歴史は、大学受験において重要な科目です。とくに文系学部では、知識と思考力が重視され、暗記だけでなくできごとの背景や、因果関係を理解することが求められています。さらに、2025年度からは「歴史総合」が新設され、「日本史」「世界史」を横断した、近現代史への深い理解が必須となります。膨大な範囲に「何から始めれば…」と悩む受験生も多いでしょう。しかし、歴史は対策次第で得点源にできる科目です!本記事では、効率的な学習法、参考書の選び方、差がつく論述対策まで、志望校合格へ導く歴史の勉強法を徹底解説します。
目次
大学受験の歴史の勉強法・効率的な対策とは?
膨大な範囲の歴史も、戦略的に対策すれば得点源にできます。この章では志望大学の頻出テーマを効率的に勉強する方法を紹介します。
過去問を分析して学習プランを立てる
大学受験の歴史の勉強は、志望校の出題傾向に合わせた学習プランが不可欠です。そこで指針となるのが過去問分析です。
【過去問分析でわかること】
過去問分析を行うと、以下の3つが明確になります。
- 出題形式と頻出分野
マーク式、記述、論述といった形式、頻出の時代や分野を把握し、対策の優先順位をつけられる。
- 自分の実力
実際に過去問を解くことで、現時点の実力と合格ラインとのギャップを把握し、強化すべき分野が見える。
- 時間配分
本番を想定した時間配分を決めて、効率的に解答する練習ができる。
【学習プラン立案のステップ】(東京大学 日本史の例)
過去問分析で得た情報をもとに学習プランを立てます。今回は、東京大学の日本史の出題傾向を例に解説します。
- Step1:過去問で全体像を把握
大問構成、時代区分、解答形式、字数制限を確認。
例:4つの大問、古代~近現代、論述式は約750字。
- Step2:頻出分野の特定
頻出の時代やテーマ(政治・経済・外交・文化など)を分析。
例:奈良~平安時代の政治、鎌倉・江戸の社会、明治の経済など。
- Step3:課題と目標設定
実際に解いてみて、得意・不得意を把握、目標点を設定。
- Step4:学習プラン作成
頻出・苦手分野を重点的に。論述対策も忘れずに。
大学別!狙われやすいポイントはここ!
ここでは、主要大学の歴史の出題傾向と、対策のポイントを紹介します。
京都大学:史料読解力と論理的思考力がカギ
【傾向】
- 原始・古代から近現代まで、各時代から均等に出題。
- 未見の史料を用いた問題も多く、史料読解力が必須。
- 論述問題は200字×2題。設問の意図を正確に把握し、論理的に解答を構成する力が必要。
【対策】
- 教科書レベルの知識を網羅的に習得するだけでなく、さまざまな史料に触れ、読解の練習を積む。
- 論述問題は、過去問や問題集を用いて、時間内に論理的な解答をまとめる練習を重ねる。
早稲田大学:学部ごとの傾向差大! 徹底的な過去問分析を
【傾向】
- 文学部:古代~中世からの出題が多く、幅広い時代の知識が求められる。
- 法学部:マーク式と記述式が半々、論述問題も出題。幅広い出題形式に対応できる力が必要。
- 政治経済学部:江戸時代以降が75%以上を占め、初見史料問題も多い。
- 社会科学部:史料問題が頻出。空所補充など多様な形式に慣れておく。
【対策】
- 文学部は幅広い時代、政治経済学部は近現代史を重点的に学習。史料問題への対策が必須。
- 史料問題対策としてさまざまな史料に触れ、読解力と知識を紐づける練習を行う。
慶應義塾大学:法学部は難問多し! 経済学部は近現代の経済史を重視
【傾向】
- 法学部:政治史・外交史が中心。細かい知識が問われる難問も多く、難易度が高い。消去法などのテクニックも駆使して、正確に解答する力が必要
- 経済学部:近現代史中心、経済史に関する問題が多い。論述問題は50~160字×5~8題と、時間内に複数の論述を書ききるスピードが求められる。
【対策】
- 法学部は教科書の隅々まで目を通し、詳細な知識を習得する。
- 経済学部の論述対策は、時間内に簡潔で的確な解答をまとめる練習を行う。
明治大学:政治史・外交史&近現代史が頻出! 論述対策必須の学部も
【傾向】
- 政治史・外交史を中心とした通史。近現代史が約70%と高比率。
- 政治経済学部、商学部、国際日本学部では、200~240字の論述問題が頻出。特定の語句を使用して解答する形式なので、論述の構成力に加えて、語句の意味を正確に理解している必要がある。
【対策】
- 政治史・外交史を中心に、近現代史を重点的に学習する。
- 論述問題が出題される学部は、指定語句を使って論理的に解答する練習を行う。
中央大学:政治・経済・社会史+欧米・アジア史! 法・経済は論述対策
【傾向】
- 政治・経済・社会史を中心とした通史。欧米史やアジア史も出題されやすい。
- 法学部と経済学部では、30~200字の論述問題が出題される。多様なテーマに対応できる幅広い知識と論述力が必要。
【対策】
- 日本史だけでなく、欧米史・アジア史の学習も行う。とくに日本史と関連する部分は重点的に学習する。
学習院大学:商業や都市の発展も! 文学部は論述対策
【傾向】
- 政治・経済・社会史を中心とした通史。欧米史・アジア史も出題。
- 商業や都市の発展など、社会経済史に関する出題も見られる。
- 文学部では、200字以内の論述問題が出題される。
【対策】
- 政治史だけでなく、社会経済史にも目を向け、幅広い視点から歴史を理解する。
※ 注意:出題傾向は年度により変更されます。必ず最新の過去問で確認してください。
