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英語の具体的な勉強法−英単語勉強法−英語勉強法②


ここでは英単語の詳細な勉強法をお伝えしていきます。「英単語は語数が多くて、なかなか覚えられない。」「覚えてもすぐに忘れてしまって、進まない」など、英単語の暗記は多くの人が苦労している分野だと思います。英単語が暗記できないとこのさきの英語学習は必ず苦労します。ここでは、英単語についての理解を深め、効果的な暗記方法をお伝えしていきます。もし英語の学習ルートや参考書ルートの記事を読んでいない方は先に2つの記事に目を通してから、この英単語の勉強法内容を読んでもらえるとより理解ができると思います。

 

英語の具体的な勉強法−英語勉強法②−英語の学習ルート

 

英単語学習、結局何が大事?

「単語はとにかく書け!!」

 

「単語はただ暗記するものではない。理解しろ!」

 

「単語は音読が大事だ!」

 

最近は、一般の方が書いたネット記事や難関大生のYouTube動画などで、様々な勉強法が紹介されています。自分で調べてみても色々な情報が出てきて、「結局何が一番いいんだ…?」と悩む人もいるでしょう。最近よく言われているようなポイントは以下の3つです。

 

①回転率を上げる

②発音とセットで覚える

③コアイメージを理解する

 

結論からいうと、これらはすべて重要です!

しかし、現状のレベルや志望校によって何を重視するかは当然変わってきます。それでは、これらを踏まえて考えたとき、何が一番重要でしょうか?

 

まず、最も重要なのは「①回転率を上げること」です。そして回転率を上げるためにも、暗記をしやすくするためにも、今後の学習のためにも「②発音とセットで覚える」ことも同時に重要です。「③コアイメージを理解する」ことについては後で話しますが、レベルの高い学習の後期に取り組むべきことになります。それでは具体的な学習方法を通してみていきましょう!

 

英単語学習の流れ

(1)標準レベルの一語一義(+多義語)単純暗記

  1日100-200語を目安に進み、章やステージごとに復習をし、クリアできたら次レベルに進む

(2)何度も周回して定着したら難関レベルの一語一義(+多義語)単純暗記

(3)派生語の暗記(基礎要素修得後で良い)

(4)派生語を何度か周回し、ある程度定着したら、最難関レベルの単語を長文内や単語帳で並行

※(2)以降も(1)で学習した単語の復習を行う

※暗記しづらいものには語源や例文での確認など多方面からのアプローチ

 

まず、それぞれの志望校レベルまでの一語一義と多義語(1つの単語で2つ以上の異なる意味を持つ語。品詞や使い方で意味が異なる)を単純暗記して周回します。標準レベル全体で復習を繰り返し、標準レベル修得後、難関レベル(MARCH関関同立レベル)に上げた新しい範囲の学習を行います。その後、派生語(単語帳の見出し語以外)暗記へと進んでいきます。派生語は見出し語の数倍の語数が掲載されていることが多く、すべて暗記するまでには多くの時間を費やします。そのため、次のレベルの難関レベルの見出し語を学習することを優先しています。その後、最難関大を対象とする場合は、難関レベルまでの派生語をある程度理解した段階で、次のレベルの最難関大レベルの見出し語の学習に入り、難関レベルまでの派生語の学習と並行していきます。

 

〈ここでの目安語数〉

標準(日東駒専産近甲龍)レベル:約1600-1800語

難関(MARCH関関同立)レベルを目指す人:約2000-2200語

 

・目安語数内も段階的に学習を進めます。例えば「重要語600」など、参考書内で明記されている区分があればそれを活用し、決められた範囲を暗記したら次の範囲へと進みましょう。長文読解や熟語、派生語など、他の要素に取り組む際の効率を上げるために、まず頻出基礎単語の一語一義を定着させることが重要です。

・目安語数を修了したら、全体で周回します。

・英熟語の学習開始までに標準レベルの8割以上の暗記ができている状態に仕上げます。

 

※標準レベルより語数の多い単語帳を使用しているとしても、標準レベルの範囲をいくらか周回し、修得してから次のレベルに取り組みましょう

※基本的に、標準レベルの単語を修得してから熟語に取り組みますただし、難易度の高い単語の暗記が進まない場合や時間がない場合は修得しきる前に基礎熟語を始めることもあります。

