こんにちは。アクシブアカデミーです。
私たちは、2020年度入試より登場する大学入学共通テストについてご紹介しています。今回も共通テストについてご紹介します。今回特にお話ししたいと思っているのは
「大学入学共通テストの数学や数学の記述問題について」
です。
大学入学共通テストの数学は、2回の試行調査では記述問題等が出題されていました。しかし、2019年の12月に、記述問題は導入延期となりました。いったいどんな記述問題が出題されたのでしょうか?またなぜ導入延期となったのでしょうか?
受験生の方がすでに疑問に持っているであろう、共通テストの数学の記述問題についてご説明していきます。
目次
大学入学共通テストの数学・記述問題|出題背景・出題された問題
早速大学入学共通テストの数学の問題について解説していきます。
①大学入学共通テスト 数学 記述問題導入の背景
そもそも共通テストが導入された背景として、従来型の知識や暗記量を重要視するだけでなく、知識等を活用し、思考力や判断力、表現力を問うような力を図ることで、高校の現場での授業が少しずつ、知識活用型の授業にかわっていき、子どもたちが思考力・判断力・表現力を養えるようにしたいという文科省の考えがあります。
簡単に言い換えると、これからの子どもたちには、知識の習得だけでなく、知識を活用する力や知識を使いこなせるような思考力や判断力、表現力が必要です。しかし、現在の高校現場(高校の授業)は大学入試等のテストに合わせ、知識を伝達するだけの授業になりがちな現場もあります。そのため、大学入試自体を変え、知識の活用する力をはかる試験にすることで、高校でも授業の質が変わり、「子どもたちの思考力・判断力・表現力を伸ばすような授業になるのではないか」という期待があり、これらの取り組みがなされています。
子どもたちの思考力・判断力・表現力をはかるための1つの施策として、記述式が導入されています。実際に数学で記述式を導入することで、図表やグラフ、文章などを用いて考えていることを表現する力を採点者は見ることが出来ます。また、図表やグラフを用いるため、これらがどんな意味を示すのか試行する必要があり思考力や判断力を見ることもできます。そして、これらの過程を通して問題方略や問題解決のために必要な思考力の基礎が養えると考えられています。
詳しくは弊社でも「なぜセンター試験が廃止され、共通テストが導入されたのか?」記事をまとめています。よければこちらをご覧ください。
②大学入学共通テスト(数学)記述問題 採点者について
続いて、大学入学共通テスト(数学)の記述式問題の出題者や採点者が誰かという内容についてです。記述式問題は、作問や出題は大学入試センターで行われます。しかし、多数の受験者の答案を短期間で正確に採点する必要があるため、民間事業者に採点を委託します。
③実際に大学入学共通テストの試行調査(数学)で出題された記述問題
続いて実際に出題された大学入学共通テストの試行調査(プレテスト)での記述問題についても合わせて解説していきます。
実際に共通テストの試行調査では、2次関数の分野から記述問題が出題されました。動点を考える問題で、範囲を考える問題でした。この問題の難しさは、≦と<の違いなどを問題文や問題を解いていく中で理解したうえで範囲を答えることが難しかったと思います。センター試験の従来の問題であれば、問題の誘導にのるだけで解ける問題もあります。範囲までしっかり考えたうえで問題を解き進めていく難しさが今回の共通テストの試行調査ではありました。
このようにいくつか方針を伝えたうえで問題の誘導にのりながら場合分けする問題も登場しました。従来のセンター試験のようなマーク式の問題は、答えだけ出す問題もあったため、実際にやり方がセンター試験の問題の誘導にのらずとも解けるケースがありましたが、今回の様に明確に誘導があり、かつ記述式で解答する場合は、ある程度テストの誘導を考えながら問題を解き進めていく必要がありました。
参考:「大学入学共通テスト(仮称)」記述式問題のモデル問題例 平成29年5月
④大学入学共通テストの記述式問題の基準について
最後に大学入学共通テストの記述式問題の基準についてです。
先ほど紹介した2次関数の動点の問題の題材て、範囲について答える問題があったと思います。採点の際には、なんと完答で満点か、それ以外の0点かのいずれかという形でした。
後日、共通テストの試行調査の数学の記述式は出題延期(2020年度では出題されない予定)となった理由の1つに、「数学の記述式の問題をわざわざ記述問題にする必要があるのか?(マーク式で選択肢を増やすなどしてもいいのではないか?」という疑問や批判も生まれました。
