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008.すぐ実践できる勉強のやる気を上げる方法 —モチベーション管理①—


 勉強の期間は長期に及ぶのでモチベーションが低下することもあるでしょう。

 そうした子どもの姿を見て、親の立場から「なにかアドバイスするべきかな?」「黙って見守っていたほうがよいのだろうか?」などと悩む場面も出てくるはずです。

 本章では実際に受験生の保護者からさまざまな質問や相談を受け、私がアドバイスしてきた答えのなかから特に重要なものや、皆さんにお願いしてきたことなどをお伝えしたいと思います。

 まずは勉強を始めた高校1年や2年の段階で直面する問題について解説しましょう。高校3年以降の受験期の問題解決の方法についてはこちらで改めて取り上げます。

子どもにとって親はドリームキラーにもなり得る存在

 大学受験では受験生本人のやる気が最も重要とはいえ、孤独な受験生活のなかでモチベーションを維持することはそう簡単なことではありません。モチベーションの低下はそのまま学力の低下につながります。逆にモチベーションが上がれば、それに伴い学力もアップし、大学の合格可能性もまた高まっていくことは間違いありません。

 では、子どものやる気を保ち、モチベーションを向上させていくために、保護者はどのようなことに注意しておく必要があるのでしょうか。

 まず、何よりも心がけておかなければならないのは、〝ドリームキラー〟には決してならないことです。ドリームキラーとは、他人が抱いている夢や掲げている目標に関してネガティブな言葉を投げかけて、やる気を失わせる人のことです。大学受験では、とりわけ保護者・先生・友だちなどの身近な人たちが、無意識にドリームキラーになっている場合が多々あります。

 保護者は子どもよりも経験が多い分、現実的な面から物事をとらえて子どもの考えを否定してしまいがちです。たとえば「医者になりたいから医大を受験したい」という子どもに対して、「学費が高いから無理」「今の偏差値では受かるわけがない」とつい否定から入ってしまうことはよくあります。

 親心から何気なく言ってしまうネガティブな一言を、子どもはまるで自分の未来を否定されたかのように受け止めてしまいます。将来に夢と希望を抱き、その実現のために勉強をがんばろうとしているのに、「無理ならやめようか……」と受験に対する意欲を失うことになりかねません。実際に、保護者・先生からの言葉に悩んでいる生徒から「こんなことを言われたのですが、どうしたらいいでしょうか……」と相談を受けることがよくあります。

 学費の問題は奨学金を受けたり、私立よりも授業料が安い国公立に入学したりすることで解決できます。また、偏差値は勉強時間と戦略の工夫次第でアップさせることが十分可能です。まずは本人のモチベーションを高めて、勉強に取り組む「一歩」を踏み出せるよう背中を押してあげることが大切です。進みたい大学やなりたい職業など、子どもが思い描いている将来のビジョンを否定するような言動は絶対に避けましょう。

 「親の自分が一番わかっている。この子には○○は向いてない」などと初めから否定することなく、「自分と子どもは育ってきた環境も時代も価値観も違う。どんな職業にも就ける可能性がある」とポジティブに受け止めてあげてください。

 その上でどうしても子どもの進路に関して、「このまま黙って見過ごしていれば大変なことになるかもしれない」と危惧するところがあるのなら、テーブルを挟んで目の前に子どもを座らせるなどして真剣な話をする環境・雰囲気をつくり、そこで大人としての考えをまっすぐに伝えるべきです。

 そのようにすれば、子どもは「頭から否定された」と感じることなく、親の意見を「自分のために言ってくれたんだ」と受けとめることができます。

子どものやる気を取り戻すために限界を乗り越えた実例を伝える

 受験勉強を続けていくなかで、「どんなに勉強しても結果が出ない」「この成績では志望校には受からない」などと、〝限界〟にぶち当たったかのように感じ、受験に対するモチベーションを失ってしまうことがあります。

 子どものやる気を取り戻すためには、まず気持ちがプラスの方向に向くような言葉をかけてあげることが必要です。「今はまだ結果が出ていないけれど、もう少しすればきっと努力の成果が現れるはず」などというように、ぜひ強く励ましてあげてください。

 また、子どもが限界を乗り越えるために、必要となる適切なアドバイスやサポートを行うことも求められます。受験生が限界を感じている場合、その原因となっている問題の多くは十分に克服することが可能ですし、しかも、克服に役立つ情報は、インターネットで手軽に入手することができます。

