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古文の入試別対策「共通テスト対策」−古文勉強法③


2021年度共通テストの分析

共通テストの特徴

大学入試センターから発表された共通テスト国語の問題作成方針には

「言語を手掛かりとしながら、文章から得られた情報を多面的・多角的な視点から解釈したり、目的や場面等に応じて文章を書いたりする力などを求める」

とあります。古文もその一環であり、文章の意味するところを的確に読み取る能力が重視されていると言えます。そして大学入学共通テスト問題評価・分析委員会報告書では、

「敬語を含め、古文特有の語句も多く用いられており、さらに和歌も数首含まれている。古文を的確に読み取る力、またその内容の豊かさを理解する力を確認する上で適切な素材文であった。」

と令和三年度共通テスト古文を評価しており、文章、文脈を正確に読み取ることを通じてその内容について思考力を働かせることができるかということが共通古文の狙いだといえるでしょう。

実際、センター試験で毎年問われていた直接的な文法問題はなくなり、内容、文脈を正しく理解できているかどうか問う問題が大部分を占めるようになりました。問われる内容は部分部分の理解から全体的な内容の把握までバランスよく問われています。また直接問われないとはいえ、正しく読み取るためには単語、文法の暗記が根底にあることを忘れてはいけません。

 

古文という科目の詳しい特徴や説明はこちら

 

センター試験との違い

センター試験は令和3年度から共通テストに移行し、思考力重視という方針の下、傾向変化がみられる科目もありましたが、古文においてはセンター試験からの変化は比較的小さいものでした。

2021年度、2022年度の問題構成は以下のようになっています。

 2021年 2022年 
(1)短文の現代語訳5点×3問短文の現代語訳5点×3問
(2)内容説明7点語句や表現に関する説明7点
(3)語句や表現に関する説明6点内容説明7点
(4)内容説明6点内容説明7点×3問
(5)和歌に関する内容説明8点×2問××

 

2022年度の(4)はさらに三つの小問に分かれ、和歌の内容を加味する問題も従来通り出題されたため、2021年度の問題とは解くうえで特段大きな変更は感じられなかったといえるでしょう。

助動詞の判別など、センター試験では毎年問われていた文法問題がなくなって文章の内容が正確に読み取れているか確認する問題がほとんどを占めるようになったほか、出題された文章も平均的なセンター試験の出題文に比べると比較的短いものであった令和三年度から一転、再び同程度の文章量になりました。具体的には従来通り1500文字前後の文章が出題されました。

 

共通テストの構成

今年度共通テストの詳細な形式を説明します。

短文の現代語訳

傍線部(ア)~(ウ)の解釈として最も適当なものを、次の各群の①~⑤のうちから、それぞれひとつずつ選べ。(2022共通テスト)

 

文章中の傍線箇所を現代語訳するという単純な問題形式で、二年連続で(1)として出題されています。傍線は一文すべてにひかれることは少なく、5~15文字ほどの比較的短い範囲が全部で3問出題されます。ここで受験者にが持っておくべき能力は大きく分けて3つあり、

①基本単語

②基本文法

③文脈補完

となっています。

①基本単語 … まねぶ、めやすし、まどろふなど基本的な古文単語の訳が問われました。例えば、「まねぶ」には「まねる、学ぶ」の意味もありますが、入試で問われる場合「伝える、表現する」の訳が問われることがほとんどです。現代語にそのまま当てはめるのではなく古文単語は古文単語としてきちんと暗記することが大切です。

②基本文法 … 助動詞の意味、判別だけでなく、呼応の副詞「え~ず」や終助詞「ものを」、接続助詞「ば」、敬語「給ふ」などが問われました。こういった基本的な文法事項は必ず押さえておく必要があるでしょう。令和三年度の(1)など、選択肢に極端な意訳はなく、文法要素や単語の基本的な訳が過不足なく反映されているものがきちんと正解となる問題もあります。要素的に足りないものは消去法で不正解だとわかりますし、確実に正解だとわかる選択肢を選ぶことが大切です。

③文脈補完 … 単語の訳の選択には文脈を把握しておくことが必須です。また年度によっては主語の判別なども問われることがあり、文章全体を通して話の流れを正確に理解できているかも問われるポイントとなっています。

 

語句、表現に関する説明問題

傍線部A「(略)」の語句や表現に関する説明として最も適切なものを、次の①~⑤のうちから一つ選べ。(2022共通テスト)

 

二年連続で同じ形式の出題がありました。傍線部における部分部分の表現や語句に注目し、それらを正しく理解できているかを問う問題でした。これは主に傍線部までの文章の流れを正しく理解できているかがキーであり、それに加えて傍線該当部の細かな語句、表現を単語、文法的に正しく解釈できるかも正否を判断するポイントでした。文章全体を正しく理解することが大切です。

 

理由説明問題

傍線部A「(略)」とあるが、長家がそのような対応をしたのはなぜか。(2021共通テスト)

 

