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英語とは−大学受験の英語勉強法①


目次

英語の特徴

知識をつけるだけでは成績が上がらない「長期戦」

英語という教科は、だいたい8つの要素に分かれています。単語、熟語、文法、英文解釈、長文読解…といった様々な要素を順に、それぞれ伸ばしていかなければなりません。

しかし、知識をつけた段階では点数に繋がりません。勉強していくうえで、自分の成長を感じられるのは「英文解釈」「長文読解」のあたりになってからでしょう。まずは、単語熟語文法などの知識を頭に入れ、それらの知識を適切に使う練習として英文解釈に進み、それからやっと長文読解にたどり着きます。筋トレをしただけではスポーツはできるようにならない……まさにそんな感覚です。

英語がこのような「長期戦」である理由は2つあります。

①「使える基礎知識」を身につけるのに時間がかかる。

単語や熟語、文法などの基礎知識は、英文解釈や長文読解などで実際に英文を読むことを通して、より強固なものになっていきます

例えば英文法にある「仮定法」や「ナントカ構文も、文法書でみたときは「ふ〜ん…そういうルールがあるんだ」と一つ一つ納得したとして、実際の英文でどのように使われているかがわからないと、文章に出てきたときにその文法に気づけるかわかりませんよね。

だからこそ、「英文解釈」「長文読解」の段階に入っても基礎知識の復習をすることで「使える知識」にしていくことが重要です。

②英語的な思考回路に切り替えるのが難しい。

「英語脳」という言葉を聞いたことはありませんか?言語には必ず、その言語圏の人々の考え方が含まれています。逆にいえば、ある言語を使って話すときは、それらの考え方を一緒に身につける必要があるのです。

 

例をみてみましょう。

It’s nothing but a joke.

皆さんはこの英文を訳せますか?辞書を見ながら直訳しようにも、「それは”nothing” しかしジョーク…?」なんてことになっていないでしょうか。英文の中には、日本語に直訳してから意訳する、という手順を踏みにくいものがあります。日本語的な考え方のまま英語を理解しようとすると、限界があるのです。

 

It’s nothing but a joke. → それはほんの冗談だ。

ここで鍵になるのは、”nothing” の使い方と “but” の使い方です。”nothing” は名詞ですが、日本語に訳すとき一つの単語で言い表せるものではないので、文全体のニュアンスをつかむ必要があります。「それ(It)はなんでもないもの。でもジョークではある。」といった感じですね。

こういった考え方はあまり日本語にはありません。このように、日本語にはない考え方や言い回しを理解するには、英語を英語のまま理解する(=英語的な思考回路を身につける)しかないのです。

①と同様に、これも非常に難しく時間のかかることです。ただし、使える知識を身につけることが最優先で、②は伸び悩んだ時にワンランクアップするための鍵です。志望校合格には本当にこの学力レベルまで必要かということについては、塾の先生や学校の先生などに相談しながらよく考えましょう。

難関大を目指すなど、速読と精読の両方が重要になる場合も、「英語的な思考回路を身につける」というゴールがあることを念頭に置きつつ、最初の段階ではあまり意識しすぎないよう折り合いをつけて進めることも重要です。

 

今までの話を整理すると、英語の「長期戦」を制するポイントは2つあります。

  1. 使える基礎知識を身につける
  2. 英語的な思考回路を身につける

 

ポイントがわかったら、なんだかすぐにでも勉強を始められそうな気がしませんか?それでは、この「使える基礎知識」「英語的な思考回路」とは具体的にどのようなものなのか、そしてそれらをうまく使うためには何が必要なのか、それぞれの要素に分けて見ていきましょう!

英語の要素

01.  単語・熟語

英語を学習するうえで、最初から最後まで悩まされるのが単語や熟語などのボキャブラリーです。単語の学習方法については色々言われていますが、効率的な学習方法を知るためにも、まずは本来どういうものかを考えてみましょう。

単語

単語帳では便宜的に、一つの英単語につき一番わかりやすい日本語をあてているものがありますが、単語は本来「一語一義」ではありません。英単語それぞれのイメージに最も近い日本語を捻出して「一語一義」とすることで、その単語が頻繁に使われる状況に合わせて、効率的に身につけられるよう工夫してあるのです。

「一語一義」で効率的に覚えていく段階では「 water = 水 」「 run = 走る 」などと、一つの日本語との結びつきが強くなりますが、実際は一つの英単語は様々な日本語で言い表せます

 

例えば、日本語で「水」というと冷たい水を想像しますが、”water” という単語は温かい水——「お湯」もその中に含んでいます。だから ”water”を説明する際は「水」だけでも「お湯」だけでも不十分です。(もちろん、わざわざ使い分けたい場合は “cold water(冷たい水)”  “hot water(温かい水)” などと形容詞をつけます)

英単語を学習する際には、このことに気をつけなければいけません。実は、予備校の講師などがよく言う「単語のニュアンスをつかんで覚える」というのは、一つの日本語では表しきれない微妙なニュアンスをつかんでいくということなのです。

英単語は、単語帳だけで身につくものではありません。単語帳で一語一義で覚えた後、それを元に実際の英語の文章でどのように使われているのか知ることで徐々に「使える基礎知識」になっていきます。しかし、単語帳を使って「一語一義で覚える」ということができないまま、レベルだけ上げてしまったり、単語の理解度を上げようと非常に多くの時間を費やしてしまう受験生も多くいます。実際の学習では、ある程度のレベルまで「とりあえず意味を一つずつ覚える」ことを重視しましょう。

②熟語

熟語は、単語の組み合わせで直訳と少し離れた慣用表現になるものです。しかし、いずれも直訳から派生しているので、どんな単語と単語が組み合わさっているのか念頭に置くことが必要になります。 

熟語は多くの受験生がなかなか覚えられずに悩む要素のひとつです。この単語の組み合わせがこの熟語になる、ということが納得できれば暗記もどんどん速くなります。単語と同様に、ただの暗記ではなく使えるものにする必要があります。

英単語力・英熟語力は、まず単語帳でひと通り覚えきってから、実際の文章に触れたときに様々な文脈での使われ方を知ることで養われていきます単語帳を暗記して、忘れないように繰り返すだけだというイメージがあるかもしれませんが、このように段階を踏んでいることは理解しておきましょう。

02.文法・構文

英文法や構文は、英語の文章を読むうえでのガイドのような役割をします。単語や熟語を知っているだけという状態から、実際に英語を読む段階に到達するには、単語や熟語が並べられているルールを知る必要があります。

①文法

例えば、日本語と英語の語順が異なることを知っていますか?