※発音記号の学習をしていない場合は、発音記号を押さえて発音を正確にできるようにしてください。リスニングの基本教材を使用しても構いません。

※1日最低100-200語のペースで、1、2ヶ月を目安に目標レベルまでの一語一義の暗記を終えるようにしましょう。以下の詳細記事の勉強法を参考にトライしてみてください。

 

英単語の暗記方法

単語学習では以下の4つの暗記方法を学習段階によって使い分けていくのが最も効率的です。出版されている単語帳もこの4つのいずれかに着目して作成されているものか、複数の組み合わせているものがほとんどです。

 

①単純暗記とその工夫

②コロケーションの意識

③英文中での暗記

④語源や接頭辞接尾辞の理解

 

「①単純暗記とその工夫」は時間をなるべくかけずに暗記するもので、それ以外は単語を理解しながら学習する方法です。これらの学習方法は定着しやすいものではあるものの、暗記までに時間がかかり、英語学習の初期段階での学習方法に適していません。そのため、まず基礎レベルでは一語一義の単純暗記で英単語に取り組むことを推奨しています。基礎単語を修得後に英文解釈や長文読解などの他の要素に進んだときに残りの学習方法の考え方を理解していると基礎レベルの復習や、派生語や多義語などの学習の際に役立ち、単語の理解を深めることができます。

 

英単語一語一義(+多義語) の学習方法 

①単純暗記とその工夫

単純暗記では、英語:apple 日本語:リンゴ というように、1つの英単語に対して1つの意味を対応させて暗記します。これがよく「一語一義」と呼ばれる暗記方法です。

 

単純暗記のポイント

⑴発音アクセントを正しく理解する

⑵声に出して暗記する

⑶短期間で周回数を多くこなす

 

単純暗記といっても、がむしゃらに覚えるわけではありません!要点は押さえつつも、一つ一つにこだわりすぎずにとにかく繰り返すのが単純暗記です。スピード感を失わないよう留意しながら音読することで、後々リスニングなどにも役立つばかりか、ひとつひとつのアルファベットの塊としてではなく一つの言葉として単語を覚えることができます。

繰り返しますが、スピードと周回数の多さは絶対条件です。だらだらとした意味のない暗記にならないよう、気をつけましょう。

 

そして、上記の要点3つをしっかり押さえた、アクシブ推奨の具体的な暗記方法が「ヘビロテ暗記法」になります。より詳しい内容は下記のリンク先の記事を参照してください。

英単語を短時間で覚える!ヘビロテ暗記法


約1時間半で、100語を計18回繰り返す暗記法。音声を使用し、5分間ずつ100語をさらう作業を3周した後、音声を使用せず、60分で15周するのが1セット。事前に学習範囲の日本語の意味や発音方法を確認する時間をとるため、詰まることはありません。前日の復習テストも含め、これを毎日繰り返していきます。

これで単純暗記は完璧!

 

単純暗記の注意点

⑴多義語は1つの意味だけでなく、複数意味をこの段階で暗記する

⑵知らない日本語は必ず調べる

多くの単語帳は、最初に書かれている意味が主な和訳です。主要な意味が赤字や太字になっているものもあるので、表記を参考に判断することができます。一語一義ではこのような主要な意味を暗記していきますが、単語帳を見ていると、なかなか結びつかない複数の意味が書かれていることがあります。例えば、”run”という英単語でまず思い浮かべるのは「走る」という意味ですが、「〜を経営する」という意味も単語帳には書かれています。

こういった単語は「多義語」と呼ばれていますが、多義語の場合はやはり複数の意味を覚えることが重要です。多義語がでてきたときは一語一義ではなく、太字や赤字で書かれている意味はすべて覚えるつもりで暗記していきましょう。多義語として掲載されているものはどの意味も頻出です。ただし、多義語かどうかの基準は参考書によって異なります。ここでは入試において頻出の多義語に絞って覚えていきますが、参考書に書いていない場合もしばしばあるので、参考書ごとの細かい勉強法は、参考書別勉強法を参考にしてください。

 

また、ヘビロテ暗記法の記事にも記載されていますが、単語を暗記するときは日本語の意味が正しく理解できていないと暗記しづらくなります。自分の知らない単語、アウトプットできない単語は暗記しづらく、せっかく暗記しても使えない言葉になってしまいます。そのため、単語を暗記するときには意味を知らない、または曖昧な日本語に出会ったら意味を調べるようにしてください。

 

