共通テストと国公立二次試験の出題傾向は大きく異なります。さらに、私立大学の出題傾向は国公立二次試験とも異なります。大学により出題傾向はさまざまですが、基本的な共通テストとの違いを理解し、対策をしていきましょう。まずこの記事で大きな違いを理解してもらってから、志望校の過去問の出題傾向を確認してもらえると受験勉強の助けになるはずです。このような目標をしっかりと知り、対策を立てることを受験勉強の初期段階に行うことで、効率の良い対策を練ることができます。
目次
私大英語の対策
私立英語の特徴
私大入試の特徴として科目数が少ないことが挙げられますが、中でも英語はほぼ必須科目である上配点も大きく、合否を大きく左右する重要な科目であると言えるでしょう。個々人の得点計画によるとはいえ、私大入試において英語の得点が極端に見込めないまま本番に挑むのはかなり困難です。苦手意識を持つ方も非常に多い英語ですが、まずは基礎を固めた後まずは簡単な文章の読解から始め、少しずつでも英文を読むことに慣れていきましょう。
また私大英語は大学によって多様な形式をとるため、自分の志望校に合った対策をする必要があります。まずは標準レベルの単語、文法を固めることが必須ですが、志望校によってはさらにレベルの高い英単語や細かい文法事項まで踏み込んで勉強していく必要があります。志望校の問題形式、文章量、時間的制約を意識することも大切です。特に一部の大学では会話文やリスニング、自由英作文など記述式問題の出題もあるため注意が必要です。
例:中央大学(統一入試)の場合
中央大学統一入試の英語は例年文大法・語彙問題が3題、読解問題が3題となっております。
長文読解中心であることが多い私大英語の中で 語彙・文法問題の出題が全体の半分を占めていることが特徴です。得点としては文法・語彙問題が55点、読解問題が95点となっております。
文法・語彙問題は標準以上のホネのある出題が多く、読解は文章自体は標準レベルといっても時間的制約が厳しく速読力が必要となっています。
文法・語彙問題のパターンとしては、文法・語彙・イディオム的知識から空欄に合う正しい選択肢を選んだり、文中の誤りを指摘するものが中心となっています。
長文読解のパターンとしては、文や文法・語彙的知識から文中の空所補充を行ったり、英語もしくは日本語で本文の内容と一致する選択肢を選ぶ内容説明問題が中心となっています。
試験時間は80分と問題量に対してはやや厳しく、特に文法問題で悩み時間を消費しすぎてしまうと長文に時間を回しづらいことから時間的制約をいかにクリアするかが重要なポイントとなっております。
私立英語の対策
上記の通り、私立英語は志望校の形式を把握し求められるレベルを理解した上で計画的に学習していく必要があります。具体的には下記の2ステップにわけられます。
①標準レベルの単語、文法事項の穴を無くす
②志望校に合わせた対策
・発展的な語彙・イディオム問題、文法問題への対策
・長文読解の克服、特に読解速度の向上
・英作・自由英作対策
・会話文
①標準レベルの単語、文法事項の穴を無くす
私大英語といえば難しい単語や文法を思い浮かべる受験生もいるかもしれません。一部の大学ではそういった傾向もありますが、標準レベルの知識事項を一通り完璧にしておくことが最優先です。まずは標準レベルの単語帳、文法書を一冊やり切ることから始めましょう。特に文法は共通テスト、国公立二次試験と異なり、語法や知識を問う独立問題が出題されることが多いです。文法の配点が高い大学は四択問題集をつかって対策することも必要です。文法の有無、出題形式は大学によって大きく異るため、早めに志望校の過去問を確認しましょう。
単語帳の例:速読英単語標準編、ターゲット1900
文法書の例:Nextstage、チャート式シリーズ 基礎からの新々総合英語
②志望校に合わせた対策
発展的な語彙・イディオム問題、文法問題への対策
これらの範囲、特に語彙・イディオム系においては知識量がものをいう性質もあり、大学の出題傾向によっては発展的な学習が必要になります。ただし基本的な勉強法は標準レベルの時と大きな変化はなく、発展レベル向けに出版された参考書をやり切ることが効果的です。また問題集や過去問の演習時にわからなかった語彙や文法を今後絶対間違えることがないよう復習することも大切です。
長文読解の克服、特に読解速度の向上