上記のように、日本語では「(主語)→(目的語)→(動詞)」となりますが、英語では「(主語)→(動詞)→(目的語)」となります。これくらいシンプルだとわかりやすいですが、正しい語順やそこにくるはずの品詞がわからなければ ” love ” を「愛(名詞)」と訳せばいいのか「愛する(動詞)」と訳せばいいのかわかりません。文法を学習するということは、このようなルールの違いを知ることです。

また、英語には日本語にはないルールもあります。例えば、「時制」という考え方です。

日本語だと同じような訳し方でも、英語ではしばしば微妙なニュアンスを使い分けて表現できる言い回しがあります(もちろん日本語にしかない使い分けもあります)。日本語にはない使い分けをマスターするにも、文法は重要になります。

英文法は「退屈だ」「覚えられない」などと言われることがありますが、暗記するものとして覚えようとしているから「退屈」であり、「覚えられない」のです。

 

英文法攻略の鍵は、理解して覚えることです。

 

最近は、共通テストにおいて文法が単独で問われる大問がなくなりましたが、これは「文法が必要ない」ことを意味しているわけではありません。「使える文法知識」を身につける必要性が高まっているのです。単元別に膨大な量をただ暗記する退屈なものというイメージを捨て、体系的に理解する必要のある英文読解の土台だと思ってください。

数学の公式にも理由があるように、英文法のルールにも理由があります。実際の文章にもふれながら、文法とともに英語的な言語感覚を身につけるよう学習していきましょう。

②構文

構文とは、よくある文構造(文法の使用例)を慣用表現としてまとめたものです。

例えば、上記の “It is you that I love.” は、「私の愛する人はあなただ。」と訳しても文法的には間違いはありません。また、その右の “It is important that I love you.” は、”That I love you is important.” と訳しても決して文法的な間違いはありません。「It…that〜」の形も、that以下をItに置き換えて文頭に持ってきている点も同じです。

しかし、両者は「that以下が完全文か、不完全文か」という点で区別されます。前者は強調の慣用表現である一方、後者は主語が長くなるのを避けているのです。細かいことですが、文法上の少しの違いでニュアンスが異なってきます。

英語においては、このような「構文」と呼ばれるものがたくさんあります。この「構文」は、熟語帳や文法の参考書に載っていることが多く、文法的な理解と併せて学習するのが基本です。

構文を学習することで、文法だけでは理解しきれないニュアンスや読みやすさを知ることができ、英文がもっと読みやすくなります

03.  英文解釈

実は、単語や熟語、文法、構文を「知っている」だけでは英語の文章は読めません。和訳を通して、これらの基礎知識を「適切に使う」とを学習するのが「英文解釈」です。

例えば、以下の例文を見てください。

単語の意味がわかっても、どのように訳したら良いかわかりません。文法も同様に、知っているだけではうまく訳せません。

多くの場合、英単語一つに様々な日本語の意味を持っています。文法にも、様々な用法があります。つまり、和訳するうえでは「単語や熟語をどのように訳したら良いか」「この文章にはどの文法が適用されているのか」考える必要があるということです。

これをできるようになることが「英文解釈」と呼ばれます。

英文解釈の3要素

  1. 句や節のまとまりを把握する
  2. それぞれの品詞や働きを決定する
  3. 単語や全体の意味を確定する

これらの3要素は、主に文法知識や文脈から英文の意味を特定、解釈していくためのものです。英文解釈では、これら3つを学習するにあたって「英文を和訳する」という方法で学習していきます。

英文解釈には「直訳」「意訳」の2段階がある

3要素の最後、③単語や全体の意味を確定する ことができて初めて、日本語に訳すことができます。ただしここには「直訳」「意訳」という2段階があるのです。

直訳は知識を当てはめて訳すこと、意訳は文脈や文章の内容自体を踏まえて訳すことだと思ってください。この2つは真っ二つに分けられるものではありませんが、目標のレベルに応じて英文解釈をどれくらいまでマスターするべきかということに関わってくるものです。

[1] 直訳

先ほどの例文で詳しくみてみましょう。

例えば、”argument” という単語は名詞なので、本来、S(主語)にも C(補語)にも O(目的語)にもなれるポテンシャルを持っています。しかしここでは直後にbe動詞がきているので、倒置でもない限り、 “argument” はこの文の中では S(主語)だろうと考えることができます。

ここまで細かく考えなくてもぱっと見でわかる人もいるかもしれませんが、このように可能性を検討していけば、難しい英文だって必ず読めるはずです。

このように、文法や単語に関する知識を当てはめながらパズルのように訳していくのが直訳です。もちろん、”I love you!” のように一発で「愛してる!」と訳せるものもあるでしょうが、これらはパターンを覚えているということです。

だから、英文解釈の直訳を学習する段階では、どのように知識が使われているかを理解しつつも、このようなパターンを覚えていくことが重要になります。つまり「やろうと思えば英文解釈できるようなパターンをたくさん覚えている」という状態にしていくということです。

[2] 意訳

直訳は決して間違ってはいないものの、日本語としてパッと理解できるかと言われると微妙ですよね。日本語的な思考回路で基礎知識をただ当てはめながら英語を読もうとしているのが直訳だとしたら、意訳では、英語的な思考回路を理解したうえで日本語的な思考回路に置き換えることをします。

先ほどの例文を意訳してみるとこんな感じになります。

一文目は、意訳しないでもわかると思いますが、日本に限定して主節のSVCで述べられているような状態があることを示しているのでこのように訳すことができます。

次に、二文目は非常によくある表現で、生きていないもの(無生物)が動作の主体となっています。皆さんもこれから「無生物主語は副詞的に訳せ!」と飽きるくらい言われることになるでしょう。その通り、英語によくある無生物主語の文は日本語的な思考回路で理解するとき、主語を副詞として考えたほうがわかりやすいのです。

もう少し説明すると、無生物主語の文において、主語と述語の関係は因果関係に置き換えられます。「日本のやり方が(主語)」「〜を可能にする(述語)」ということはつまり、「日本のやり方によって(原因)」「〜が可能になる(結果)」ということです。だからこそ、意訳のような訳になります。

これらの意訳を「なんとなく」できる受験生もしばしばいますが、文法が曖昧な場合、それは推測になってしまうので誤読を招いたり、一定以上のレベルは解けなくなったりしてしまいます。

もちろん、いちいち英文解釈をしなくてもスラスラ読めるのが最終的な目標ですが、なんとなく読むこととは異なるうえに、それは英文解釈をしっかり身につけた後の話です。英語の点数が安定しない生徒は、できていると思っていても「なんとなく」読んでいる傾向があるので、意訳と「なんとなく」読むことは違うと念頭に置いておいてください。

まずは直訳をできるようにする!