いかがだったでしょうか?共通テストの数学の問題で記述式の問題が出る理由やどんな問題が出題されたのかについてご紹介しました。
大学入学共通テスト記述問題(数学)の延期の背景
ここまで共通テストの数学の記述式の問題についてご紹介してきました。続いて、大学入学共通テストの記述問題がなぜ廃止されたのか説明してまいります。2019年12月、文部科学大臣の発表により、「大学入学共通テストの記述式の問題の導入は『受験生が安心して受験できる体制を早急に整えることは現時点では困難』であるため2020年度入試の記述式の導入はしない」と発表しました。
その理由として様々ありますが詳しくは私どもの会社でも記事を書いているのでそちらをご覧ください。
▼関連リンク
なぜ記述式問題が延期となったのか簡単に説明すると
問題点1 採点体制の問題
採点事業主側で、実際に共通テストの記述問題を採点する採点者の確保できる可能性はあると大学入試センターに報告済です。しかし、実際に採点者を採用するのは2020年の秋以降の予定であるため、現時点で採点の状況を伝えられる状況ではなく、世の中の受験生や教育関係者を不安にさせてしまうのではないかという問題点がありました。問題点2 採点の精度の問題
2度の試行調査を経て、様々な課題が浮き彫りとなったため、採点の制度をあげるために、仕組み等を作ることはできるそうです。しかし、採点ミスを確実に0にする仕組みはまだ出来上がっていません。そのため、人生の転機となりうる、大学入試において、安心して受けられるシステムになっていないという問題点もありました。問題点3 採点結果との不一致を格段に改善することが難しい
実際に受験する受験生が採点する記述問題の採点結果と、実際の採点者による採点結果いずれがある場合があることが問題となっています。大学入学共通テストを受験する受験生の一部には国公立大学を受験する受験生がいます。そのため、採点結果とのずれによって、国公立大学受験の出願を見誤る可能性も捨てきれないため、受験生と採点者による採点結果の不一定は大きな問題の1つでした。問題点4 経済格差の影響がある
記述問題の採点にかかるコストが高い可能性があります。これまでの2回の試行調査を経て、記述問題の採点コストがセンター試験の採点コストに比べて格段にかかるかもしれません。それらが受験料等にも影響が出る可能性があり、家計の負担となったり、最悪の場合共通テストを受験できない受験生等もいるかもしれません。センター試験は、良問も多く、受験料も比較的安いと評判があり、経済的に困窮している家庭の一部では、センター試験を受け、センター試験利用入試で経済的に負担にならない形で受験をする受験生もいました。それらは。センター試験利用入試が一般入試に比べやや受験料が安いこと、センター試験も一般入試を何個も受けるよりかは安いからというものでした。しかし、センター試験に変わる大学入学共通テストの受験料が著しく高い場合、経済的に困窮している家庭が受験しづらくなる可能性もあるのです。問題点5 採点時間が極端に短い
共通テストが行われる予定の1月後半から国公立大学の2次試験までは約1か月程度~40日程度の間しかありません。そのため、記述式の採点がどんなに遅くとも、1,2週間で終わら差なければ、受験に間に合わず、国公立試験の入試や私立大学の共通テスト利用入試に使えない可能性があります。その短い期間でミスなく採点ができるのかどうかということも大きな問題でした。問題点6 民間委託の可能性から
採点作業や採点をすることを、人手不足の観点から民間に委託する場合、採点作業で知りえた情報をもとに、特定の民間企業が商品開発等に生かす可能性もあります。もちろん、採点業務で知りえた情報は外に漏らしてはならないとは言われているものの、無意識的にこれらのノウハウが使われてしまう可能性もあります。問題点7(数学)十分な記述量の出題が難しいためそもそも記述式でやるメリットがない
2度の試行調査を経ても、実際に数字の記号による選択肢問題でもよいようなお出題も多く見られました。数学の思考力・判断力・表現力を正しく見たいのならば、空欄補充程度の記述問題ではあまり意味がないのではという指摘もありました。
これらの7つの問題がありました。
まとめ
いかがだったでしょうか?共通テストの記述問題について今回は数学についてクローズアップして紹介していきました。共通テストの数学の問題の解説や国語の記述問題の解説記事など今後も弊社ではブログにアップしていく予定です。よければご覧ください。
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