多義語の具体的な学習方法

〈手順〉 

①暗記したい意味の個数を英単語の下に数字で書く

②ヘビロテ暗記法で意味を答える際に、その個数の意味を答える

 

ヘビロテ1周目の確認の際に「①暗記したい意味の個数を英単語の下に数字で書く」をしておくことで、通常のヘビロテの中に組み込む事ができます。またその際にはその語がどのような品詞や使い方で意味が異なるかを確認するようにしましょう。

 

ヘビロテ暗記法で暗記しきれなかった単語への対処法

もちろん、ヘビロテ暗記法でどうしても覚えられない単語があることも十分考えられます。この場合は、ヘビロテ暗記法に以下のような工夫を加えてみて、自分にとって覚えやすい方法を探しましょう!

 

①場所で覚えてしまい苦戦する人→フラッシュカードを購入して暗記

②リズムがつかない、だらだら勉強してしまう人→CDやアプリでの暗記

③すぐ忘れてしまう、理屈で暗記したい人→接頭辞・接尾辞や成り立ちを理解(似たような綴りの単語で覚えたい場合は索引でテスト暗記してみましょう。覚えた単語はフリクションライトで塗るとよいです。)

④暗記できない単語は1日10語以内に抑え、付箋などに書いて持ち歩く

電車や街の単語に注意を払い暗記に使う(実際に使われているものを見ると、格段に暗記が楽になります。結構色々なところに英単語が隠れているので、探してみてください!)

無理やり日常生活で使ってみる、無理やり日本語の例文を作る(ここはアベニューだなとか、ストリームを渡る、など。友達に使ってみても、盛り上がって覚えられそうですね!)

⑦単語にイメージを与える、ダジャレを自分で作って暗記する(例えば「shabby:みずぼらしい」はシャビーシャビー(さみーさみー)という感じで、吹雪の中でぼろぼろの服を着ていてみすぼらしいイメージを持って暗記するなど。難関大生でも、意外とみんなやってます!)

 

英単語一語一義のまとめ

コアイメージはいきなり身につくものではなく、経験によって得られるもの

大学受験レベルの参考書で、コアイメージがすべて明記されている参考書はなく、コアイメージを意識して初めから長文を読んだり、調べたりしても時間がかかり、前に進めず、諦めるということにもなりかねません。単語は本来一語一義ではありませんが、時間がない受験勉強では単純な暗記をベースにして無理やり知識をつけるのが最も効率的であるといえます。

 

覚えづらい単語については暗記の工夫をする

単純暗記を基本にして、覚えづらい単語に対してコアイメージを意識するなどといった暗記の工夫をしましょう。最初のほうに挙げた単語の暗記方法の4パターン——①単純暗記とその工夫  ②コロケーションの意識  ③英文中での暗記  ④語源や接頭辞接尾辞の理解——のうち、方法を1つに限定するのではなく、使いやすいものを場面に応じて使っていくというのが理想です。

 

その他、英単語学習の中で意識しておくこと

ある程度の語彙力がすでにある場合、途中で参考書を変える場合、最短で英単語を暗記したい場合は「単語帳テスト」!

このように、ある程度英単語が頭に入っている人は一から単語帳で暗記を始めるよりも、できていない英単語をピックアップしてそれだけやった方が効率的なため、その方法を紹介します。

—単語帳テストの手順—

①単語帳をすべてテストする

②暗記できていない単語にチェックを付ける

③チェックのついた単語のみをヘビロテ暗記

 

※ヘビロテ暗記法で暗記をする場合では、100語2-5分で周回できるため、ピックアップした単語だけ学習する時間的なメリットは薄くなります。暗記している単語でも何度も触れることで暗記をより強固にできるので、暗記している単語を除いても大きな効果はありません。

 

英単語を覚えるためには文法の基礎知識も必要

品詞を正しく理解していないと単語を正しく覚えることはできません。このあと文法のインプットについて出てきますが、品詞、自動詞・他動詞、限定用法・叙述用法などは単語を暗記しながら確認しておきましょう。

また、単語帳に記述がないものもあります。特に動詞の中で自動詞・他動詞の記述がない場合は、「○○を覚える」など「を」がついていた時は他動詞、ついていない時は自動詞と覚えましょう。形容詞の中で修飾をするものか補語になるものかという限定用法・叙述用法などの違いもあるので確認してください。

 