以上のように、英文解釈では「直訳」と「意訳」の2段階があるとわかってもらえたと思います。

「意訳」は長文読解で育まれる力とも関係があるので、英文解釈ではとにかく「直訳」を完璧にできるようにしてください。ただし、「意訳」は英文をきちんと理解していないとできないので、どれくらい英文の内容を理解しているかをはかる指標にすることもできます。難関大学を目指す生徒は、長文読解の学習に向けて徐々に「意訳」もできるようにしていくと良いでしょう。

英文解釈は、英語圏の人々の言葉の使い方をルールにした「文法」という優秀なガイドに沿って英文を読むことです。まずは文法に忠実に読み、日本語的な思考回路では理解しづらい英文をどのように理解できる(訳せる)か考えるようにしましょう。これが身についてきたら、いちいち「無生物主語だから……」などと考えずに、感覚的に、しかし正確に理解できるようになっていきます

最後に、和訳には日本語の語彙も必要であるということは留意しておいてください。先ほどもお話ししたように、英語を「読む」だけならいちいち日本語に訳す必要はありません。英文解釈の学習において「綺麗な日本語に訳せるかどうか」は受験校の問題傾向で和訳問題がでるかで学習の度合いを決めてください。ただ、日本語に変換できるということは、しっかり理解できているということなので、英文解釈ではこの意味で、和訳を通して理解度をはかっているだけなのです。日本語の語彙の問題か、理解度の問題か、慎重に考えるようにしましょう。

04.  長文読解

英語の長文読解は、英文解釈の範囲を拡大させたようなものです。もちろん、所謂「読解力」も関係してきます。しかし、決して国語のように文章を読み解くことだけに特化しているわけではありません。単語や熟語、文法、構文などを使って、異なるルールの言語を正確に読み解くことができるか、をはかっているのです。

英文の例をみてみましょう。

第1段落の3行目、”It” で何かを指し示しています。英語は繰り返しを嫌う性質があるので “it” などの代名詞がよく出てきますが、何を指しているのか、読解の鍵になることが度々あります。現代文でも、「指示語内容をはっきりさせろ!」とよく言われますね。この場合、狭い範囲での英文解釈の要素で対応可能です。

その後の流れもみてみましょう。第2段落までは英会話の話をしていたのに、第3段落・第4段落で急に会話文が入ってきて、登場人物は挨拶をし、出身を紹介し、徐々にペルーやマチュピチュの話になっていきます。なぜでしょうか?

(出典:英文速読研究会(大岩秀樹・安河内哲也・佐々木欣也・杉山一志・佐藤誠司)『短期で攻める 1日1題1週間 スピード英語長文 Level 3』株式会社 桐原書店(2014,初版,第5刷)p.2)

※黒字以外の線や記号、テキストは当校にて追記したものです。

英語の論理的な文章では、1つの段落に1つの言いたいことをまとめ、先に何の話をするか言う傾向があります。(日本語の文章でもそういったものはありますが、英語のほうが顕著であると言われます。)第2段落の最後をみると、英会話スキルを改善するために「2つのアイディア」があると筆者は述べています。そのため第3・4段落は、ここに挙げられた「2つのアイディア」の具体例だと考えることができます。

ここで問題になるのは、もちろん「どちらのアイディアの具体例か?」ということですね。このように、筆者の主張を段落ごとの主旨や関係を整理しながら追っていく読み方を「パラグラフリーディング」といいます。

詳しくは参考書で学習できますが、要するにこのようなテクニックが存在するということです。これを学習し、今までの単語や熟語・文法・構文などの知識を、英文解釈を通して実際の英文に適用しながら読める状態にするのが長文読解になります。そして最終的には、これらの知識を意識しなくても使えるようになり、英語を英語のまま(=英語的な思考回路で)理解できるようにすることが目標です。

05.  英作文

英作文には、主に「和文英訳」「自由英作文」の2種類があります。「和文英訳」は日本語を英語に訳す問題のことで、「自由英作文」はテーマや質問、課題文に合わせて英語で自分の考えを書く問題のことです。

そしてこのどちらにおいても、自分の持っている語彙や文法でいかに多様な英語表現をできるかが非常に重要になります。

英語で意見を言う、となると難しい語彙や難しい文法を使って複雑な言い回しをしたほうが点数になりそう…と思われるかもしれませんが、実はそうではありません!

英作文においては簡単な英語でもいいので正しい文法で的確に意図が伝わるように書くことのほうが重要なのです。学習する際は、確実にニュアンスを理解して使える語彙やフレーズ、文法知識を増やすことを意識してください。

 

例えば、この図で使っている単語は、標準レベルの単語帳なら必ず載っているような簡単なものです。簡単にも関わらず、「自分はねこが好きだ」ということを伝えるのに様々な言い方ができていますね。英作文では、必ずしも問題作成者の思った通りのフレーズだけを使うわけではありません。だからこそ、思いつかなかったら別の言い方ができないか考えてみるという訓練が大切なのです。

しかし、和文英訳の時は特に気をつけなければいけないのが、意識的であれ無意識的であれ、もとの日本語にはないニュアンスを勝手に加えないことです。

確かに “be fond of~” や “prefer ~ to …” を使って「好きである」という事実を伝えることはできます。しかし、”I’m fond of any cats.” は直訳すると「わたしはどんな猫でも好きだ。」ですし、”I prefer cats to dogs.” は「わたしは犬より猫が好きだ。」になります。ここでは “be fond of~” や “prefer ~ to …” に合わせて少し単語を付け加えていますが、たださらっと「わたしはねこが好きだ。」くらいの日本語を英語に訳すのであればここまで言う必要はありません。付け加えないとしても、”I prefer cats.”では既に何かと比較して好きであるというニュアンスを含んでしまっているので比較対象がなければ不適切ですし、”I’m fond of cats.” でも間違いではありませんが、”like” より強い関心や感情が表れています。

