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理系数学の良問プラチカ 数学Ⅲ(3訂版)の使い方・レベル・勉強法など特徴を徹底解説!

参考書名
理系数学の良問プラチカ 数学3 (河合塾シリーズ 入試精選問題集 6)
略称
理系数学の良問プラチカ 数学Ⅲ(3訂版)
出版社
河合出版
発売日
2014/5/1
ページ数
32
科目
数学
タイプ
複素数平面,式と曲線,複雑な関数,極限,数Ⅲ微分法,数Ⅲ積分法
レベル
最難関ランク
目安時間
58時間

こんにちは、アクシブアカデミーです。プロ講師と、東大・早慶をはじめとする難関大生によるアクシブアカデミーの分析チーム「Axiv Lab」による参考書分析です。今回は「理系数学の良問プラチカ 数学Ⅲ(3訂版) 」を解説しています。大学受験用の参考書は、たくさんあって現状の自分の学力や志望校にどれがあっているのか選ぶのが難しいですよね。そんな方へ向けて「理系数学の良問プラチカ 数学Ⅲ(3訂版)」を参考書のレベル、特徴、使い方、勉強法、を解説していきます!

理系数学の良問プラチカ【数学Ⅲ】の基本情報

参考書レベル・難易度

最難関ランク

東大や東工大といった、最難関大学に対応可能な問題集です。難関大学を志望していて数Ⅲが頻出の生徒が、数Ⅲの演習量を確保するために使用するのが望ましいです。

青チャートなどで基本的な解法を見つけた後に実施しましょう。ただ、青チャートを終えてすぐにこの問題集に取り組もうとする人の中には、せっかくの良問にもかかわらず、手も足も出なくなり、十分内容を吸収することができない人もいるでしょう。問題を解いたり、解説を理解したりするのに求められる数学力も、それ相応に高いものとなっています。そういった方は「標準問題精講」や「重要問題集」などで演習をつむ、「大学への数学」などで難しい問題に触れる、といったことを挟んでから手を付けると効果的に学習することができます。「理系数学の良問プラチカⅠAⅡB」とはレベルの乖離があるので、連続して使うことは難しいです。

この問題集に取り組むことで数Ⅲ最高峰の演習力はつきますが、逆を言えば、それほど数学の求められない大学を志望している生徒にとっては、必要性は高くありません。自分の志望校の数学のレベルをよく見定めてから取り組むようにしましょう。

理系数学の良問プラチカ【数学Ⅲ】の習得までに必要な目安時間

58時間

他の問題集と比べると、比較的短時間で終わらせることができます。しかし、これはあくまで最低限かかる時間ですので、2周、3周と繰り返すことを考えるとこれ以上の時間がかかります。76問の問題数に対して、58時間もかかることからも推測できる通り、一問一問にじっくりと腰を据えて取り組まなければならない問題集です。

噛めば噛むほど味の出るような、逆に言えば、一度では理解しきれないような数学の奥深いところを取り扱った内容ですので、復習はしっかりと行い、その上で繰り返し取り組むことで、問題の本質を理解するようにしましょう。過去問演習前の総仕上げとして取り組む人も多いと思いますが、しっかりと時間をかけて学習するようにしてください

理系数学の良問プラチカ【数学Ⅲ】の概要

数Ⅲの「極限」や「微分法」といった各分野ごとに問題が用意されています。その全てが大学の過去問から集められており、分野に特化したもの、というよりは、テーマとする分野をベースとしつつも他の要素も取り入れた複合的なものが多いです問題数は少なく問題集自体のボリュームもコンパクトで、持ち運びやすさが魅力です。コンパクトさに反して網羅性も高く、数Ⅲの全ての分野を取り扱っています。

問題は厳選されており、問題を解くことによって、logやeといった、分野の基本的な概念を深く定着させることができます。解説には図が多用されており、微積分を視覚的に理解することができます本書には高度な問題集という側面と、微積分の基礎概念をしっかりと理解する補助教材という二つの側面があるといえるでしょう。

理系数学の良問プラチカ【数学Ⅲ】はこんな生徒におすすめ

  • 志望校の過去問に入る前に、数Ⅲの演習力を完成させたい生徒
  • 基礎的な数Ⅲの定石はすでにインプット済みで、数Ⅲにおける更に高度な解法を身につけたい生徒

その難易度の高さゆえに、数学力がまだ十分についていない生徒にとっては進めるのがかなりきつくなります。もし問題を解いていく中で難しすぎるなと感じたら、一旦少し下のレベルの問題集に取り組むことをお勧めします。

  • 東京大学、東京工業大学、医学部を目指す生徒

最難関の大学を目指す生徒にとっては過去問への助走に適しています。ただ、MARCHといったレベルを目指しているのであれば、本書はオーバーワークといえるでしょう。

  • 微積分についてより深い理解を得たい生徒

解説には問題の背景や関連した問題などがついており、大学数学の一端に触れることができます。

理系数学の良問プラチカ【数学Ⅲ】の特徴

高難易度かつ普遍的な問題

本書に掲載されているのは旧帝大や医学部といった最難関大学の入試問題からとられています。そのどれもが微積分の根本を問うような良問です。解くのに必要な時間はかかりますが、本書を理解できればかなりのレベルの数学力を身につけることができます。問題の癖も少ないので、「特殊な問題は解けるようになったけれどあまり使える場面がない…」というようなこともなく、汎用性がとても高いです。