中学レベルの単語帳を学習してから高校レベルの単語帳に入っている場合は1冊目の復習も並行する

単語学習を進めると、基礎レベルの1冊目の復習をしない人や捨ててしまう人さえいます。しかし、基礎単語ほど頻出です。また多義語や派生語にも繋がるため、繰り返し学習してください。

 

頻出の基礎単語を先に覚える

単語帳の中には良い参考書でも頻出で重要な単語が後ろのほうに載っている参考書もあります。基礎単語ほど入試には頻出なため、何周も復習して派生語まで学習したい点、また、その基礎単語を早く修得することで、早めに熟語、英文解釈、長文読解へと進むことができる点からも、簡単で重要な単語を先に学習するよう意識してください。

 

わからない単語は必ず出題されると割り切る

受験で出題される単語を、受験までにすべてマスターできるということはほぼありません。つまり、知らない単語は推測することにより問題を解いていくことになりますが、この推測も知識に基づいて行われるものです。わからない単語が出題されることを割り切ったうえで、手持ちの知識でどう推測するかも考えて学習していきましょう。

 

単語を周回した後で、わからない単語に出会った時には辞書で調べる前に単語帳を調べる

上記と関係することですが、長文を解いているときにわからない単語が出てきたら、まず単語帳に載っているかどうかを調べましょう。覚えているべき単語かどうか、その重要度を確認してください。

 

 

派生語・残りの多義語・関連語暗記方法

この学習方法は基本的に、難関大レベル(MARCH・関関同立レベル)以上を目指す受験生が基礎レベル修得後に派生語や残りの多義語までカバーするためのものになります。

 

〈一語一義暗記が終わったあとの手順〉

(1)文法書や問題集で接頭辞接尾辞を知る(例外も多いので、完全暗記まで必要なく理解する)

(2)ヘビロテの1周目確認の際に、派生語関連語を見出し50語1セットで進める

 

派生語とは?

派生語とは、ある単語から派生して他の品詞の語句になったり、接頭辞や接尾辞がついて異なる意味を持つよう変化した単語のことです。だから派生語について学習する際は事前に必ず、接頭辞や接尾辞のルールを知るところから始めます。接頭辞・接尾辞は、単語の前後にくっついて意味を加えたり、品詞を変えたりするもので、文頭につくものを「接頭辞」、文末につくものを「接尾辞」と呼びます。一つの単語であってもこういった役割ごとに分解できるものがあり、語源を理解する際に役立つことがあります。

 

接尾辞について

例えば、『システム英単語(5訂版)』では、次のような派生語が掲載されています。

 

 consider(動詞):〜を考慮する

 →派生語 

◇  consideration(名詞):考慮、思いやり

◇  considerate(形容詞):思いやりのある

◇  considering(前置詞 / 接続詞):〜を考慮すると

 

 invent(動詞):〜を発明する

 →派生語 

◇  invention(名詞):発明

◇  inventor(名詞):考案者、発明家

◇  inventive(形容詞):発明の才がある

 

前者では、”consider”に”ation”がついて名詞に、”ate”がついて形容詞に、”ing”がついて前置詞や接続詞になっており、後者では、”invent”に”ion”がついて名詞に、”or”がついて別の名詞に、”ive”がついて形容詞になっています。なんだか傾向があるように見えませんか?

まず、”ion”がつくものは名詞になっています。しかし、”or”がついても名詞になっているし、”ate”がついて形容詞になっている場合もあれば、”ive”がついて形容詞になっている場合もあります。上記の比較例だけではわかりませんが、これらは実はなんとなくの意味とセットになっていて、”or”がつく場合、その動作をする人=「◯◯家」という訳になったり、”ive”がつく場合、その動作をする可能性が高いというニュアンスを含んでいたりします。

若い人の言葉で「やばみ」とか「エモみが深い」とかいう言葉がありましたが、あれと同じだと考えてください。「エモみが深い」は、「エモい」という形容詞の最後を「み」に変えて名詞にしています。また、「エモみ」と言ったほうが「エモい」より少しぼかしたような曖昧な表現になるように、独特なニュアンスが加わります。

 

また、それぞれの品詞での訳をみると主要な意味とやや異なるキーワードがあることに気づくでしょうか。前者の例では、「考慮」の他に「思いやり」というキーワードが出てくるので、ただ「考える」という淡白な表現だけではなく「思いやる」というやさしめなニュアンスを単語が持っていることがわかります。

 