必要がなければ、採点官に「こんな表現も知ってます!」とアピールしなくても良いのです。

自由英作文においても、自分の言いたいこと(「ねこが好きである」)を強調するために “be fond of~” や “prefer ~ to …” を使って何回も言い換えるといったことは効果的であり、同じ言い回しを何回もするより点数にも繋がりますが、前述のようなニュアンスの違いをわかったうえで使い分けなければいけません。たとえ、単語帳に同じ日本語訳が書かれていたとしても、異なるニュアンスを含み、異なる使い方をされるのです。

英作文ではいくら内容が良くても、文法的に間違っていたら減点されてしまいます。日本語で言いたいことをそのまま英語に直訳するだけではなく、様々な言い回しを確信をもって使う訓練をしていきましょう。この作業では知識がしっかり定着しているかが明らかになるので、英作文を学習しながら基礎知識をさらに復習していくことも忘れないでください!

06.  リスニング

リスニングでは、英語を聴いて設問に答えることで、正しく聴きとれているかをはかります。そのため、音声として聴きとれることはもちろん、同時にそれらの英文を理解しなければいけません。長文読解のように、自分のペースで英文解釈などをしている暇はないのです。

そもそも聴きとりづらいものを、さらにそのスピードで理解しなければならない——これがリスニングを難しくしているといえるでしょう。

★リスニングができない3つの理由

  1. そもそも単語や文法が身についていない
  2. 音声が正しく聴きとれていない
  3. 聴きとるスピードに理解が追いついていない

①は今までもお話ししてきた内容です。②についてはよく「リエゾン」という言葉をきいたことがある人も多いのではないでしょうか?英語では、単語同士を区切らずに音の強弱をつけながら発音します。例えば、”My name is Yuki.”を「マイ ネーム イズ ユキ」とは発音しませんよね。「マィネーミィズ ユキ」といった感じになります。「リエゾン」とは、このように単語をつなげて読むことです。

日本語でも同様ですが、発音するうえでのアクセントは重要な内容のところにつけます。”is”は”Yuki”や”My name”に比べて重要ではないうえに、iが母音なので、前の単語”name”の最後にくっついて発音されています。だから音も弱くはっきり聞こえないのです。

こういった英語独特の発音を知らずに聞くと、区切りがわからないので単語が認識できず、よくわからない…といったことになります。

そして、忘れてはいけないのが③の要素です。04. 長文読解でも少し触れましたが、英語を英語のまま理解することは英語の学習において最終的な目標となります。「音声を聴きとる」→「英語を日本語に訳す」→「理解する」などと段階を踏んでいてはとても時間がかかってしまい、次から次へと話される内容を追えなくなってしまいます。

そのため、音と意味を同時に処理する力が必要になります。これは、今までの基礎知識から読解までのすべての要素が身についていて初めてできることです。リスニングは、英語学習の中盤〜後期に始めることが多いものですが、毎日コツコツと学習するのが重要であり、リスニングの学習で今までの要素で足りないものを見つけることもできるので、丁寧に学習していきましょう。

07.  スピーキング

スピーキングは、リスニングとは逆に英語を話す力をはかります。基本的には面接形式で、自由英作文を人間相手に行っているようなものです。大学受験ではあまり見かけませんが、大学受験の英語の科目が有利になる英検など外部試験において度々必要となります。

 

ただ、英作文のように「自分の語彙や文法知識の中で多様な表現をする」いう要素や、リスニングのように「英語の発音方法を知り、自分の考えを日本語から『訳す』ことなく英語でまとめる」という要素が重要であるため、今までの学習がしっかりできていればある程度はできるはずです。

また、慣用的なフレーズを覚えることも効果的なので、そういった表現パターンを覚えるだけで、格段に話すのが楽になります。

 

しかし、英作文などとは大きく異なる点が一つあります。それは「文法を気にしすぎない」ことです。もちろん、今までにもお話ししたように、文法を間違えてしまうと伝えたいことが伝わらなかったり、わかりづらくなってしまいます。ただ、会話している相手が文法を気にしすぎて細かいところをいちいち訂正しながら話していては伝わるものも伝わりません。

英語は言語ですから、話すうえでは「伝わるかどうか」が最も重要です。

 

的確に伝えるために、今までの知識を意識せず使えるくらいまで定着させることを目標に復習をしながら、英語を使っていく練習をたくさんしましょう。スピーキングでは、やった分だけできるようになっていきます。できないことを怖がらず、簡単な英語でも間違えてもいいのでとにかくたくさん話すことが大切です。

逆に言えば、話さなくなるとすぐにできなくなってしまいます。参考書も様々なアプローチがあって楽しいものが多いので、継続を意識してコツコツと学習を進めてください。

英語の参考書の種類・選び方のコツ

01.単語・熟語

①単語

『ゼロから英単語』、『システム英単語』シリーズ、『英単語ターゲット』シリーズ、『速読英単語』シリーズ、『東大英単語熟語鉄壁』(熟語も収録)、『キクタン』シリーズ、『DUO 3.0』、『話題別英単語 リンガメタリカ』シリーズなど

どのような覚え方か?

単語や熟語は、参考書によって様々な覚え方の工夫がされています。例えば『ターゲット』シリーズでは、一語一義でとにかく速く覚えられるように、『速読英単語』では、文章を読みながらそこに出てきた単語を学習する形式になっています。『キクタン』では「チャンツ」と呼ばれる方法で音声を使った学習法を採用するなど、選ぶ単語帳によって学習の進度が大きく異なってくることもあるため気をつけて選びましょう。また、冊数はなるべく少なく済むように選ぶことをおすすめします。

語数やレベルはどのくらいか?

