ここでは英熟語・イディオム・構文の詳細な勉強法をお伝えしていきます。英単語はなんとか暗記できたけど、熟語は苦手・・という方も多いのではないでしょうか?それは1つの単語でも前置詞の違いで、多くの意味がでてきてしまうのも大きな原因に感じます。しかし、英熟語は正しく勉強したら英単語の暗記よりも簡単に暗記し、使うことができます!ここではその方法をお伝えしていきます。
もし英語の学習ルートや参考書ルートの記事を読んでいない方は先に2つの記事に目を通してから、この英熟語・構文の勉強法内容を読んでもらえるとより理解ができると思います。
目次
熟語帳って必要?
熟語帳を使わない受験生がいますが、熟語帳は単語帳と別で持っておくことをおすすめします!!もちろん、単語帳の中に出てくる熟語だけで暗記できればそれが理想かもしれません。しかし、単語帳に出てこないような基礎単語と前置詞や副詞の組み合わせは熟語に多くあります。むしろ、高校レベルの単語帳で学習するような難易度の高い単語を含む熟語の意味についてはあまり苦労しないことが多いです。やや単語帳と重複する箇所もあると思いますが、それ以上に熟語帳は必要な参考書です!熟語を暗記せずに英語を読み進めると、a piece of cake(簡単なこと、たやすいこと)のような直訳できないような表現が多くでてきてしまい、長文読解や英文法の問題で苦戦を強いられることになります。
熟語と構文の違い
熟語(イディオム)とは
複数の単語で作られて、特定の意味を表すものです。熟語は動詞に副詞や前置詞がくっつき、動詞のような働きをする群動詞といったものや、前置詞に複数語がくっついて、1つの意味を表す句前置詞のようなものがあります。イディオムは会話表現の中で使われ、使い方や意味が決まってきたもので、複数の単語から特定の意味になる点は熟語と同じですが、イディオムはもとの単語とは別の意味になり、直訳では判断しづらいものが多くあります。このように少し違いはありますが、熟語とイディオムは同じものとして扱われる場合が多く、多くの熟語帳では熟語もイディオムも掲載しているので、この違いは気にしなくても良いでしょう。
構文とは
SVOCなどの5文型に代表されるような英語の型のことです。It is 形容詞 for 人 to V(人にとって、Vするのは形容詞だ)やIt goes without saying that SV(SがVすることは言うまでもない)のように熟語に比べ多くの語が連結している場合もあります。熟語と異なり、前置詞に関わらないものも多くあります。
前提となる学習について
熟語や構文を学習する際、単語の知識が入っていること(中学校で学習するような基礎単語に関しては深い理解があるとより理想です。)、文法や前置詞の知識はある程度学んでいることが前提となります。熟語には前提となるイメージがあるので、これらの知識がついていないと単語より覚えづらくなってしまいます。本来、ただの暗記ではなく様々な知識や理解と紐づいているため単語より覚えやすいはずですが、熟語や構文が覚えられない受験生は非常に多くいます。こういう生徒のほとんどは、前提となる知識が不十分なまま熟語や構文をそのまま暗記しようとしているのです。 まずは、熟語や構文に必要な前提知識が入っているかどうかを確認しましょう。
前置詞知識
ところで皆さん、前置詞のコアイメージはわかりますか?
take off~:脱ぐ、はずす、取り除く、割り引く、切断する、連れ去る、離陸する……など
take out~:取り出す、持ち出す、連れ出す、取り除く、破壊する……など
上の2つの熟語は、それぞれ “take” “off” 、 “take” “out”と要素に分けることができます。”take” は共通しているため、これらの熟語の意味の違いは “off” や “out” の前置詞の違いからきているのです。
熟語には、このように基本的な単語と様々な前置詞などの組み合わせにより様々な意味へと発展していったものが多くあります。”take” も “off” も “out” も意味はわかるし中学英語の範囲ですが、実際それぞれについて説明してほしいと言われてもよくわからないのではないでしょうか?
off:離れている状態や離れる変化を表す。⇄on 接触
out:場所の外、時間の外。⇄in 中
このように、前置詞にはニュアンスや意味があります。もちろん、前置詞だけみてもなかなかイメージがわかないため、例とともに見ていく必要があります。前置詞に特化した参考書(『前置詞使い分けBOOK』『前置詞キャラ図鑑』など)もあるため活用できますが、時間をかけすぎることを避けるため、基本的には総合英語のような既習の文法書で軽く確認してから、覚えつつ細かいところを定着させていきます。熟語は前置詞で意味が変わるため、正しく理解していないとミスが起きやすい要素です。
文法知識
また、熟語の使い方や構文においては文法の知識が前提となります。特に構文は、勉強法①でも触れたように、よくある文法の使い方のパターンを熟語的にまとめたもののため、前提知識を必要とします。
例えば、It is 〜 for [人] to do” という構文がありますが、英語には言いたいことを先に言ってしまって後から説明が加わっていくという性質があります。このようなときに使われるもので多いのは It … that の形式主語ですが、この構文も同様に言いたいことを言って、to以下が長くなっても問題ないというような仕組みになっています。
It is difficult for you to read.