 現在高校2年生で偏差値50の子どもが、早稲田大学の受験を考えたとします。おそらく「この偏差値では早稲田に受かるのは無理だろう」と思う人は少なくないはずです。しかし、インターネット上には、偏差値50台どころか40台、30台から勉強をスタートして早稲田大学に受かった受験生の体験記が存在しますし、それを実現するための方法、すなわち偏差値を飛躍的に高めるための具体策も見つけることができます。

 そうした情報に触れることによって、「ああ、自分もこのような方法で勉強すれば成績を上げられるかもしれない。よし、もう一度がんばってみよう!」とやる気を取り戻すかもしれないのです。

 このように子どもが限界を感じてモチベーションを失ってしまった場合には、他の受験生が限界を乗り越えた実例や、乗り越える手段があることを伝えてあげるとよいでしょう。

 ただし、インターネットに上がっている情報はごく一部の成功例であり、なかには広告・宣伝目的の話も含まれていることを忘れないでください。インターネットの内容を鵜呑みにしてしまうと、逆にうまくいかない場合もあります。

 また、インターネット上ですすめられている勉強方法をまねしてみても、疑問点を相談できる人が身近にいるかどうかなどの個人的な事情が異なれば、結果も変わる可能性があります。あくまでも「○○という方法もあるみたい」などと参考程度に教えてあげるのがよいでしょう。

 このように子どもが限界を感じてモチベーションを失ってしまった場合には、他の受験生が限界を乗り越えた実例や、乗り越える手段があることを伝えてあげるとよいでしょう。

学校の定期テストを活用してモチベーションアップ

 早期に志望校を決めて勉強する科目を絞るという戦略が、合格の可能性を高めることは説明しました。しかし、高校1年から受験勉強を始める場合、本番の試験まで十分時間があるが故に、緊張感を持続させることが難しいものです。そのような場合には、「学校の次の定期テストで○点取る」という形で目標を決めさせるとよいでしょう。もちろんすでに定期テストで高得点が取れている場合は、受験対策に時間を使うようにします。

 高校入試では定期テストの結果が評価されることが多く、入試において重要な要素になっていました。しかし、大学受験では定期テストの結果が評価対象から外れることが少なくありません。受験勉強をすればするほど、定期テストで高得点を狙うことに疑問をもつ子どももいます。

 では、高校の定期テストは大学受験には全く意味のないものなのかといえば、そうとは言い切れません。もちろん高校の定期テストの出題難易度にもよりますが、定期テストの勉強で一度深く理解しておくと、共通テストや偏差値50台の私立大学の入試に対応できるレベルになります(英語長文読解と現代文読解は、教科書の内容と入試が結びつきにくいので除く)。

 また、定期テストには次のような特徴があります。

・定期テストでは周りも必死に勉強するので、勉強に対する意欲を上げるきっかけになる。

・出題範囲が絞られているため成績を上げやすく、学校の先生からの評価も上げやすい。

・テスト週間に入るまでの1カ月でどこまで準備できたかで勝負が決まる。

 こうした特徴から、定期テストは「勉強をしたら点数が上がるんだ!」という成功体験につながる、最も身近な学習であるといえます。

 子どもが「勉強は嫌いだ」「○○の科目は苦手だ」という場合、実は定期テストで点数が取れないことが理由となっている場合が多いのです。逆に、「勉強は好きだ」「○○の科目が得意だ」という子どもは、定期テストで点数がしっかりと取れています。

 私は大学受験指導の一環として、勉強を始めたばかりで自分に自信のない1年生、2年生に対しては、特に短期間で確実に点数上昇のできる理科、社会、数学を勉強することの重要性を説き、定期テストで学年トップクラスを狙うよう促すことがあります。

 すると「さすがにそれは無理では?」と本人からも親御さんからも(塾・予備校関係者からも)言われます。しかし、「この定期テストで人生を変えるぞ!」と勉強時間を増やし、受験で必要な科目、狙いを定めた科目に集中させることで、十分に目標を達成することができるのです。

 その結果、自分でもやればできることを実感し、周りの評価も変わり、結果として、受験勉強への意欲が増していきます。このように定期テストを受験勉強のモチベーションアップに活用することができます。

モチベーションを高めるための家庭における環境づくり

 勉強に対するモチベーションを維持するためには、家庭における環境づくりも非常に大切になります。まずは、子どもの周りに勉強の妨げになるものがないかをチェックしてみましょう。

 たとえば子どもの部屋にテレビや漫画があると、ついついテレビを見たり、漫画を読みふけったりして勉強に集中できなくなります。こうした子どもの勉強時間を奪ってしまうおそれがあるものは、最大限取り除く必要があります。