多くの単語帳はレベルごとにシリーズ展開されているため、自分に合ったレベルのものを選びましょう。冊数はなるべく少なく済むように選ぶことをおすすめします。1冊だと到達したいレベルに届かない場合は、同シリーズの中から2冊ほど選ぶと無駄がありません。ちなみに、『東大英単語熟語鉄壁』は有名ですが、とにかく量が多いので、難関大学でないとオーバーワークになってしまいます。「足りるか」だけではなく、「多すぎないか」も考えられると理想的です。

音声はついているか?

単語帳は基本的に音声がついているものが大半ですが、CDの場合やwebサイトから無料ダウンロードできる場合など様々なパターンがあります。単語は音声と一緒に学習するほうが覚えやすく、また今後の学習にも活かせるため、必ず音声を活用するようにしましょう。スマートフォンなどで通学中に聴きながら勉強できると効率が上がるので、使いやすいかどうかも見てみましょう。

フラッシュカードは別売りされているか?(もしくはアプリがあるか?)

英単語を暗記する際には、しばしば単語の順番で覚えてしまう、参考書の位置で覚えてしまう、などということが起きます。そこで、異なる文脈で英単語が出題されても答えられるよう、1つの単語を1枚のカードにしてランダムに問題が出せるようにするフラッシュカードというものがセットで販売されていることがあります。自分で単語帳を作るのは骨が折れるうえに続かないので、なかなか覚えられない人は積極的に活用することをおすすめします。

スマートフォンのアプリやインターネット上のサービスでランダムに問題を出してくれるシステムを作っている場合もあるので、こちらを使用しても良いでしょう。ただし、スマートフォンを使用した学習をする場合、勉強ついでにスマートフォンを使って休憩してしまうことがあるので、十分に気をつける必要があります。

テーマ別の英単語について

大学や学部によっては、その専門分野に特化した文章が出題されることがあります。このような場合に有用なのが『話題別英単語 リンガメタリカ』シリーズを始めとする、テーマ別の英単語帳です。例えば『テーマ別英単語 ACADEMIC』シリーズでは、背景知識と共に、少し専門的な英文を読みながら難易度の高い単語も学習することができます。

しかし、これらは最初に学習するべき英単語ではなく、難関大学を目指し学習に余裕がある生徒が長文読解の助けとして取り組むようなものです。通常ここまで取り組む必要のある生徒は多くないので、背伸びして学習する必要はありません!

②熟語

『システム英熟語』『Always1001』『解体英熟語』『前置詞キャラ図鑑』『英単語の語源図鑑』 など

自分にとって覚えやすいか?

熟語の参考書は英単語に比べてバリエーションがあまりありませんが、見やすさやわかりやすさの相性はあるため、なるべく中身をみてから決めることをおすすめします。

また、単語は覚えられるのに熟語だけが覚えられないという受験生が多くいます。そういった場合には『前置詞キャラ図鑑』や『英単語の語源図鑑』もおすすめです。熟語は単語の組み合わせなので、前置詞や単語のイメージがわかれば暗記量は減っていきます。最初から併せて購入する必要はありませんが、熟語の暗記に詰まったらぜひ使ってみてください!

語数やレベルはどのくらいか?

英単語同様、オーバーワークにならないよう気をつけましょう。難関大を目指す場合に、単語と熟語で異なる参考書を使用するのか、『東大英単語熟語鉄壁』のように熟語も収録されている単語帳一つで済ませるのか、など志望校のレベルに加えて自分の勉強のしやすさを考慮して選んでください。

音声やフラッシュカードは販売されているか?

熟語帳は基本的に、音声がついてないものがほとんどです。単語帳の中に収録されている場合は音声がついているものが多いので、音声と一緒に学習したい人はそちらでも構いませんが、レベルの相性を優先させてください。フラッシュカードについては様々で、『解体英熟語』は別売りでカード型のものがありますが、『Always1001』にはありません。これらは暗記方法の好みなので、自分のモチベーションが続くものを選びましょう。

02.文法・構文

①文法

理解本『ゼロから英文法が面白いほどわかる本』『アトラス総合英語』『総合英語Evergreen』『やさしい中学英語』『高校とってもやさしい英文法』 など

 

理解本は、文法の様々な知識が掲載された教科書のようなものです。「英語の要素  02. 文法・構文」でも紹介したように、文法は背景にある考え方を理解していないとなかなか応用がきかなかったり、覚えられなかったりします。そのため、インプットをしつつ問題演習に進むのが基本的なやり方です。

演習に進んでも文法の知識が定着せず、初歩的な文法でも応用がきかない受験生は意外と多くいます。こういう場合は理解本に必ず戻って曖昧な部分を調べましょう。

理解本にも、詳しく書いてあるもの(『アトラス総合英語』『総合英語Evergreen』など)と初歩的な導入の役割をするもの(『やさしい中学英語』『高校とってもやさしい英文法』)があります。詳しく書いてあるものは、学習を進めるうえで文法を確認するための辞書のような形で使用し、導入の役割をするものは、最初に読んでから問題集と並行させていきます。

参考書のレベルや深度によって用途が異なることに留意しましょう。

 

問題集『基礎からのジャンプアップノート 英文法』『英文法・語法 SWing』『日本一成績が上がる 魔法の英文法ノート』『英文法 ポラリス』『Scramble』『Next Stage』 など

 

問題集は、その名前の通り演習によってアウトプットをしていくものです。インプット的な要素もありながら問題を解いていくもの(『基礎からのジャンプアップノート 英文法』や『日本一成績が上がる 魔法の英文法ノート』)もあれば、問題演習に特化しているもの(『Scramble』や『Next Stage』)もあります。前者は導入としての理解本と併用するなどしてかなり初期に使用可能ですが、後者は、導入として簡単な英文法を学習した後に、詳しい理解本と併せて取り組む必要があります。問題演習に特化したものは、受験の最後のほうまで使い続けることも念頭において選んでください。

学校で使っているものがあれば活用する

多くの学校では、教科書とは別で文法の理解本や問題集を使用して演習を行っていきます。異なる参考書を同時にたくさん使用すると手に負えなくなってしまうので、学校で使用しているものがあれば活用しましょう。

ただし、『Scramble』や『Next Stage』などの問題演習に特化したものを、基本的な知識が理解できていない状態でただ繰り返し解いてしまっている場合があります。上記にあるような、初歩的な理解本やインプット的な問題集で基礎を確認してから、もう一度取り組み直しましょう。