私大英語で得点するためには長文読解は避けて通れません。演習を通じて長文への苦手意識は早い段階で克服しておくとよいでしょう。始めは長い英文を読むことに苦労する受験生も多いですが、演習後は必ず復習をして躓いた部分を一つ一つ見つけながら要因を把握、克服していくようにしましょう。長文とはいえ読解に求められる要素はすでに習った単語、文法知識がほとんどです。基礎知識がいかに穴なく定着しているか、またスムーズに読解に反映できるかを意識して演習を進めましょう。
こうして丁寧な精読中心の演習、復習を続けていき、時間をかければ読み通せるようになったら、次は読解速度を意識した速読を身に着けなくてはなりません。文章を前から読んでいく癖を身に着けたり、パラグラフリーディングと呼ばれる重要な情報に注目しながら重要度の低い文章についてはあまり時間をかけず読んでしまう読解法など長文に対するマクロなアプローチが必要になります。
英作・自由英作対策
多くが記号式での出題となる私大英語ですが、難関私大の多くでは英作文、特に自由英作文の出題が顕著です。このような出題の意図としては自分の意見を自分の英語で表現できる、実践的な英語能力を求められていると考えられます。まずは志望する大学、学部の自由英作の頻出テーマ、解答形式を確認する必要があります。特定のテーマについて賛成反対するのか、もしくは自分の思い出や特定の状況について記述するものなのか把握して、文章の構成や使える表現についてはあらかじめピックアップしておきましょう。
会話文
私大英語では、会話文形式の問題文が出題されることがあります。主な解答形式としては空所補充が挙げられますが、このような出題の意図として、現実的な日常生活を意識して口語表現の知識を求めているということが挙げられます。対策としては熟語集などを用いて口語表現に多く触れておくこと、会話文形式の問題の演習量を確保し、さらに多くの表現をインプットしておくことが挙げられます。
ただし英単語と同じく口語表現も際限のないもので、どれだけ勉強しても知らなかった表現が本番出題されることも大いにあります。そういった場合は動詞や前置詞から意味を推測して解く必要があるため、演習時から推測して解く練習をしておきましょう。また前置詞についての正確な理解も必要になるため、これが曖昧なときは改めて前置詞の復習を行う必要があるでしょう。
国立大二次試験の対策
国立大二次試験の特徴
国立二次は記号中心の共通テストや私大英語に対し、和訳や英訳など記述型の問題が中心という性質があります。特に旧帝大を中心とした難関国立大学では難易度の高い和訳や英訳、さらには自由英作文が頻出であり、正確に理解し、自分の言葉で正しく記述する能力が必要です。記述力、読解力共に演習量とそれに対する丁寧な復習が大切となります。
ただし国立二次の試験形式は大学によってそれぞれ特徴があるため、志望する大学を意識した対策を早くから行っていくことが重要です。
問題構成の例
東京大学 | 京都大学 | 名古屋大学 |
1a要約 1b長文読解(空所補充) 2a自由英作 2b和文英訳 3リスニング 4a文法、語法 4b和訳 5長文読解 | 1長文読解 2長文読解 3和文英訳 4自由英作文 | 1英文和訳 2長文読解 3自由英作文 4和文英訳 |
国立大二次試験の対策
・標準レベルの単語、文法事項の穴を無くす
・発展的な語彙・イディオム問題、文法問題への対策
・長文読解対策
・和文英訳
・自由英作対策
・和訳対策
標準レベルの単語、文法事項の穴を無くす
大学受験英語は難題といえど基礎からの積み重ねの質が何より重要だといえます。英語長文一つとっても全ての文章に難しい単語やわかりにくい構文が用いられているわけではなく、大部分は基礎的な知識からなっていることからも基礎の重要性がわかると思います。まずは標準レベルの知識事項を一通り完璧にしておくことが最優先です。標準レベルの単語帳、文法書を一冊やり切ることから始めましょう。文法の単独問題は出題されないことが多いですが、長文読解や英作文は文法を修得しないとできるようになりません。学習方法は私立大学に出題されるような四択形式の英文法のための細かい知識を入れるよりも、理解を中心とした学習をすると良いでしょう。
単語帳の例:速読英単語標準編、ターゲット1900
文法書の例:Nextstage、チャート式シリーズ 基礎からの新々総合英語
発展的な語彙・イディオム問題、文法問題への対策