傍線部における行動や感情の意味を問う問題です。このような問題はまず傍線部を含む一文を指示内容含め逐語訳して正確に文意を理解したのち、該当部分を探す作業を行うことになります。理由は必ず文章中にあることに注意し、文中にない内容が書かれているもの、内容と異なっているものは正しく見えても消すことが重要です。

また先述したように必ず傍線部だけでなく、傍線部を含む一文、さらにその前後に注目することがかなり重要です。令和3年度の共通テストでは傍線部直前の「よろしきほどは」の意味がキーの一つになりました。

 

内容説明問題

傍線部B「~」とあるが、このときの院の言動についての説明として最も適切なものを、次の①~⑤のうちから一つ選べ。(2022共通テスト)

 

傍線部の状況について正しく説明されている選択肢を選ぶ問題でした。まずは傍線部を正しく読み取れているか、次に文脈も加味して文章の流れを正しく理解しているかどうかが問題のポイントとなっています。

選択肢のある問題の鉄則ですが、本文の内容にはないもの、飛躍しているものを選ばない能力が重要です。

 

和歌に関する説明問題

次に示す【文章】を読み、その内容を踏まえて、X・Y・Zの三首の和歌についての説明として最も適当なものを、二つ選べ。(2021共通テスト)

 

共通テストはその前身であるセンター試験から続いて和歌の解釈というのが一つの出題要素となっています。令和3年度の共通テストでは本文中の和歌に加えて本文に関する和歌がもう一首出され、文膜状におけるそれぞれ意味や内容について問う問題でした。

和歌に関する問題は、まず該当の和歌をきちんと逐語訳するところから始めましょう。和歌特有の技法や文法は軽視せずにきちんとおさめておくことが大切です。そのあとは一般的な内容合致問題と大差はありません。和歌が歌われるまでの背景や文脈はきちんと把握しておかなくてはいけないので、特に和歌の前後には注目したほうが良いでしょう。

 

以上のことから、古文学習に避けては通れない単語、文法の基本知識を習得したのちには過去問を中心とした問題演習が重要になっていきます。

 

対話文形式の内容説明問題

次に示すのは、授業で【文章1】【文章2】を読んだ後の、話し合いの様子である。これを読み、後の(ⅰ)~(ⅲ)の問いに答えよ。

(ⅰ)空欄Xに入る最も適切なものを、次の①~④のうちから一つ選べ。(2022共通テスト)

 

複数人による対話文形式で本文の内容を確認する問題形式です。各小問は(ⅰ)同様文中の穴埋めをする形式で本文の内容や登場人物の心情を的確に把握できているかを問う問題です。令和四年度の共通テストでは、和歌のみをクローズアップした問題がなくなった代わりに、こちらで本文中の和歌に関する内容も一部問われており、文章全体を通じて正しく読み取れている必要があります。

 

共通テスト対策

自分に合った時間配分を見つけることが大切ですが、80分の共通テスト国語で現代文二題と古文漢文各一題を解き切るために古文にかけられる時間は多くて20分、目標では15分程が目安です。短い時間で効率よく点を取るためには、得点に直結した読解テクニックを駆使し短時間で効率よく文章内容を把握することが重要です。

古文全般における具体的な勉強法はこちら

 

①精読力(単語文法)

単語、文法という基本を完璧にすることが最重要であり、これらを疎かにしたままテストに挑むのは無謀です。またここでいう単語・文法も、単語・文法問題単体への解答能力ではなく実際の文章を読みながら難なく使えるくらいスムーズなアウトプット能力である必要があります。いちいち単語の意味を思い出そうとしたり、品詞や意味の区別に時間がかかっていては共通テストは間に合いません。単語帳、文法書で得た知識をそれだけにおさめることなく、実際の文章での品詞分解と現代語訳を通じてアウトプットを重ねることで生きた読解能力にしましょう。

逆にここさえ乗り越えれば共通テスト対策の7割は済んだも同然です。

 

②文脈把握力

実際に問題文を読んでいるとどうしてもきれいに文意が取れない箇所につきあたることがありえます。そういった時でも解答を導き出すにはいくつかのテクニックがあります。

・問題文、リード文、注釈を読んでおく(選択肢も予想の参考になるが、間違った選択肢を参照にするとさらに誤読を引き起こしてしまうことになる)

・古文常識、古文特有のあらすじ、パターンを知っておく

など、ありとあらゆる手がかりを適宜利用できる状態に仕上げることが大切です。

またわからない箇所でつまづいても、途中で止まることなく最後まで読み通せる力を養うことが必要であり、そのためには初見の文章を読み慣れておく必要があります。ここでは演習量がキーになってくるので、高得点のためにはやはり過去問演習を欠かすことはできません。

 

③問題へのアプローチ力

センター試験および共通テストは年度ごとに傾向や問題形式が変わりにくいのが大きなポイントです。そうなるとやはり共通特有の形式、傾向を早いうちにつかんでおくことが安定した得点につながることになります。上記の「共通テストの構成」を参考にして、共通テストの傾向、対策をつかみましょう。過去問や対策問題を用いて演習を進めることがメインですが、効果が芳しくない人やなかなか成績が上がらない人は共通対策の理解本を使用することも有効です。

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