少し簡単なものから始めよう

英文法にありがちなのが、「わかったつもり」です。これくらいのレベルならわかっている、と思っていても、実際文章が難しくなると応用できなくなります。英語はとにかく基礎が大事です。少し簡単そうに見える参考書でも、実はとても綺麗に要点がまとまっていること、意識していなかったポイントが書かれていることも多くあります。自分はできていると油断せず、簡単なものでしっかり理解してから難しいレベルに進んでいきましょう。

②構文

『解体英語構文』『リンケージ 英語構文100』 など

構文単体の参考書は多くありません。これらは重要・頻出の文構造をまとめた「構文集」と呼ばれる参考書です。暗記するだけでは使えないので、実際の文章でどのように使われているのか、また構文を見分けるポイントはどこか、などを意識すると効果的に使えるでしょう。

ただし、構文は熟語帳や文法の参考書にも掲載されています。下手に構文集に取り組もうとすると、暗記量が増えてしまいます。熟語帳や文法の参考書でも十分なケースも多いので、本当に必要かどうか、志望校のレベルを考えて取り組みましょう

03.英文解釈

『読解のための英文法が面白いほどわかる本』シリーズ 『英文読解が面白いほどできる基礎ドリル』『日本一成績が上がる 魔法の英文読解ノート』『英文読解入門 基本はここだ!』『英語リーディングブラッシュアップ』シリーズ 『Rise構文解釈』シリーズ 『ポレポレ  英文読解プロセス50』 など

学習初期では文法知識の使い方がわかるものを

英文解釈といっても、学習の初期では文法の知識を忠実に使うことが求められます。そのため、『読解のための英文法が面白いほどわかる本』シリーズなど、文法を読解に繋げることに注力しているものを初めに選び、徐々に『Rise構文解釈』シリーズなどの和訳自体に力を入れている参考書へと移行していけると良いでしょう。

図解の量や文章の量をチェック

英文解釈では、構造を理解できているかどうかが鍵になります。例えば『ポレポレ  英文読解プロセス50』では文章で簡潔に解説されているのに対し、『英文読解が面白いほどできる基礎ドリル』では図解が多く、情報量のボリュームがあります。

こういった解説の形式は、自分の学習形態にも関わってきます。文法に自信がない人は、図解や解説自体の量が多くわかりやすいものを丁寧に解きましょう。

04.  長文読解

問題演習『英語長文問題Solution』シリーズ 『The Rules 英語長文問題集』シリーズ 『ハイパートレーニング』シリーズ 『Rise読解演習』シリーズ 『やっておきたい英語長文』シリーズ 『スピード英語長文』シリーズ など

 

解法学習『ロジカルリーディング』、『パラグラフリーディングのストラテジー』シリーズ など

問題集によって着眼点が異なる

英語の長文読解の参考書には、非常にたくさんのアプローチのものがあります。例えば、『Rise読解演習』はオーソドックスなレベル別問題演習の参考書であるのに対し、『ハイパートレーニング』シリーズは、英文解釈のようにポイントとなる箇所を細かく解釈できるように解説しているため英文解釈からの接続は良いといえます。その一方、『ロジカルリーディング』では、「三角ロジック」という独自の考え方を用いて英文独特の論理展開を文章に見出して整理しながら理解していく方法をとっており、初期にいきなり取り組むものでもありません。

これらは何冊も取り組んでいくことになるので、一つに絞りすぎる必要はありませんが、徐々に無駄なくレベルアップするよう、シリーズは揃えたほうがよいでしょう。その過程で『ロジカルリーディング』や『パラグラフリーディングのストラテジー』シリーズなどのアプローチが異なる参考書を併用すると効果的です。ただし、一つのシリーズを進めるうちに自分に合わないと思った場合、迷わず他のものを試してみることをおすすめします。

自分の初期値と志望校のレベルを考慮し、埋められるように選ぶ

同じレベルの問題集でも、掲載されている文章の長さと深度は様々です。短い文章のものを少し取り組んだだけでは定着しづらいため、時間があるのであれば、初期に十分な時間をとって学習するのが理想です。しかし、志望校に到達するには時間がないという人も多いでしょう。そういった場合には、無理のない程度に参考書のレベルの間隔をあけ、順を追って志望校に到達できるように工夫してください。

また、文法と同様に、自分の思っているレベルより少し平易なものから取り組み、根拠をもって答えられるように学習するところから始めましょう。「ギリギリ解ける」感覚のレベルでは、リーズニングができていないことが非常に多いです。

演習しても点数が上がらない場合、読解そのもののコツを学ぼう

英文解釈はあまり問題なかったのに、読解になると急に解けなくなった人は、ロジカルリーディングやパラグラフリーディングの参考書を使用し、読解そのもののコツを学ぶ必要があります。長文読解は、英文解釈だけではできるようになりません。もちろん根本にある考え方は同じですが、読解にステップアップした際に必要になるコツを学ぶだけで、一気に英文解釈と繋がることもよくあります。

一度『ロジカルリーディング』や『パラグラフリーディングのストラテジー』シリーズなどに取り組んでみて、読解力をつける作業をしてみてください。

05.  英作文

『基礎からのジャンプアップノート 英作文』『英作文ハイパートレーニング  和文英訳編』『英作文ハイパートレーニング  自由英作文編』『英語で書く力。』『英語で考える力。』 など

 

志望校の過去問で英作文が出題されている場合、特別に対策が必要なことがあります。対策をどれくらいしっかり行うかは、英作文が出題される受験校をどれくらい志望しているか、他の教科にどれくらい余裕があるか、などを考慮して決めましょう。

ただ、基本的に英作文の要素が入る問題は配点が高いことが多いので、少しでも志望校の傾向として英作文が出題される場合は、基礎だけでも学んでおくことをおすすめします。

例文の多さをチェック

英作文では、様々な表現を知っている必要があります。一つの日本語文に対して、あのパターンでも言える、このパターンでも言える、といった具合に自分のもつ表現方法と言いたいことを結びつけることが重要だからです。すべてを暗記すればよいわけではなく、実際の文脈の中でどのような表現が使われているのか、またなぜこのように英語で表せるのか、理解しながら言い回しをストックしていくのです。