これらの範囲、特に語彙・イディオム系においては知識量がものをいう性質もあり、大学の出題傾向によっては発展的な学習が必要になります。勉強法としては標準レベル同様に参考書(発展レベル)中心に進めていくのが効率的ですが、問題集や過去問の演習を通じてわからなかった語彙や文法を今後絶対間違えることがないよう復習することも大切です。
長文読解対策
国立二次の英語で得点するためには長文読解は避けて通れません。演習を通じて長文への苦手意識は早い段階で克服しておくとよいでしょう。始めは長い英文を読むことに苦労する受験生も多いですが、演習後は必ず復習をして躓いた部分を一つ一つ見つけながら要因を把握、克服していくようにしましょう。長文とはいえ読解に求められる要素はすでに習った単語、文法知識がほとんどです。基礎知識がいかに穴なく定着しているか、またスムーズに読解に反映できるかを意識して演習を進めましょう。
国立二次では読みにくいレベルの高い英文の読解も求められる傾向にあります。基礎的な文法のみでは理解しにくい英文に対しては英文解釈と呼ばれる高度な英文読解を意識した演習を行い対策しましょう。こうして丁寧な精読中心の演習、復習を続けていき、時間をかければ読み通せるようにすることが第一目標です。
次に時間的制約が厳しく読解速度が得点を大きく左右する大学では、速読を意識した読解にも取り組む必要があります。文章を前から読んでいく癖を身に着けたり、パラグラフリーディングと呼ばれる重要な情報に注目しながら重要度の低い文章についてはあまり時間をかけず読んでしまう読解法など長文に対するマクロなアプローチが必要になります。このマクロな読解は二次試験頻出である要約問題対策としても有効です。
和文英訳対策
実際に自分で英文を書かなくてはいけない和文英訳では、単語のストックに加えて正確な語法、文法知識が必要となります。一方で受験生の知識量には限度があり、工夫なしに英文を書いてしまうと不自然な表現や文法ミスが発生しやすいことも事実です。従って和文英訳単語、文法的な知識に加えて、問題文中の日本語の意味を正確にくみ取り、できるだけ英訳しやすい平易な表現に置き換える作業が必要です。難易度が高くなればなるほど抽象的な表現や直訳しにくい日本語特有の表現が多く使用される傾向にあり、この作業の重要度がより大きくなっていきます。
対策としては和文英訳用の参考書や過去問を通じた演習につきます。解いた後は学校や予備校の先生など頼れる方に添削をお願いできれば最も理想的ですが、自分で答案を採点したり解答例と見比べて改善点を見つけていくことも大切です。
自由英作文対策
国立二次では自由英作文の出題が多くなっていますが、このような出題の意図として自分の意見を自分の英語で表現できる、実践的な英語能力を求められているからだと考えられます。
自由英作文で安定して得点をとれるようになるには、多くの演習と自分の書いた文章に対するフィードバックを受けて改善していく流れを繰り返し続けて行くことにつきます。演習教材としては自由英作対策の参考書や過去問が中心となりますが、参考書は設問のパターン化や文章のテンプレート、使える表現の紹介など受験自由英作文を解くうえで役に立つ情報が多く掲載されているため得点が安定しない受験生は積極的に使用していきましょう。解いた後は学校や予備校の先生など頼れる方に添削をお願いできれば最も理想的ですが、自分で答案を採点したり解答例と見比べて改善点を見つけていくことも大切です。
また志望する大学、学部の自由英作の頻出テーマ、解答形式を確認することも大切です。特定のテーマについて賛成反対するのか、もしくは自分の思い出や特定の状況について記述するものなのか把握して、文章の構成や使える表現についてあらかじめピックアップしておきましょう。
和訳対策
和文英訳では長文読解と異なり該当部分を文法的、意味的に時間をかけて精読する必要があります。複雑な英文に対しどういった構文になっているのか正しく読み取れるようになるには基本的な文法知識を身に着けおわった段階ではまだ難しいため、実際に文法解析を行う必要があります。演習教材としては英文解釈の参考書がこれにあたり、例文を通じて文法解析力を養っていきましょう。
また、単語の正確な訳出や指示語の内容把握など問題文全体を通じて正しく理解することも大切です。
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