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【大学受験生必見】共通テストとセンター試験の古文漢文の違いと対策を一挙公開


「大学入試共通テスト」で具体的にどう変わるの? 結局、どんな対策したらいいの?

そんな疑問に対して、大学入試センターが共通テストの改革のために行っている試行調査問題の分析をもとに具体的に解説していきます

今回は「国語」のなかでも「古文・漢文」に注目して解説をしていきます!

 

これまでのセンター試験 古文・漢文

では古文漢文の対策について説明していきます!

国語概要

試験時間:80分(現代文・古文・漢文合わせて)

得点:200点

大問構成(各50点)

第一問 現代文評論

第二問 小説

第三問 古文

第四問 漢文

古文

大問3で出題
得点:50点
設問数 おおよそ6

問題構成

例年、構成はほとんど変わらず、

問1 語彙

問2 文法

問3〜問6 内容説明

となっています

漢文

大問4で出題
得点:50点
設問数  おおよそ6

問題構成

問1 語彙(漢字の読み方、漢字の意味)

問2〜問5 返り点のつけかたと書き下し文、内容理解

問6 内容説明

30年度共通テスト試行調査問題の特徴分析(古文・漢文編)

全体的に問題の文章量が多くなり、思考力を問う問題が多くみられます。

国語全体の変化:大問の増加

試験時間:80分

得点:200点(+記述式の点数)

大問:5題 (1題増加)

大問構成

第一問 評論(記述式)

第二問 評論(マーク式)

第三問 詩とエッセイ

第四問 古文

第五問 漢文

というように、現代文の大問が一つ増え、古文・漢文がそれぞれ一つあとの大問に出題されることになりました。

記述式の点数は200点とは別に加算されるため、配点は例年通りになります。

古文・漢文としては国語全体の大問構成上の変化はあまりないと思ってよいでしょう。

 

共通テスト試行調査問題 古文の特徴(平成30年度版)

『源氏物語』 「手習」の巻からの出題

問1 心情説明

問2 語彙

問3 内容説明

問4 内容説明

問5  本文中のキーワードに対して教師と生徒の会話を読み、生徒の感想として適当なものを選ぶ問題

いつも問1で出題されていた語彙問題が問2に出題されていたという小さな変化を除けば、着目すべき変化としては問5で出題された教師と生徒の対話というシチュエーションでの問題です。結局問われているものは内容理解に等しいものなので、問われている力といえば対して変わっていないようにも感じます。

共通テスト試行調査問題 漢文の特徴(平成30年度版)

問1 漢字の意味

問2 返り点と送り仮名と書き下し文

問3 書き下し文とその解釈

問4 文の解釈

問5  与えられた2つの本文をもとに話し合う生徒の会話の穴埋めの形で、語彙と内容理解を問う問題

漢文も、最初の方の設問は、語彙や書き下し文などこれまでと変わらない出題内容でしたが、生徒の読後の会話という古文と同様のシチュエーションによる出題がなされました。

こちらも本文の内容一致だととらえると、求められる力はさほど変わってはいませんが時間配分により注意が必要になるでしょう。

共通テスト試行調査問題 古文の特徴(平成29年度版)

源氏物語が物語を写す人によって少しずつ変化があるということを題材にして、二つの同じ出典の内容を見比べさせるのに加え、そのとき、物語を写した人の逸話の文章、合わせて3つの文章を読んで設問に答える問題でした。これまでは、一つの出典に対して解答するのがほとんどでしたが、今度は別々の文章を読み解き、見比べるという点で目新しくなっています。

見比べるという全体のテーマが決まっている分、なにを手がかりに読めばいいかというのは幾分かつかみやすくなっていて、文章が細分化された分、一つの文章で行き詰まっても、他の文章でなんとか点数を死守するということもできるようになりました。ただ、設問としては、表現技法や和歌の修辞法など少々細かな問いがなされているので、問いとしては難しくなったという印象はあります。

問1 文法

問2 歌の修辞技法

問3 現代誤訳

問4 内容読解

問5  古典の表現とその効果

問6 内容説明

共通テスト試行調査問題 漢文の特徴(平成29年度版)

出題された文章に関連して生徒がまとめた資料を読んで設問に答えさせる問題が出た。

漢詩も出題されるなど一見難解のようにみえましたが、設問としては、漢字の読み方や意味、書き下し文など基本的な知識を問うものが多く出題されていました。

内容理解の設問は2問にとどまりますので、内容を問う問題は、センター試験と比べると、若干、数がすくなくなったと言えるでしょう。

問1 漢字の読み方

問2 漢字の意味

問3 返り点と書き下し文

問4 文の解釈

問5 漢詩の説明

問6 生徒のつくった資料の誤っている点の指摘(内容理解)

問7 内容理解

共通テストはどう変わる?古文

これらの分析を踏まえてまず古文が共通テストでどのように変わっていくのか予測していきます。

文章量の減少(問題の細分化)

これまでのセンター試験の古文では、比較的長い文章を読み、内容を問う問題がほとんどでした。この場合、前半部分で内容が理解できなくなればあとの問題がほとんど不正解になってしまうということがありました。