理論的な部分も重要ですが、こういった具体例で自分が納得できる参考書を選びましょう。

「和文英訳」か「自由英作文」か

「英語の要素  05. 英作文」でもお話ししたように、英作文の問題には2種類あります。自由英作文の対策をしたい人も大抵は和文英訳の問題から始めますが、和文英訳の対策をしたい人は自由英作文の学習をする必要はありません。レベルと併せて留意しましょう。

06.リスニング

『英語耳』シリーズ 『新キムタツの東大英語リスニング』シリーズ 『英語で聞く力。』 など

  • リスニングも、参考書によってかなり覚え方が違う。
  • 共通テストでもそこそこの配点があるが、移動時間やちょっとしたスキマ時間でできるので、苦手な人は少しでも取り組んだほうがよい。
  • 読解の速度が上がれば聞き取る速度も上がる。
簡単なものから取り組もう

参考書によってレベルは大きく異なります。難しいレベルまでできるようになりたい人も、比較的得意だと思っている人も、基本をやり直すと変わることがあるので簡単なものから取り組むことをおすすめします。

続けることが重要なので、毎日続けられるものを選びましょう。

他の英語の要素が足りているかも併せてチェック

英文読解ができないような英文を正確に聴き取れることはありません。参考書に取り組んでもなかなか点数が上がらないのであれば、参考書を変える前にまず、英文をきちんと文字で読んで理解できるか確認しましょう。読解に問題がある場合、少しレベルを下げるか読解の学習に一度重点を置いてみてください。

07.スピーキング

『英語のハノン』シリーズ 『瞬間英作文トレーニング』 『ビジネス英会話』 など

 

スピーキングの科目自体が大学受験に必要な人(英語の外部試験を受けたい人など)はあまり多くありませんが、話せるものしか聴き取れないという考え方もあります。

相当時間に余裕がない限り、リスニング上達のためにこのような工夫は必要ありませんが、レベルの高い英語の外部試験を受けたい人はスピーキングの参考書は必須です。しかし、これも他教科との兼ね合いを考慮して、本当に必要な場合のみしっかり取り組みましょう。リスニングやスピーキングは英語の最終段階といっても過言ではありません。試験における配点もリーディングに比べたら低いことからも、優先すべきは基礎であることがわかります。

英語のよくある質問

Q単語や熟語が覚えられません

A 様々な覚え方の工夫を重ねて、根気よく反復しましょう

 

「英語の参考書の種類・覚え方のコツ」で紹介したように、それぞれの参考書で覚え方のアプローチはかなり異なります。参考書を変える必要はありませんが、その参考書の使い方も様々にあるので、ここではその一部を紹介します。

① ヘビロテ暗記

学習初期にアクシブがおすすめしている単語の暗記法です。単語を覚える際にきちんと集中できていない可能性があるので、時間を決めてその間にできる限りたくさん周回することで集中力を一気に高めます。うまくできれば短期間にたくさんの語数を満遍なく覚えることができます。ただ、派生語や多義語を覚えるにはむいていないので、暗記している語数が少ないという場合に活用してみてください。

詳細は、以下のリンク先の記事を参照してください!

英単語を短時間で覚える!ヘビロテ暗記法

② 繋がりをもって覚える

先ほどの①ヘビロテ暗記とは真逆で、単語ごとの共通点をみながら暗記の助けにする方法です。

例えば、接頭語 “re” “in” “com” などに注目してみると、単語の意味が推測できることがあります。”possible” と “impossible” は “im” がつくことで逆の意味になっていますし、”connect” (接続する)に “re” がついた “reconnect” は「再接続する」という意味です。

ただしこの方法は時間がかかるうえに、きちんとやろうとするとキリがないので、学習の初期にはおすすめしません。

③ 例文と一緒に覚える

単語だけでなく、単語帳に載っている例文を一緒に覚えてしまうのも一つの方法です。すべての単語を例文と一緒に覚えてしまうと覚える量が単純に増えてしまいますが、どうしても覚えられないものに絞って例文までしっかり確認すると暗記の助けになります。

これらの中から一つを手段として選ぶのではなく、覚えられない単語はこんなアプローチをしてみよう、と変えていってみてください。

ただ、学習の初期に単語や熟語が覚えられず困っていたら、一度先に進んで他の学習と並行する形で学習してもいいかもしれません。結局単語は、実際の文章でどのように使われているのか知らないと覚えにくいものです。初めてみた単語や覚えていなかった単語を随時覚えていくのも一つの工夫でしょう。

Q文法が覚えられません

A 文型や品詞などの基礎的な理解を確認しながら、例文とあわせて音読してみましょう

文法では、「◯◯構文」「◯◯的用法」といった言葉を覚えても意味がありません。しっかり内容を理解して、実際の文章の中でどのように使われるかを繰り返し確認することで自然と覚えていくものです。

特に疎かになってしまうのが「文型」と「品詞」の理解です。例えば、形容詞と副詞がそれぞれ何を修飾するものか説明できますか?すごく基本的な質問ですね。しかし、しっかり答えられる受験生は少ないように思われます。

形容詞は名詞を、副詞は形容詞・動詞・他の副詞・文全体を修飾することができます。なんてことない「暗記」と同じように思われるかもしれませんが、「何を修飾するか?」ときかれて「えーっと、『形容詞』と『文全体』と……」なんて言葉で覚えないでください!重要なのは、「何を修飾するか?」という問題は、「どこまでがひとまとまり(句や節)か」や、「どのように訳せばいいか」に関わってくるということです。他動詞が文の中に入っていたら目的語が必ずあるはずで、目的語になれる品詞は…といった具合で、文構造を整理する手がかりになるのです。

このように、文法においては基本的な知識の理解が大切です。しかし理解するだけでは身につかないので、例文にたくさん触れましょう。その時に音読しながら理解すると、頭に入りやすいのでおすすめです。例文を丸暗記する必要はありませんが、「文法的に正しい」「文法的に正しくない」という感覚を身につけられるととても良いです。

Q共通テストの模試や過去問で時間が足りなくなります

A 解き方のテクニックを身につけるか、英語を英語のまま読めるようにしましょう

 

時間が足りない場合はまず、時間配分や大問を解く順番などを考え直し、解き方のテクニックを身につけましょう。自分の得意・苦手はわかっているはずなので、色々試してみて自分が解きやすく集中できる順番と時間配分を見つけてみてください。