過不足ない解説

本書の解説は、根拠や解き方の道筋は明記されているものの、簡潔です。丁寧すぎず、簡略化されてもいません。実際に入試問題で論述をする際の理想的なモデルとなっています答え合わせをするときには、自分の書いた論述に対し、どこが足りないのか、どこが余分なのか、見比べ、適切な論述を学んでくださいそうすることで、理想的な論述に自らの解答を近づけていきましょう。

問題背景についての解説

本書の解説の末尾の「話題と研究」という欄には、問題の背景や別解、類似した問題が載っています。これを読むことによって、その単元についてより深く理解することができます。ただし、作者も初めに述べている通り、読み飛ばして問題を解き、解説を読むだけでも構いません。理解を深めることができるというメリットがあるので、もし読む時間と余裕があるのであれば、目を通すことをお勧めしますが、数学にかけることができる時間を考えて取捨選択してください。

理系数学の良問プラチカ【数学Ⅲ】の使い方と注意点

数学ⅠAⅡBⅢを一通り理解して、定石が頭に入った状態で問題に臨んでくださいそのような状態でなければ、問題に太刀打ちできないどころか、解説を読んでも理解するのに非常に長い時間がかかり、意味をなさない上に非効率的です。

本書の持ち味は問題一つ一つの難易度の高さです。計算ミスなどをせずに完答するのはかなり難しくなっています。1日3問程度を、1問あたり30分などと制限時間をつけ、本番と同じような緊張感を持ちながら取り組みましょう。分からなくなったとしても、制限時間の中で問題をグラフ化してみたり、条件を書き出してみたり、他の解法を試してみたりと、じっくり粘るのが大事ですこのとき、答えを書くだけではなく、記述式の問題だと思って論述にも気を配ることが大切です。ただ、10分経って全く手が動かなければ解説を見ましょう。苦手だな、と思った分野については、少しレベルを下げた問題集で個別に復習してもよいでしょう。

解説では計算過程が省略されています。分からなかった問題については、実際に自分で手を動かして、計算がその通りになることを確認する作業を行いましょう。なぜその解法に至ったのかについては、同シリーズの解説よりは記述が少ないです。解説においてその解き方が選択されている理由を、自分で考える必要があります。問題が何に分類されるもので、その分類にはどんな解法が該当するのか、体系的に解法を捉える意識をしてください

問題に取り掛かる際には、二周目以降の学習がスムーズになるように、解いた時の感触を◯△×?などと記録しておいてください。解説を読んで思ったことを端の方にメモしておくなども良いアプローチです。1周しただけでは定着し難いですから、できるようになるまで繰り返すことをお勧めします。本書が身についたら志望校の過去問へと移っていきましょう。

理系数学の良問プラチカ【数学Ⅲ】の詳細な進め方 

1日2~3題を目安に進めていきましょう。

平均目安:30分/1問

数学Ⅲ

1章 極限(12問)

S01  6.0h 問題   1~12→  復習(△✕?のみ)→Partテスト No.1-1

2章 微分法(14問)

S02  7.0h 問題   13~26→  復習(△✕?のみ)→ Partテスト No.2-1

3章 積分法(33問)

S03  16.5h 問題   27~59→  復習(△✕?のみ)→Partテスト No.3-1

4章 2次曲線(8問)

S04  4.0h 問題   60~67→  復習(△✕?のみ)→Partテスト No.4-1

5章 複素数平面(9問)

S05  4.5h 問題   68~76→  復習(△✕?のみ)→Partテスト No.5-1

2周目(修了テスト前復習)

S06  3.0h S01の復習(△✕?のみ

S07  3.5h S02の復習(△✕?のみ

S08  9.0h S03の復習(△✕?のみ

S09  2.0h S04の復習(△✕?のみ

S10  2.5h S05の復習(△✕?のみ

3週目以降

S06~S10(2周目も△✕?だった問題)を繰り返す。

全ての問題が◯になったら過去問へ。

修了後に復習する場合

S01から同じ手順で行う

理系数学の良問プラチカ【数学Ⅲ】の具体的な勉強法

S01-S05

①何も見ずに問題をノートに解く。

②わからなくても必ず手を動かして試行錯誤する(25分程度は考える、どうしても手が動かない場合はその時点で③に進む)。「よって」や「①より」などもきちんと記述形式で解く。

③答え合わせをして、理解度別マーク法をもとに印を本書に書き込む。(◯△×?をつける)

④◯の問題も解説を読み、自分の解き方と同じか確認する。

同じ場合は一つ一つの操作をなぜ行っているのか言葉で説明できるようにする。説明できない場合は先生に確認する。解き方が違う場合は解説の解き方を理解してもう一度何も見ずに解く。

 

⑤△×?の場合は解説の解き方を理解してもう一度何も見ずに解く。

⑥別解も必ず理解して実際に解く。

⑦正解したら次の問題へ。①〜⑥を繰り返す

S06-S10

①S1-S05と同じように進める(△✕?のみ)

理系数学の良問プラチカ【数学Ⅲ】の分析者コメント

解説のありがたみがわかるのは強さを手に入れた者だけ、という印象が強い。数Ⅲの基礎をしっかりと身につけ理解していればなるほどな、と面白さが伝わってくるが、理解を怠っている人間からするとハテナしか浮かばないだろう。不親切な解説だ、とまで思うかもしれない。相性が非常にわかれる問題集である。(東京大学理学部)

難易度は高いですが、最難関レベルの大学を目指す生徒であればチャレンジしてほしい問題集です。理系数学の良問プラチカ【数学Ⅰ+A+Ⅱ+B】を解いてからこの問題集に取り組むより、文系数学の良問プラチカを解いてから取り組む方が、難易度を考えるとおすすめできます。(東京大学理科一類)

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