 ただ、これは親が一方的に取り上げるのではなく、本人の意思で行わなければ効果がありません。現在の環境が大学合格のためにはマイナスになっていることを話し、本人に自覚させ、自分から勉強の妨げになるものをしまわせましょう。

 環境づくりの他に、生活習慣の見直しも重要です。まずは今の習慣を「見える化」してみて、勉強時間に充てるべき時間帯を見極めていきます。

 アクシブアカデミーでは、生徒に目標を決めさせた後、生活習慣を書き出してもらいます。図表4-1は、受験勉強を始める前の日常生活(Before)と、勉強に不要な要素をすべて勉強に置き換えた、自分にとって理想的な日常生活を書き出した表です(After)。

 時間軸で整理すると、自分がどんなことに時間を費やしているかが一目瞭然になります。すると、ほとんどの子どもが〝無駄な時間〟を、自発的に〝勉強時間〟に置き換え、率先して行動するようになるのです。

 テレビやスマホで視聴しているドラマなどがあれば、それが将来の自分と今の自分のために必要なものかどうかを一つずつ確認していきます。すると「このドラマだけは見たい。1週間の楽しみでやる気が高まる」などといった答えが返ってくることもあります。それでも、本当に必要なもの以外はすべて排除すべきです。

 友だちとの遊びや、SNSなども同様に改善しつつ、就寝時間が遅い場合や休日の起床時間が遅い場合も改善案を提示することで、生活習慣を見直します。

勉強時間を増やしなおかつ勉強の質を高めるためには、今まで述べてきた生活リズムの可視化と環境づくりが重要になります。この二つが揃うと勉強を習慣化させることが容易になるのです。

 家庭で同様の取り組みを行う場合、子ども一人ではそれまでの習慣を簡単に変えられないでしょうから、毎週1回は親が確認し、もしできていればほめて、できていなかったときにはどうすればできるようになるかを、子どもと一緒に話し合う必要があります。

 また、先にも触れましたが、子どもをどのようにスマホから引き離すのかも考えなければなりません。スマホには辞書ソフトのように勉強にも役立つ有益なアプリや機能なども備わっているため、「一方的に取り上げてしまうのはどうだろうか」とためらう保護者もいます。ただ、スマホの管理を子ども任せにしてしまうと、勉強もせず娯楽系の動画を延々と見続けたり、友達とSNSで長々とメッセージをやりとりしたり、いたずらに時間だけが過ぎていくことになりかねません。

 強い意志をもって自分の行動を厳しく管理できるような子どもなら別ですが、そうでなければ、勉強中は基本的に保護者が預かるか、勉強部屋とは別の場所に置き、「インターネットで調べものをしたい」「英語の学習アプリを使ってリスニングの練習をしたい」などの必要に応じて、その都度取りに行くようにするのが望ましいでしょう。

 家ではどうしても気が散って勉強に集中できないような子どもや、住環境に制約があって勉強する環境が整いづらい子どももいるはずです。そのような子どもは、塾・予備校の自習室や、有料自習室、近所の公立図書館の自習室など、自宅以外の場所に勉強できる場所を確保することが必要になります。自宅であれ外であれ、「その場所では勉強するしかない」という環境を確保することが重要になります。

勉強開始までにかかる手間を減らす工夫も必要 

 子どもが勉強をしやすい環境を整える上では、できるだけ手間や面倒をなくす発想や工夫も求められます。受験勉強に限りませんが、何らかのアクションを起こすとき、なかでも勉強のようにあまり積極的にしたいとは思わないような活動・作業をするときには、着手するまでに手間がかかればかかるほどやる気が失われていくものです。

 たとえば塾・予備校の自習室に勉強に行こうとするときに、筆箱に筆記用具を入れて、参考書をカバンに詰めて……などという作業が必要になると、行動に移すこと自体が億劫になり、「勉強したくないな、今日は自習室に行くのはやめようかな」という気持ちが生まれやすくなります。

 自習室で勉強する予定があれば、前日の寝る前に勉強に行く準備を完了させておきます。次の日はカバンを持ってそのまま出ていけばよいだけなので、やる気をそがれることなく、「よし、今日はたっぷり勉強するぞ」という気持ちを保てるはずです。

 やめさせたいことは逆に手数を増やすようにするとよいでしょう。たとえばスマホを見過ぎているようなら、リビングに取りに行かなければ使えないようにするとか、テレビをやめられないのならリモコンはタンスにしまっておくなど、アクセスするまでの手間を多くすると、その回数を減らすことができます。

 このような方法を教えながら、子ども自らが勉強の妨げとなることを遠ざける工夫をするように導いていくことが大切です。

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