共通テストでは80分という時間制限の中で5000〜6000語の英文を読み、問題に解答する必要があります。二次や私大の英語と比べても英文を早く正確に読むことが重要視されていることがわかると思います。用いられている単語や文章の難易度は標準レベル(英検2級程度)であり、基本的な知識事項をきちんと抑えたうえでそれらの知識を用いて実際に英文を読める実践的な能力が必要です。センター試験とは違い文法やアクセントを問う単問はなくなったことからも、総合的な読解力を意識しながら演習中心に一歩一歩学習を進めていくことが大切です。
①共通テスト英語の単語、文法対策
第一に文章を読むために必要な単語、文法事項をきちんと穴なく押さえていることが大切です。単語力が不足していたり、文法に穴があると英文が正しく読めない上に読解速度もなかなか上がらない要因になります。英単語、英文法は下記のページも参考にしながら、標準レベルの知識に漏れがないよう勉強を進めていきましょう。
②共通テスト英語の長文読解対策
共通テスト英語で出題される問題文は200語前後の短文から1000語超のものまであり、長文にも対応できる読解力が必要です。細かい情報よりも本文全体を通じた要点や流れについて整理する問題が中心であることも意識しましょう。
まずは身に着けた単語、文法知識を実際に読解に用いることに慣れるため、100~300語の短めの英文から演習を始めましょう。演習を始めたばかりの頃はまだ時間を意識した読解ではなく、一文一文を丁寧に読んでいく精読を意識しましょう。また問題を解き終えた後、よく分からなかった文は和訳を参考にして単語文法的に分析し、分からなかった原因を見つけて次はわかるよう復習することが大切です。
徐々に文章を長くしていき、長い文章に対しても情報を整理しながら読み通せるよう演習を重ねていきましょう。
また、共通テスト対策では単純な読解力に加え読解速度も重要になっていきます。全体で5~6000語の文章が出題される共通テストを80分の試験時間内に解くには、設問にあたる時間を30分、見直しの時間を10分とすると、試験時間の半分である40分ほどが英文を読み通す時間の目安となります。40分で6000語の英文を読むとすると一分辺り150語を読む必要がありますが、高校生の平均的な読解速度と呼ばれる75語/分と比べるとかなり速いことがわかると思います。英文を読むということに慣れてきたら、今度は速読を意識した演習を行うようにしましょう。一度読んだ英文をそのままにしておくのではなく、時間を置いて読み返すことも効果的です。
③共通テスト英語の過去問演習
共通テストはまだ始まったばかりの試験ではありますが、2021、22年度で形式はほとんど同じものとなっています。過去問や模試の演習は不可欠と言って良いでしょう。
過去問や模試を解く際には必ず時間を図ることが大切です。共通の問題は時間をかけて全ての問題にあたることが出来れば得点はそこまで難しくはありませんが、時間的制約の中で安定した得点をとる事は大変難しくなっています。
最終的には各大問ごとに目標時間を決めることで安定した得点が取りやすくなります。
解いたあとは必ず復習をしましょう。問題文をもう一度読んで和訳を照らしながら分からなかった単語、熟語、文とそれに用いられている文法を再確認する作業を欠かさないようにしましょう。
共通テスト英語のリスニング対策
共通テスト英語のリスニングは約140語/分ほどと英検2〜準1級並みに読み上げる速度が速く、読み上げも一度である問題が多いため総じて難しい試験だと言えます。
リスニングに対して漠然と苦手意識を感じている人もいますが、まずは日々の英語学習にリスニングを組み込んでいくことが最も効果的です。リスニング教材付きの単語帳や問題集を使用しての復習が効果的であることに加え、まず始めはスクリプトのわかる状態で読み上げ音声を追っていくことから始めなくてはならないからです。
共通対策を意識した勉強としては、まず読み上げられる単語が自分の知っている単語であることが最低レベルです。知らない単語が読み上げられても当然内容はわかりません。共通英語の単語、文法レベルは標準的なものがほとんどなので、まずはこれらの基本的な知識が完璧になっているか確認しましょう。同時に単語は正しく聞き取れるように音も意識して勉強するようにしましょう。
次に実際のリスニング演習に進みますが、英文を聞きながら内容を把握できるよう、前から理解することを意識して勉強しましょう。単語一つにこだわるのではなく、英文内の有機的な結合を意識した聞き取りを行いましょう。また接続詞に注目し、文章全体を通じて特に重要となる情報にフォーカスして聞き取るということもリスニングの大切なコツです。
こうしたリスニングの鉄則を意識して、リスニング教材や過去問にできるだけ多く当たっていくようにしましょう。
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