他にも「名詞+ly=形容詞」「形容詞+ly=副詞」といった規則もあります。”ly” がついていると副詞だというイメージはありますが、きちんと品詞とセットで覚えられるととても使いやすい知識になります。ここまででわかったように、派生語がわかれば、知らない単語が出てきても意味と品詞が推測できるうえに、単語自体の意味も深く理解きます!品詞がわかれば英文解釈の助けにもなります。

 

接頭辞について

 

bilingual(形容詞 / 名詞):二言語使用者の、二言語使用者

 →派生語 

◇  monolingual(形容詞 / 名詞)一言語使用者の、一言語使用者

◇  multilingual(形容詞 / 名詞)多言語使用者の、多言語使用者

 

この場合、”lingual”という語句に”bi” “mono” “multi”といった語句がくっついて色々な意味になっています。正確に言えば、”monolingual”や”multilingual”が”bilingual”の派生語というわけではありませんが、同様の考え方で理解できます。先ほどまでの”ion”などが接尾辞であるのに対し、これは接頭辞と呼ばれるものです。もうわかると思いますが、それぞれにしっかりした意味があることがわかります。これらを覚えていれば、きっと同じような接頭辞が出てきたとき、すぐに答えられるはずです!

 

【その他の例】

formal(正式の、形式ばった)⇄  informal(非公式の、形式ばらない、くだけた)

この対義語同士は、片方が元の形でそれに対して “in”という接頭辞がつくことで反対の意味になっています。知っている単語に “in” “im” “il” “ir”などという反対の意味を表す接頭辞がついていることを見つけたら、その単語自体を知らなくても、知っている反対の意味だということが推測できますね。

 

be different from〜(〜と異なる)/  be indifferent to 〜(〜に無関心である)

上記と同様に、 “in”という接頭辞がつくことで反対の意味になっています。気をつけてほしいのが、「異なる」の反対が「同じ」ではなく「無関心」という訳になっているということです。”different” がある2つのの対象の違いに着目しているのに対し、”indifferent” では、2つの対象(動作の主体と動作の対象)に関係がない=無関心である、という意味になっています。「好きの反対は嫌いじゃなくて無関心」なんて日本語でも言いますが、英語でも同様に、関係の有無によって意味が対に分けられています。考え方が言語にも反映されていますね。

 

import(輸入する)⇄  export(輸出する)

これらの対になる語句は、それぞれ “im” と “port”、”ex” と “port” に分けられます。”im” と “in” は発音による表記の違いがあるだけで(このような接頭辞・接尾辞の違いは他にもあります)、意味は同じです。しかし “in” という接頭辞は、反対を表す場合と「外」に対する「中」を表す場合があるので注意が必要です。上記の対義語の場合は後者で、外に追い出すようなイメージのある “ex”と対になって使用されています。”possible”(可能な)に対する”impossible”(不可能な)における “im” は反対を表す “in” が発音の問題で変化したものなので、同じ “im” でも異なる意味になります。

“ex” という表現は「前の」という意味もありますが、外に追い出すというイメージは同じです。英語のスラングで “my ex” といって元カノや元カレなどを表す語句がありますが、「恋人」という立場から追い出されたという感じを含んでいます。”expresident” で「前社長」や「前大統領」という意味の語句でも同様に、社長や大統領の座から退いて外へいくようなニュアンスがあります。ちなみに、”ex” はこういった印象を含むため、立場について触れる際は “former president” などという表現のほうがフォーマルなようです。

 

派生語の具体的な学習方法

単純暗記に引き続き、単語帳を使用して学習します。少し工夫を加え、ヘビロテ暗記法に基づいた復習をメインにしていきます。

 

派生語の暗記手順

①総合英語や文法書で、接頭辞や接尾辞について理解をする。

②ヘビロテ暗記法で見出し語50語ずつの暗記

見出し語ではないため、番号がついていない参考書がほとんどです。また多くの場合、見出し語1単語に対して1-4つほどの派生語や関連語が掲載されています。そのため、派生語や関連後の数で区切って学習するのは進みにくいため、学習の区切りは派生語の数ではなく、見出し語の数で区切っていくことを推奨します。見出し語で初見の単語を暗記するよりも、すでに見出し語を暗記している状態での派生語の暗記は1単語の暗記時間は短くすみます。ヘビロテの1周目で単語を確認する時間がありますが、そのときに①で学習した接頭辞接尾辞を思い出しながら派生語関連語を理解していきましょう。単純に見出し語1語に対して数倍の語数になっているために、通常1.5時間内で100語暗記のところを50語に減らして暗記します。語数は増えているためヘビロテの周回数は落ちますが、暗記時間が短く済むため、見出し50語が同時間程度で暗記できます。見出し語では2周目で200語暗記をしていましたが、同様に派生語も倍の100語に増やしていきましょう。 

