英語を音読しても長文が読めるようになった実感がないときは、声に出すことだけに集中して、意味の確認が抜けていないかを見直してみましょう。まず一文を選び、主語(誰が・何が)と動詞(どうする・どんな状態か)、言葉同士のつながりを解説で確かめます。そのうえで、意味を考えながら読める速さで音読してください。
記事執筆者:朝倉(アクシブアカデミー宝塚校 プロコーチ)|プロフィール
音読の課題を終えたと聞いたとき、私が確認したいのは、読んだ回数だけではありません。英文を見ながら、誰が何をしているのか、どの言葉がどこを説明しているのかを追えているか。分からない単語を調べ直すのか、文の組み立てを解説で確かめるのかを、生徒と一緒に考えます。
目次
まずは解説を使って一文を確かめる
最初に使うのは、一度問題を解き、解説を確認した英文です。長文全体を一気に音読することが難しければ、意味を確かめられる短い範囲に区切って構いません。
読む前に、分からない単語の意味と、文の中心になる主語・動詞を確認します。単語の意味を並べても内容がつながらないところは、解説で、主語・動詞や、言葉同士のつながりを見てください。日本語訳の意味を、英文のどの単語やまとまりが表しているのかも確かめます。
私は授業でも、文の構造が見えていない場合には、先に解説をゆっくり読んでから音読するよう伝えています。説明を読んでも分からない一文は、印をつけて質問しましょう。曖昧な部分を見つけることも、復習の大切な作業です。
英文の順番に構造と意味を追う
確認できたら、英文を見ながら声に出します。主語・動詞を見失わず、意味を考えながら読める速さで進めてください。途中で内容が分からなくなったら、そこで止まって構いません。
練習用の短い例として、The book on the desk belongs to my brother. という文を考えてみます。The book(その本)が主語、belongs(属する)が動詞です。on the desk(机の上の)は、どの本かを説明しています。「その本は」「机の上にある」「弟/兄のものだ」と、英文の順番に意味を確かめながら読み進めます。
このとき、英文を見ずに日本語訳を思い出せることだけを目標にしないようにしてください。英語のどの言葉が、どの役割を担っているかを確認します。長い文で迷うなら、解説に戻り、文の中心と、それを詳しく説明する部分を分けて見直しましょう。

全訳を書く量は、英文の理解を確かめて調整する
長文の全文和訳を書くのに時間がかかるときは、書く量を減らす前に、英文の構造と意味を自分で説明できるかを確かめます。HPの長文読解の勉強法でも、学び始めには全訳を通して丁寧に文の組み立てを確認し、その後も読めなかった文へ戻る流れを紹介しています。読む練習を始めたばかりなのに、筆記だけを省いて先へ進まないようにしましょう。
すでに前から意味を追えている部分なら、毎回すべての訳を書く必要があるかを先生と相談できます。その場合も、解説を隠し、主語・動詞や言葉のつながりを示しながら、一文の意味を説明できるかを確認します。迷った文は、必要な構造と訳を書き、英文のどの部分に対応するかを確かめてから読み直してください。
筆記量を調整したあとも、内容を追いながら読めるか、設問の根拠を本文で示せるかを見ます。説明できない箇所が増えたら、その文の構造と和訳を確認する練習へ戻りましょう。学校の提出課題などで和訳を書く指定がある場合は、その課題とは分けて考えます。
つまずいた箇所に戻って読み直す
一度読んだら、途中で主語を見失った文や、意味を追えなかった部分を振り返ります。その箇所だけ解説に戻ってから、もう一度、前後を含めて読んでみてください。
たとえば、短い段落の三文目で毎回止まるなら、段落の最初からただ繰り返す前に、三文目のどこで迷うかを確認します。動詞を取り違えたのか、長い説明部分に引っ張られたのか、単語の意味が抜けていたのか。迷った言葉やまとまりを解説で確認してから、その一文を読み直しましょう。
初めからすべてを同時に考えるのが難しい場合は、まず一文の主語と動詞を見つけるところから始めてください。
回数と一緒に読むときの状態を見る
決めた回数を読むことは、取り組む量の目安になります。ただ、回数を終えた時点で意味を追えていなければ、その一文の解説を読み直してください。復習の最後に、次の点を見てみましょう。
- 文の中心になる主語と動詞を見つけられるか
- 英文を読みながら、何について述べているか分かるか
- 分からない箇所を具体的に示せるか
すべての英文に同じ回数をかける必要があるかは、理解の状態と使える時間によって考えます。音読に時間をかけすぎて、単語の確認や必要な演習が進まなくなっていないかも見てください。音読だけで読解の課題がすべて解決するとは考えず、単語の暗記や問題の解き直しと合わせて取り組みましょう。
読むのが遅いときは、一文でも止まるかを確かめる
音読を続けても読むのが遅いと感じるときは、一文の意味を取る段階で時間がかかるのか、長文全体を読むときに時間がかかるのかを分けてみましょう。まず、問題で止まった一文を選びます。単語の意味がすぐ出てこないのか、文の中心や言葉のつながりを判断するのに迷うのかを確かめます。
一文でも迷うなら、先にその単語や文の組み立てを解説で確認します。内容が曖昧なまま、声に出す速さだけを上げることは目標にしません。
構造と意味を確認した英文に教材音声がある場合は、音声を聞き、同じ速さで読みながら内容を追えるか試してみてください。追えなくなった箇所には印をつけ、そこで単語や文のつながりを取り直してから、意味を追える速さで読み直します。音声に合わせて発音できても、何について述べているか分からなければ、その部分をもう一度確認します。
一文は分かるのに長文全体では時間がかかる場合は、どの段落で読み戻ったか、設問のどこで迷ったかも見てください。原因を一律に単語不足と決めず、止まった場所を先生に示して相談しましょう。
教材音声は、意味を確認してから段階を上げる
HPの長文読解勉強法では、文の構造と意味を意識した音読を紹介しています。教材音声を使う場合は、短いまとまりごとに止めて真似る練習から、英文を見ながら音声と一緒に読む練習、英文を見ず少し遅れて読む練習へ進む考え方です。それぞれ、リピーティング、オーバーラッピング、シャドーイングと呼びます。
最初は、一文や意味のまとまりで音声を止めて構いません。英文を見て、どこまでが主語のまとまりか、何を述べる動詞かを確認し、声に出します。意味が追えるようになったら、その範囲を音声と一緒に読んでみます。音声についていくために、分からない箇所を読み飛ばすことは目標にしません。
英文を見ずに読む練習は、内容と構造を確認したあとに取り組みます。難しければ英文を見る段階へ戻ってください。回数は練習量の目安にはなりますが、何回読んだかだけでなく、読んだ範囲の内容を説明できるかを確かめることが必要です。音声の速さや文章の長さは、自分が意味を追える範囲へ調整しましょう。