(あなたが読むには難しい。)
for以下の人物は、to以下の動詞の意味上の主語になっています。そのため、直訳に近いものでは「あなたにとって読むのが難しい」などと訳せますが、文法的な規則を踏まえると上記のように訳せるのです。
構文は、単語や熟語よりさらに覚えづらいものです。しかし、頻出のものを理解とともに押さえてしまえばかなり英文解釈の段階で楽になります!構文を理解せずに英文解釈に進むと、構造把握できない場合がでてきてしまうので、英文解釈に入るまでに暗記しましょう。文法の復習としての側面もあるので、しっかり取り組みましょう。
また、熟語の使い方にも文法知識が関係してきます。
in addition to 〜
(〜に加えて)
with care
(注意深く)
これらの熟語などを覚える際は①文のどの位置に来るのが基本か ②前後にくる語句の性質は何か の2点に気をつけて暗記するようにしてください!
“in addition to 〜”は副詞句を作るもので、基本的には文頭にきます。ほとんどの場合 “in addition to 〜,” とカンマをつけ、その後に主節が続きます。この熟語の後には名詞句がくるので、toがついていても動詞の原形がくるなどということはありません。一方 “with care” のほうは大抵文末あたりにくるもので、副詞句として使われます。意味はcarefullyとほぼ同じのため、”in addition to 〜” のように後ろに語句がくる必要はありません。careに対する形容詞をつけて “with great care” などと強調することもありますが、”with care” と文末につけるだけで副詞句の役割を果たす熟語です。
先ほどの “take off” や “take out” などの熟語でも、後ろにくるのが[人]か[モノ]か[to V]か[Ving]か(後ろにくる語句の品詞、同じ名詞節でもどの種類のものか…)などがわからないとうまく使えません。参考書の赤字をただ覚えるだけでは意外と何もわからないのが熟語なんです。
こういった用法は、知っているだけで問題が解けることが多くあります。文法問題だけではなく英文解釈でも、句や節のまとまりを整理するうえで熟語が入っている部分を見つけられれば解釈の助けになるので、上記の2点に留意して学習していくと良いでしょう。
具体的な勉強方法
熟語構文の暗記手順
①前提知識を既習の文法書で確認する
②100語を1セットでヘビロテ暗記法で周回する
ヘビロテ1周目の確認の時間を単語よりも長く取り、下記2点の作業を行います。その後ひたすら周回しましょう。
ヘビロテ1周目にすべきことSTEP1直訳/イメージのこじつけ
例 take(取る)in(中に)
→自分の中に取り入れる
→take in=理解する、騙す
→take(取る)in(中に)=取り入れる
→自分の中に取り入れる=理解する、自分のやり方に相手を取り入れる
→take in=理解する、騙す
上記のように、無理矢理直訳から繋げてみましょう。辞書でいちいち調べているととても時間がかかるので、多少無理矢理でも構いません。ただし気をつけてほしいのは、単語のダジャレや語呂とは違い、ある程度の前提知識に基づいた根拠を持つということです。まったくのデタラメにはしないよう気をつけてください!
ヘビロテ1周目にすべきことSTEP2例文や用法を「みる」
どのように使われているかを、文字通り「みて」確認するだけで、例文を和訳するなどという作業はここではしません。これは、前提知識で必要としていたような、文法的な用法とセットで頭に入れてしまおうという方法です。
例 be one’s best:[人]の最盛期である
The musician was her best in 1990’s.(1990年代、そのミュージシャンは最盛期だった。)
熟語や構文によくあるのが、”one’s” とか [人] とか「〜」「…」といった表記です。使い方を知らずにこのまま暗記してしまうと入試で使えない、反応できない場合もあります。実際に文中でどのように使われるのかを知ることで、読める、解ける知識になります。この部分が英単語の暗記と異なる部分です。例文を「みる」ことで、用法や前後にくる品詞なども一発でわかるので、丸暗記するより有機的に意味が理解できるようになります。また、どうしても暗記しづらいものは、簡単な例文で暗記するのも一つの方法です。
熟語構文の暗記が難しい場合
take after 人(人に似ている)くらいであれば暗記は苦労しないかもしれませんが、take it for granted that SV (SVを当然だと思う)のように構文を中心に単純暗記に苦労する場合もあると思います。その際には自分で簡単な単語を組み合わせて、英作文を作ってみることで、暗記できる場合があります。これは英単語の暗記方法でも同様にお伝えしていますが、使ってみることで、頭に入りやすくなります。
教材について
熟語帳には、構文と熟語を区別せずに掲載されているものと、区別されているものがあります。構文と熟語が区別されている場合は、構文の単元を早めに学習するのがおすすめです。特に構文は英文解釈を行い、精読する際に、知っていないとその都度理解できなく、立ち止まってしまうことになります。
構文は文法書に載っていますが、基本的には文法事項ごとにバラバラに載っているため、暗記しようとしても使いづらいことが多いです。そのため、構文は文法書では暗記よりも理解を中心に「見る」「使う」というイメージで通過し、熟語帳で「暗記」することをお勧めします。文法書で構文の暗記に時間がかからずにできれば一番良いですが、文法書を学習している際は、早めに周回して全体を理解することを重視すべきと考えています。
頻出順でまとめるタイプと、基本動詞や前置詞ごとにまとめるタイプ(takeのつく熟語、in〜の形の熟語、など)があります。学習方法の詳細が変わるので注意が必要です!