それに対し、共通テスト試行調査問題では、生徒と先生の会話文を読ませたり、3つの短い文章を読ませたりと、一つの問題文に集中させるのではなく複数の文章に細分化させることによって古文の実力をよりよく測ろうとしているように感じました。

 

↑29年度共通テスト試行調査古文で出題された短い3つの問題を読ませる問題

表現の重視

全体的に設問において問われている内容は、文法や内容理解などこれまでとはさほど変わりませんが、表現や和歌の修辞技法が問われたことから、読んだことを表現という観点から分析したり考えたりするものが増える可能性があります。

生徒と先生の対話文を出題したのも、考えることを重視させようとしているように思えます。

↑29年度共通テスト試行調査で出題された文章の表現と効果を問う問題

共通テストはどう変わる?漢文

ではつぎに漢文がどう変わりそうかをみていきましょう

問題の細分化

漢文も古文と同じく、一つの文章ではなく複数の文章や資料を読ませて解く問題が出題されました。

これまでと違った角度から問題を見る。つまり、一つの文章をただ理解するのではなく、他の文章や参考資料との対比によって理解を深めたり解釈したりという本来の古典研究のような実践的なスタンスで問題をとかせようという意図がみえます。

とはいえ、問われている内容はそんなには変わらず、あくまでもスタンスとして対比を重視していると思っているだけで問題ないでしょう。

 

 ↑29年度共通テスト試行問題で出題された問題文に関連して生徒が作成した資料

2020年度センター試験 国語は変わった?

では、これらの試行テストの出題傾向をふまえて、2020年度のセンター試験はどうなったのかみてみましょう。

古文

結果:ほとんど例年通り

問題構成は例年と変わりなく、共通テスト試行問題で出題されたように細分化された出題や思考力を重視する会話形式の問題は出題されていませんでした。

全体の難易度としても変わらずこれまでのセンター試験での難易度程度のものでしょう。

とはいえ、試行調査の変化からみて、来年度からはじまる共通テストの問題はこれまでのセンター試験とは突如として大きく異なる可能性があるので、注意が必要です。

漢文

結果:変化あり(漢詩からの出題)

2020年度は漢詩が出題されました。漢詩からは2007年度以来の出題でした。このことが直接的に共通テストに関連するかどうかはわかりませんが、29年度の共通テスト試行調査問題のなかでも漢詩があったことから、

表現力を重視する一環として、漢詩からの出題が増えるかもしれません。

 

 

 

 

イラストつきの設問

そしてもう一つの変化としてイラストつきの設問の出題がみられました。

漢詩の風景をイラストで表すとどうなるかという問題ですが、イラストとして解くというところに少なからず共通テストの表現力を問うという側面が垣間見えました。

聞かれているのは内容理解の力に過ぎないのですが、それを文章として表すのではなくてイラストという別の角度から捉える。あるいは、思考と図は表を結合させる力が必要とされているのかもしれません。

 

共通テストに向けた対策の変化

以上の傾向と変化の予測をもとに共通テストに向けて具体的にどんな対策が必要なのかを解説します。

1. 知識を身につける

どの科目でもそうですが、表現力や思考力が問われるからといって、知識がないことには問題は解けません。むしろ共通テスト試行調査問題では基本的な文法や漢字の意味を問うている問題が多く出題されています。

まずは、教科書の知識を確実に身につけるところからはじめましょう。

2. 話題が何かを把握しておこう。

共通テスト試行調査問題のように短い文章が複数あり、それらを比較したり分析したりする問題が出題されることが考えられます。

短い複数の文章が一体どのような関係にあり、何をさせようとしているのか、リード文をしっかり読んだり、先に設問を読んだりして正しく把握しておきましょう。

図やグラフなどが文章の一部、あるいは設問のなかに出題される可能性があります。その場合にも、何が大事で、何を比較しているのか正しく読み取り判断する力が求められています。

図の無駄な部分に引っ張られたりして無駄に時間を使わないようにしましょう。

3. 表現技法をおさえておこう

これはあくまでも推測ですが、共通テストやセンター試験の傾向からして表現を重視しているようにおもえます。

和歌の修辞技法や、漢詩文など、表現に直結するものをしっかりと理解することが大切になるかもしれません。

和歌や詩でなくとも、普通の文章の中で、筆者が言いたかったこと、登場人物が言いたかったことを文法的知識をもとに解く力も必要でしょう。

これまでも心情理解や内容理解として問われる内容ではありましたが、あらためて表現が重視されていると思って、教科書や参考書を読んでみましょう。

 

まとめ

いかがだったでしょうか?

 

今年センター試験が終わり、大学入学共通テストに向けて、不安に感じている方もいることでしょう。不安に感じる方はまずは、一度大学入学共通テストの試行調査を解いてみてください。その後、自分にどんな力が足りないのか、丸付けしながら考えてみてください。

 

もし、自分はどんな力が足りないのかわからない…。これからどう勉強すればいいかわからない等ありましたら、お気軽に弊社にお問い合わせください。あなたの状況や立場に合わせてアドバイスができると思います。

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