受験校は、数を増やすことだけで決めず、「合格したら通いたい順番」「各校の対策に使う時間」「試験日の重なりと負担」を一緒に見て決めましょう。候補校を一つの表に並べると、何を残し、何を見直すかを相談しやすくなります。
記事執筆者:朝倉(アクシブアカデミー宝塚校 プロコーチ)|プロフィール
受験校を決めるときは、行きたい気持ちと、今の勉強の進み方の両方を確認します。今回は、大学名を並べたところから、実際に受ける予定へ整理する手順をお伝えします。
目次
第一志望以外も「通いたいか」で考える
まず、候補の大学・学部を、合格したら進学したい順に並べます。同じ大学でも、学部によって学ぶ内容は違います。名前や難しさだけで決めず、大学公式サイトの授業内容やカリキュラムも見てください。
第一志望に届かなかった場合、どの候補なら進学したいかも考えます。迷う学校には、迷う理由を短く書きましょう。学びたい内容、通学・住まい、費用など、確認することを分けます。浪人も考えているなら、本人の希望だけでなく、家族とも時間や費用を相談しておきます。
学部・学科は、前年の合格最低点の差だけで決めない
同じ大学の中で学部や学科を選ぶとき、前年の合格最低点が低い方へ変えれば安心だと感じるかもしれません。ただ、前年の数字だけでは、今年どちらが入りやすいかは決められません。過去の結果は準備を考える材料にしながら、合格したら、その学部で学びたいかを先に確かめましょう。
迷う二つの候補について、大学公式サイトの授業内容やカリキュラムを並べ、「気になる授業」「合格したら進学したい順」「受験科目と追加の対策」を短く書きます。どちらも学びたいなら、出願できる組み合わせと日程を募集要項で確認します。学ぶ内容への希望と、受験の準備を分けて相談すると、数字だけで候補を入れ替えずに考えられます。
過去問から、これから必要な対策を見る
次に、それぞれの入試方式で必要な科目と配点を募集要項で確認します。過去問も見て、今の勉強で対応できそうな部分と、追加の練習が必要な部分を分けましょう。
模試の判定や一度の過去問の結果だけで合否を決めつけることはできません。それでも、どの問題で止まったかは、対策を考える材料になります。知識を忘れていたのか、問題の形式に慣れていないのか、時間が足りなかったのかを確かめてください。
候補校を増やすときは、その一校の準備をどこへ入れるかも考えます。ほかの大学の対策と共通する部分は何か、新しく練習することは何か。今の復習時間を全部削らないと準備できないなら、受験する方式や学校の組み合わせを見直す相談が必要です。