音読のあと、段落の内容と設問に戻る
一つの段落を読んだら、何について述べていたかを短く説明します。具体例なのか、前の内容への反論なのか、結論なのか。howeverなどの接続表現や、前の内容を指す語にも注目してください。単語一つ一つは分かっても、文と文の関係を取り違えると、長文全体の理解につながりません。
一文ずつは訳せるのに、長文の途中で前の話を忘れてしまうなら、復習では段落ごとに「何についての話か」「前の段落との関係」を一言ずつメモしてみましょう。「問題の紹介」「その理由」「具体例」「反対の考え」など、本文に合う言葉を選びます。きれいな全訳を作ることより、文章がどう進んだかを残すのが目的です。
分からない単語で止まったときも、意味を確認してその一文だけ読み直すのでなく、段落の初めや前の段落のメモへ戻ります。何の話の続きなのかを取り直してから、前後をつなげて読みましょう。メモ同士のつながりを説明できなければ、接続表現や、前の内容を指す言葉を解説で確かめます。慣れてきたら、メモを増やすより、短いメモでも流れを思い出せるかを確認してください。
設問で迷った場合は、音読を増やすだけで済ませず、答えの根拠になった英文を確認します。内容は読めていたのに選択肢で迷ったのか、その英文の意味を取り違えていたのかを分けましょう。音読は読む練習を支えますが、設問に答える判断は別に確かめます。
次に初めて見る文章を読むときは、練習した文の形や、文章のつながりに気づけるかを見ます。同じ文章の日本語訳だけを覚えていると、この確認が抜けることがあります。止まった一文を残して、単語、構造、文のつながりのどこで迷ったかを相談してみてください。
記事執筆者

朝倉|アクシブアカデミー宝塚校 プロコーチ。
1年間の浪人を経て大阪教育大学へ進学し、参考書を使った独学で受験勉強に取り組む。現在は、宝塚校で一人ひとりに合わせた進路指導・学習指導を行っています。
今日の音読では、一つの段落からでも構いません。解説で構造と意味を確認し、声に出して読み、曖昧だったところへ戻る。この順番を試してみてください。英語の復習方法や教材の進め方に迷っている方は、アクシブアカデミー宝塚校の案内をご覧ください。
詳しい基本手順は、英語長文の勉強法も参考にしてください。
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