 

※一字一句の暗記をしないため、音読をしっかり行うこと。単語のコアイメージや規則を意識しながら、例外や特別強調されているものを暗記していく。それ以外は完全に覚えようとしなくていいので、何回も読んだり目にしたりするうちに、品詞や使い方が文章中でわかるようになればOKです。

 

教材について

システム英単語など、派生語に関する簡単なチェック問題がついている場合は、これを利用して単語を学習する合間にチェックしていきます。もしこのような表記がない単語帳を使用している場合は、例外的な派生語を自分でチェックし、ペンで塗る、書き込むなどして学習しやすいように工夫してください。なるべく共通点を見つけながら、例外的に覚えるものを少なくするよう努めましょう。

 

今までの知識を強固なものにする理解暗記(応用)

理解暗記は知識を強固にする作業

「英単語の暗記方法」の中で説明していた「②コロケーションの意識、③英文中での暗記、④語源や接頭辞接尾辞の理解」をここからは説明していきます。これらの暗記方法は単純暗記と異なり、今まで覚えた単語や暗記しきれていない単語を、様々な角度から理解していく作業です。単語同士の関係(対義語・類義語・派生語・多義語の他の意味など)や使い方や成り立ちを知っていきます。「覚えなきゃ!」と思う必要はなく、「へぇ〜、こうなっていたんだ!」と理解を深めていきましょう。

 

理解暗記の基本3パターン

冒頭で述べたように、これらの暗記方法は知らない単語を覚える手段ではなく、すでに学習した単語を様々な角度からより定着させる方法です。単語を一語一義暗記や派生語暗記をしている途中や、暗記後にも、英文解釈、長文読解、文法問題、英作文など、英語に触れる機会は多くあります。ほかの要素と関わることで、単語帳だけの学習から、様々な角度から単語を目にする機会が増えます。その際に、今までの単語帳で学習した知識と照らし合わせ、考え、新しい発見、理解をすることで、暗記がより強固なものになっていきます。

しかし一つ一つの単語にこだわっているととても時間がかかってしまうので、基本的にはこれらの要点を意識しながら復習する形で知識を固めていきます。疑問に思ったこと以外にも、なかなか覚えられない単語や頻出の基本動詞などにも応用すると良いでしょう。それらは辞書で調べるなど丁寧に学習しましょう。

 

①コロケーションの意識

コロケーションとは、く使われる単語の組み合わせのことです。熟語ほどとりたてて完璧に暗記する必要はありませんが、コロケーションを意識することは、単語の自然な用法を身につけることに近づきます。

 

そして、コロケーションの意識はコアイメージの修得にとても重要なことですが、この段階ではコアイメージまで結びつけなくても大丈夫です。とにかく、「この単語はこの単語とセットでよく使われるな」「この単語がでてきたら大体こういう意味だな」という用法の知識を蓄積させていきましょう。

 

【コロケーションの例】

 

〜に影響を与える:have an effect on 〜

このまま直訳すると “give an effect” と書いてしまいそうですが、この名詞では “have” を使います。繰り返し音読をして身体に覚えさせることができれば一番ですが、どうしても覚えられない場合、コロケーションに自分なりの理由付けをしてみましょう。

 

・ “give” は日本語の「与える」という語句とニュアンスが少し違うのかも…

  ↓

・他の “give” の使い方をみてみよう。”give birth to〜”(〜を生む、〜の原因となる)や”give 〜 a try”(〜を試す)での “give” は、対象に与える影響が強く能動的なイメージがあるなぁ…

  ↓

・”give”と”effect”はセットで使わないのかな?…”give effect to 〜” で「(約束や法律)〜を実行する」という語句がある!こっちのほうが強い影響を与えている、堅い感じがするなぁ。”give”より”have”のほうが汎用性が高いのかもしれない…

………

といった感じです。もちろんニュアンスの正解がわかれば一番いいですが、すべて参考書に書いてあるわけではありません。ある程度自分で予測を立てながら、自分の思っている使い方では理解できない場合、捉え方を更新していきましょう。