具体的な学習方法に沿って学習する際、100語ずつ学習することになっていますが、基本動詞や前置詞ごとにまとめるタイプの熟語帳の場合、やや取り組みづらいと感じる受験生もいるでしょう。そういった場合は自分の学習しやすいように工夫して構いません。ブロック分けをして確実に覚えることが重要です。ただし、基本動詞や前置詞ごとにまとめるタイプの熟語帳は頻出順になっていないことには注意してください。そのため、基礎が参考書の最後の方ででてくることもあります。つまり、早めに周回しないと基礎を知らずに英文解釈や長文読解に入ってしまうことにもなるので、より早く1周終わらせることを意識しましょう。また、頻出順でまとめるタイプの熟語帳を使用する場合も、頻出順で暗記したあとに、後々索引を活用するなどして塊暗記(基本動詞や前置詞ごとにまとめて覚える方法)に取り組むとしっかり定着します。
その他注意点
単語と同様に、書かずに音声を使用した音読をしてください。
基本的にはレベル別で学習しますが、必要であれば索引などを活用して、塊暗記(takeのつく熟語、in〜の形の熟語、などに分けた暗記方法)をするのも良いでしょう。
熟語においては、どの前置詞を入れるかが文法問題や様々な問題で問われることが多いため、英語から日本語だけでなく、日本語から英語(前置詞副詞)へ訳せることも重要です。しかし、日本語から英語の学習をわざわざしなくても、音で自然と暗記してしまうことが多くあります。そのため特に対策はしませんが、音声学習はしっかり行ってください。
すぐに使える!重要ポイント4
「前提となる学習について」の項目の〈文法知識〉で詳しくお話ししましたが、ある程度のレベルまでは、熟語の用法や意味から問題が解けることが多くあります。すぐ使えるポイントとしては、以下のような点に着目すると良いでしょう。
(1)目的語に人がくるのか、モノがくるのか
agree with〜:(人・意見)に賛成する
agree to〜:(提案・計画)に同意する
例えば、こんな熟語があるとき、まずは「人に同意するときは”with”」を使うんだな〜と覚えましょう。意見に同意したいときは “with” も “to” も使えることがこの表記だけでわかりますね。実は、 “agree with” のほうが気持ちがこもっているような状態を表すニュアンスがあり、”agree to” のほうは、その「人」の意見というより、その「意見」には同意します(ケド・・・)といったようなやや事務的で動作的なニュアンスをもっています。でも、こんなこと調べないとわかりませんよね。だから、覚えるときはまず、こういう着眼点をもって違いを把握することに努めてください。選択問題でagree toの後ろに人が来たら消すことができますし、英作文ではこのような意識をすることでミスを減らすことができます。
(2)to V なのか to Ving(orA) なのか
be about to V:まさに〜しようとしている
come close to Ving:もう少しで〜しそうになる
toの後ろがV原形なのか、Vingなのかは混乱しやすいため文法問題ではよく出題されます。toVやVingとでてきたら意識的に覚えるようにしましょう。文法的にtoVは未来、Vingは現在・過去を表現するという違いもあるので、その側面から理解できるものもあります。また、熟語帳で名詞やAと表現されているものに準動詞を使う場合はVingを用いる必要があるので、認識しておきましょう。
(3)どこに置かれるものか
if not:〜とは言わないまでも
inside out:裏返しに
これらの単語は、見出し語だけをパッとみても実際の用法がピンとこないですよね。こういうときにこそ、例文の確認が重要になります。(繰り返しますが、和訳などはせずに「みる」だけにとどめてくださいね!)
”if not” は句の最初につけます。主節の後に付け足す感じで(「…とは言わないまでもね。」というように)使うことが多いですが、この場合はカンマを前につける必要があります。”inside out” は副詞的に使うので、主に動詞など(目的語があればそこまで含む)の後につけます。口語的でなければ文頭にくることはほとんどないでしょう。
ちなみに、例文をみろと言いましたが「この例文ではこうだけど、他の例文では違うかもしれない…!」と不安になると思います。他の文での使い方は、他の要素を学習するうちに出てくるはずですから、とにかく熟語帳の例文にあるような、重要な用法を確認することが先決です。
(4)動詞+副詞の語順に注意
put off A / put A off:Aを延期する
turn on A / turn A on:Aをつける
on, off , in , out , down , about , away などの副詞と動詞で他動詞の役割をするときに目的語Aを副詞との間に挟む場合と、あとに置く場合があります。副詞か前置詞かの見分けはできないので、熟語帳でput A offのように名詞が間に置いてある場合は意識しましょう。
後ろに置く:Aが長い場合や動名詞の場合
間でも後ろでもどちらも可:Aが名詞
間に置く:Aが代名詞
◆ AXIV ACADEMY(アクシブアカデミー)の概要
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