その他にも設問を見るタイミングを工夫したり、パラグラフリーディングのコツを覚えてみたりと、解き方のテクニックは多様です。『きめる共通テストリーディング』など特定の試験形式に特化した参考書もあるので、取り組んでみるのもおすすめです。

 

それでも時間が足りないのであれば、原因は主に二つあります。

  1. 時間をかけてもきちんと読めていない
  2. 一度日本語に訳してから理解している

 

 

  1. 時間をかけてもきちんと読めていない 場合、いきなり速く読もうとしたりたくさんの長文を読もうとしたりしてもなかなかできるようにはなりません。英文解釈や文法知識など、基本的なポイントに立ち返って復習しましょう。演習していても伸びない感覚があるなら、復習が丁寧にできていない可能性があります。量ばかりやるのではなく、少ない量のものをしっかり復習する癖をつけてください。
  2. 一度日本語に訳してから理解している というのは、英語を英語のまま理解できていないということです。英語と日本語では語順がそもそも違うので、和訳するときは「後ろから訳す」とよく言われますよね。しかし、長文を読むときに、頭から読み、文構造を整理して、後ろから訳し、日本語で理解する……とこんなに段階を踏んでいたら当然時間は足りません。話すスピードで聞けるようになり、聞くスピードで読めるようになる必要があるのです。速読のためには、音読が非常に効果的です。復習するとき、内容を反芻しながら音読をしてみてください。

 

Q英文解釈の和訳ができるようになりません

A 英文解釈ができることと、和訳ができることは少し異なります

 

「英語の要素 03. 英文解釈」で少し触れたように、和訳ができるためには英文解釈だけでなく、日本語の語彙も必要になります。もちろん、日本語に変換できるかどうかで理解度をはかっているという側面はあります。しかし、和訳するのに手間取っている受験生の中には、文章に書かれている内容を読み取れており口語的には説明できるものの、日本語の語彙が足りないために簡潔に言い表すことができない生徒がしばしばいます。

志望校の傾向分析から和訳の記述問題が出題されないと予想される場合には、「きれいに和訳ができているか」よりも、「内容が理解できているか」に重点を置いて英文解釈の学習を進めましょう。また、和訳の記述問題が出されるとしても、演習しながら模範解答がどのように日本語に変換しているか注意深く確認していき、和訳するときのパターンを頭に入れていきましょう。

英文解釈自体に問題がある場合、「具体的な勉強法」を参照してください。

 

Qリスニング中に集中力が切れてしまいます

A 強弱をつけて聴き取ってみましょう

リスニングで詰まる人の多くは、すべてを正確に聴き取ろうとして追いつかなくなっていきます。そもそも日本語を聞くときも、一字一句追えているわけではありません。要点が正確につかめたらいいだけなので、重要なところとそうでないところを判断しながら聴き取っていきましょう。「内容がわからないと重要かわからないじゃん!」と思われるかもしれませんが、本当にそうでしょうか?

例えば、”The most important thing is…” と言ったら「この後は大事だ!」とわかりますよね。また同様に、”For example…” と言ったら「この後は具体例だ!」とわかります。こんなにあからさまではないかもしれませんが、何かについて議論している会話音声だったら「誰が」「何の話」をしていて「どのような立場(賛成/反対)」をとっているのかなどということがキーになります。重要でないところの文法がわからなかった、少し聴き取れなかった、というだけで全体の理解にはさほど影響しません。むしろ、わからなかった箇所を推測するためにも全体の流れを追うことのほうが重要です。強弱をつけながら、流れを追っていきましょう。少し把握しやすくなるはずです。

単純にリスニングの力が足りていないだけ、という可能性もあるので、「具体的な勉強法」も参照してください。

Q学校の定期テストは受験に活用できますか?

A テスト対策は復習として、定期テスト自体は実力テストとして活用できます

 

英語の基礎はとてもシンプルです。どんなに勉強が進んでも「わからない単語は調べましょう」「文法が曖昧だったら確認しましょう」「意識しなくても読めるくらい文法を身につけましょう」などと言われます。これを裏返せば、段階を踏みながらずっと同じことを勉強しているということになります。当然、学校の定期テストだって基礎を意識して丁寧に勉強すれば、その分だけ身になるのです。

テスト対策として文法や長文の問題集を解くことで演習を兼ねることはできますし、既習の文章であっても、もう一度頭から読みながら確実に理解できるか確認する形で復習することもできます。テスト対策をしなければ実力テストとして自分の現状をはかることだってできます。どのような形で活かすかは現在の学習状況を考慮して決めるべきですが、活用できるものはどんどん使っていきましょう!

英語で身につくこと

習得に時間がかかる英語は、苦手な人にとってはなるべく避けたいものかもしれません。しかし、大学で勉強するにしても、社会で働いていくにしても、今後の人生で最も目に見えて役に立っているという実感が得られるのが英語の大きな特徴でしょう。

 

まず、英語ができるようになると、自分がアクセスできる情報の範囲が格段に広がります

大学に入って自分の興味のあることを学びたい時、世界中のたくさんの文献を読むことができます。分野によっては海外のほうが研究が進んでいることも多く、自分の知りたいことをより広く知ることに繋がります。

また、研究のためだけでなく、英語で書かれた海外小説、洋画、洋楽なども日本語のニュアンスに変えないまま楽しむことができます。

さらに、英語圏の様々な人たちとコミュニケーションをとることもでき、ネイティブではないとしてもよりたくさんの人たちと交流ができることは、自分の価値観を広げることにもなるでしょう。

 

言語を身につけることは、その言語圏の文化を知ることです。英語学習は、あなたが知りたい・味わいたい新しい世界に触れる入り口に立たせてくれます。よく「日本の英語教育は役に立たない」と言う人がいますが、受験英語もきちんとやれば決して無駄にはなりません!大学に入ってからも英語ができないと後悔する一方で、やる気がでなかったり、勉強する時間がなかったりしてなかなか英語学習が進まないといった話をよく聞きます。

 

大学受験でやらなければいけないうちにやったほうがいいと思いませんか?今頑張っても頑張らなくてもいずれ勉強するのであれば、今勉強をして、その努力に見合う成果を手に入れましょう!

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