 

お金を稼ぐ:make money

こちらの例のほうがわかりやすいかもしれませんが、”get money” などという言い方はしませんよね。日本語のカタカナ表記で使われるような「◯◯、ゲットだぜ!」といったニュアンスばかりを英語の “get” は持っていません。”get ready for 〜”(〜の用意をする)や “get into〜”(〜へ入る)など、 どちらかというと、ある状態から違う状態へジャンプするように移行するイメージを示す場合が多くあります。「お金を稼ぐ」という行為はそれ自体に過程を含んでいるため、”get” だとお金を持っているという状態にパッと移動したような、偶然お金を手に入れたようなニュアンスになってしまうのです。

 

日本語に置き換えて考えるとよくわかると思いますが、文法上は間違っていないけど違和感のある言葉があります。例えば、「服を着る」とは言っても「服を履く」とは言いません。どちらも「身につける」という意味の含む語句ですが、対象が衣服なのか靴や靴下なのか明確に違いを持って私たちは使い分けています。これは極端な例ですが、よくある使い方を知ることで、なぜそれらの単語と組み合わさって使われるのか——つまり、「どのようなニュアンスを持っているために、その組み合わせでその意味になるのか」ということがわかるようになっていきます。コロケーションを意識することで、覚えやすくなるだけではなく、自分がその単語を自然に使うこともできるようになります。

 

②英文中での暗記

英単語の暗記の理想はコアイメージとコロケーションの活用です。どのような場面で単語が使われるかをt理解することができます。これは本来実際の英文にたくさん触れていく中で身につくもののため英文中での暗記もおすすめですが、非常に時間がかかります。そのため、単語帳でひと通り学習した後の知識を強化する段階で、主に活用することを推奨しています。

また、英文中で覚えようとするのではなく、単語帳の例文を使って簡易的に場面での理解を深めていくことも可能です。ただ単語帳の例文確認は英文が理解できないと正しく理解できないこと、単語暗記のスピードを鈍らせることから、文法がしっかり覚えられていない場合はあまり推奨しません。

 

【英文中で暗記する際の注意点】

⑴初期段階ではなるべくこの方法を取らない

⑵中心的な意味とずれていないか注意する

 

既に学校などで基本的な英単語を習得できている場合、この方法で学習しても効果がでるかもしれませんが、単語力がほとんどない状態で英文を読もうとしても、辞書を引くばかりで膨大な時間がかかってしまいます。そのため、なるべくこの暗記方法を取り入れる場合は、基本的な単語は頭に入っている状態が望ましいでしょう。

また、英文中で単語を学習する場合、単語の意味はその文章に合わせたものになります。その単語の中心的な意味で使われていない場合もあるため、初期の学習では主要な意味を覚えられないこともあります。

最難関レベルになると、頻出でない単語を暗記していくことになります。その際には触れる機会が基礎単語に比べ、少ないため、長文の練習と同時に行ってしまうのも効果的な方法です。

 

③語源や接頭辞接尾辞の理解

接頭辞や接尾辞については、派生語の項目でも触れました。この他にも、たくさんの接頭辞や接尾辞があります。これらを理解するためには、本当は辞書で引くのが一番確実ですが、学習の際にいちいち辞書を引く時間的な余裕がある人はほとんどいません。一つの単語も意味によって分解できることがある、ということを念頭において徐々に感覚を身につけ、違いが気になるものについては辞書を引いたり、インターネットで検索したものを参考にすると良いでしょう。なおインターネットについては、個人的な見解を述べているだけの場合もあるので、使用する際には注意してください。

 

理解暗記のまとめ

英語学習の中で、英単語はどんな場面でも出てきます。単語の学習ははじめは基礎レベルを単純暗記をしていきますが、その後は様々な場面で出てくるたびに自分の知識を振り返り、強化していくことになります。何度か言及していますが、単語をすべて暗記することはできません。だからこそ、基本的なものが暗記できたら次の段階として、推測できるようになることを前提に、単語学習に取り組んでほしいのです。

読解において、意味を正確に覚えていない単語があったとしても、品詞が異なる同じ意味の語句であれば類推は容易であるし、対義語などは直訳で理解できないときには読解の助けにもなります。理解暗記は単純暗記より頭を使いますが、ただの暗記が自分の中で紐づくと楽しくなってくるはずです!

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