一般選抜も考えるなら、今の科目で受けられるかを見る
公募推薦のあとも第一志望を目指す場合は、一般選抜(学力試験を中心に選考する入試)の方式ごとに、今勉強している科目で受けられるかを確認します。大学・学部・方式をそろえ、必要な科目と出題範囲を当該年度の募集要項で見ましょう。同じ「国語」という表記でも、どの範囲が出題されるかまで確認します。
科目を追加する必要があるなら、まだ習っていない範囲と、一度学んだが復習が必要な範囲を分けます。新しい科目を入れる時間だけでなく、今の科目の復習や過去問の見直しを続ける時間も、一週間の予定へ入れてみてください。予定に収まらなければ、準備の仕方や受ける方式の組み合わせを先生と相談します。
結果が出てから考えるつもりでも、出願締切や準備に必要な時間によっては、選べる方式が限られることがあります。追加科目を始めるかを見直す日と、その時点で確認することを先に決めておきましょう。科目を増やす・増やさないのどちらかを全員の正解にはせず、行きたい学部と残りの期間、現在の学習状況を一緒に見ます。
カレンダーには試験以外の期限も入れる
候補校の出願締切、試験日、合格発表日、入学手続の期限を一つのカレンダーに入れます。学校や塾の予定、移動や宿泊が必要な日も一緒に見てください。
試験日が違っていても、連日受験すると移動や翌日の準備に時間を使います。何日連続までなら大丈夫かを一律には決められません。会場までの道のり、試験時間、これまでの模試の疲れ方を材料に、間に休む日や準備する時間を置けるか考えましょう。
また、ある大学の合格発表を待つ前に、別の大学の手続期限が来る場合があります。合格したときにどうするかを、結果が出る前から家族と相談しておくと、期限直前に慌てて決めずに済みます。納付や返還の条件は各大学の当該年度の案内で確認します。
合格した後の予定も考えておく
早い時期に進学先が決まった場合、後の受験を減らし、より行きたい大学の対策へ時間を使えることがあります。ただし、受験予定の変更は、入学条件や手続状況を確認したうえで考えてください。
逆に、まだ合格がない場合に、どの候補を残して勉強を続けるかも相談しておきます。結果が出るたびに一から受験校を探し直すより、考えられる選択肢を先に整理しておく方が、次の準備を決めやすくなります。
大学の数と、受験する機会の数を分ける
受験の機会を増やすことと、対策する大学を増やすことは同じではありません。同じ大学でも複数の日程や方式がある場合があります。必要な科目や問題形式が近ければ、準備を共有できることもあります。一方、別方式では配点や選考方法が大きく違う場合もあるので、同じ大学名だから同じ対策でよいとは判断しません。
研修の受験直前期の考え方でも、出題傾向が近い方式を組み合わせ、重点的に準備する対象を考えます。まず募集要項と過去問を見て、どの準備が共通し、何が増えるかを書きましょう。受験回数の数字を先に決めるより、限られた時間で準備できる組み合わせを探します。
同日程で複数方式へ出願できる場合も、出願条件や費用、受験する科目、合否判定の扱いを確認します。受ける機会を増やすときは、追加の準備と手続をセットで見ることが大切です。大学名だけの一覧から、大学・学部・方式・日程を分けた一覧へ直してみてください。
同じ試験でも、判定方式ごとの結果を確認する
同じ大学で一度受けた試験の成績を、複数の判定方式に使える制度があります。方式を追加できる場合は、受験日が増えるかどうかと、合否を判定する機会が増えるかどうかを分けて確認しましょう。出願できる組み合わせは大学・学部・年度によって違うため、募集要項を見ます。
例えば、追手門学院大学の2027年度学生募集要項では、公募制推薦の2教科型に、試験の得点を中心に評価する基礎評価型、調査書も点数化する総合評価型、得点が高い科目の配点を大きくする方式を示しています。これは同大学の当該年度の例です。名称が似ていても、別の大学へ同じ条件を当てはめません。
同じ答案でも、配点や評価する材料が違えば、結果が同じになるとは限りません。方式ごとに「判定に使う科目と配点」「調査書などの扱い」「追加費用」「併願できる条件」「合否の確認方法」を一行ずつ書き、家族や先生と見比べてください。得意科目を重視する方式でも、もう一方の科目の準備まで省けるとは決めつけず、その方式の配点に沿って勉強を続けます。
判定だけでなく、過去問の中身から相談する
候補を選ぶときは、模試の判定や偏差値も参考になります。ただし、志望方式の科目や配点、出題傾向が模試と同じとは限りません。学んだ範囲で過去問に取り組み、取れる問題と、まだ対応できない問題を確認します。未習範囲が多い段階で、一度の点数だけから合否を断定しないようにしましょう。
時間を決めて解いたあと、解答を見る前に時間をかけて考え直す方法もあります。時間があれば解けた問題は、知識の追加より時間配分や判断の練習が必要かもしれません。時間をかけても分からないなら、知識や解き方の確認へ戻ります。この区別は、今後の対策を考える材料です。
また、得点調整などによって、公表されている合格最低点と自分で採点した点数を単純に比べられない場合があります。配点と採点方法を大学公式で確認し、解説や先生との確認も使って判断してください。過去問で点数が取れたことを、合格保証にはしません。
結果に合わせて変える予定と、変えない準備を決める
共通テストや早い日程の結果で受験予定を変える可能性があるなら、どの条件で何を見直すかを先に相談します。たとえば、進学したい候補の合格が得られた場合に、後の候補を減らして第一志望の準備を増やすか。まだ合格がない場合に、どの方式を残すか。希望と準備状況を合わせて考えます。
結果を待ってから追加できるとは限りません。ある試験の合格発表より前に、別の方式の出願が締め切られる場合があります。追加候補は、条件、出願期限、対策に必要な時間まで調べておきます。変更を考える日もカレンダーに置くと、いつ相談が必要かが分かります。
費用は受験料だけでなく、移動・宿泊、入学手続で先に納付するお金も家族と確認します。辞退した場合の返還条件も大学ごとに読みます。無理に候補を増やす前に、どの学校へ進学したいかと、使える時間や費用を共有しましょう。

一覧の空欄を埋めて、受験予定へ仕上げる
一覧ができたら、各候補に「対策を始める日」「次に確認すること」を添えます。過去問をまだ見ていないなら、内容を確認する日を決めます。手続期限が不明なら要項を確認し、学ぶ内容で迷うなら大学公式のカリキュラムへ戻ります。空欄を残すこと自体が悪いのではなく、次に調べる場所が決まっていることが大切です。
通いたい順番、準備できる内容、無理なく受けられる日程がそろうかを、表とカレンダーで見比べてください。学校や塾の先生へは、その一覧と最近解いた問題を持って相談しましょう。
まずは候補校を同じ項目で並べる
今日できるのは、候補校ごとに「進学したい理由」「受ける方式と必要科目」「追加対策」「試験日」「手続期限」を書くことです。分からない欄は空欄にして、公式情報を調べたり、先生に相談したりする項目として残します。
記事執筆者

朝倉|アクシブアカデミー宝塚校 プロコーチ。
1年間の浪人を経て大阪教育大学へ進学し、参考書を使った独学で受験勉強に取り組む。現在は、宝塚校で一人ひとりに合わせた進路指導・学習指導を行っています。
受験校を何校にするかより、行きたい学校の準備に時間を使え、受験と手続きを無理なく進められるかを確かめましょう。学習状況に合わせた受験校の相談は、アクシブアカデミー宝塚校で承っています。
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