上記で挙げた大学以外も、それぞれに特色があります。志望大学・学部の過去問を分析し、出題傾向に合わせた学習を進めましょう。
参考書の選び方・使い方
数多くの参考書があふれるなかで、「どれを選べばよいのか?」「どう使えばよいのか?」と迷ってしまう受験生も多いでしょう。
この章では、参考書の選び方と、それぞれの活用法を解説します。
定期テスト対策にも◎高校の教科書
教科書は、受験勉強の土台となる最も重要な教材です。
まずは教科書を精読し、歴史の流れやできごとの因果関係を正確に理解しましょう。
太字の用語や重要な資料・図表は、とくに注意深く確認を。
複数回通読することで、歴史全体の流れを把握し、知識の土台を築けます。
音読を組み合わせれば、より記憶が定着しやすくなるでしょう。
定期テスト対策としても効果的です。
講義系の参考書で歴史の流れを理解
教科書の内容をより深く理解するには、講義系参考書の活用が効果的です。
講義系参考書とは、予備校講師などが授業のように歴史の流れを解説している参考書です。
ここでは受験生から定評のある、おすすめの参考書を紹介します。
【理解本】
- 『よくわかる高校歴史総合』(Gakken): ストーリー調の文体で、流れやイメージをつかみやすい。
【問題集】
- 『ルーズリーフ参考書高校歴史総合』(Gakken): 空欄を埋めていくだけで歴史総合の要点が1枚のルーズリーフにまとまる。
- 『よくわかる高校歴史総合問題集』(Gakken): 授業や教科書の内容を理解したうえで、問題トレーニングができる。
これらの参考書の効果的な使い方については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
よくわかる高校歴史総合(学研)の使い方・レベル・勉強法など特徴を徹底解説!
歴史総合ルーズリーフ参考書(学研)の使い方・レベル・勉強法など特徴を徹底解説!
よくわかる高校歴史総合問題集(学研)の使い方・レベル・勉強法など特徴を徹底解説!
問題集・一問一答で覚えたことを確認
教科書や講義系参考書でインプットした知識は、問題集や一問一答でアウトプットすることで、より強固に定着します。
- 『山川一問一答日本史 第3版』(山川出版社): 日本史の教科書に掲載されている歴史用語約4600語を一問一答形式で収録。テスト前の確認や、知識の抜け漏れチェックに最適。
歴史の勉強法「効果的な覚え方」
歴史の膨大な知識をやみくもに暗記しようとしてもなかなか頭に入らず、すぐに忘れてしまうものです。
しかし、効果的な覚え方をマスターすれば、歴史の学習効率は飛躍的に向上します。
この章では、脳の仕組みに基づいた具体的なテクニックを紹介します。
年号は語呂合わせで覚える
歴史の勉強で避けて通れないのが年号の暗記です。
おすすめは語呂合わせを使って楽しく覚える方法です。
「鳴くよ(794)ウグイス平安京」は誰もが知る語呂合わせですね。
オリジナルの語呂合わせを作るのも記憶の強化に効果的です。自分だけの語呂合わせで、楽しく年号をマスターしましょう!
できごとと人物をセットで覚える
歴史上のできごとや人物を単独で覚えるのではなく、ストーリーとして覚えることで記憶に残りやすくなります。また、人物を覚える際には、その人物の出身地や師弟関係、他の人物との関係などを相関図にして整理すると効果的です。
図表や地図も活用・視覚で覚える
歴史の学習では、図表や地図などの視覚的な情報も活用しましょう。
図表は時代の流れや特徴を整理するのに役立ちます。
また、地図はできごとが起こった場所や、当時の勢力図の確認に役立ちます。
とくに、白地図に勢力範囲や移動経路などを書き込む「白地図トレーニング」は、知識の定着に効果的です。
声に出す・ノートに書く!五感を使って覚える
声に出して読むことで、視覚だけでなく聴覚も刺激され、記憶に残りやすくなります。
また、重要な用語や年号、できごとなどを紙に書き出すことも記憶の強化に効果的です。
エビングハウスの忘却曲線って?反復学習で覚える
ドイツの心理学者ヘルマン・エビングハウスによると、人は学んだことを時間とともに急速に忘れるとされています。
しかし、適切なタイミングで復習すれば、記憶の定着率を高められます。
具体的には、学習した翌日、1週間後、2週間後、1か月後といったタイミングでの復習が効果的です。
間隔をあけて繰り返し学習し、学習内容を長期記憶として定着させましょう。
ここで差がつく!論述・記述問題の勉強法
歴史の試験では、知識の丸暗記だけでは太刀打ちできない論述・記述問題が出題されます。
この章では、多くの受験生が苦手とする論述・記述問題で高得点を獲得するための勉強法を解説します。
論述問題の解き方・3つのポイント
論述問題を得意にするためには、次の3つのポイントを意識しましょう。
1:問題文を正確に理解する
まず、問題文をしっかり読み、出題意図を正確に理解することが重要です。
問題文には、解答に必要な情報やキーワードが含まれていることが多いため、注意深く読み取る必要があります。
設問の要求(説明せよ、論ぜよ、など)を正確に把握し、問われていることに的確に答えることが求められます。
2:構成を考える
解答を書く前に、論理的な構成を考えることが重要です。一般的には、序論・本論・結論の3部構成が効果的です。
- 序論: 問題の背景や、これから論じるテーマを簡潔に述べる。
- 本論: 問題で問われていることに対して、具体的な事例や論拠を挙げながら、自分の考えを論理的に展開する。
- 結論: 自分の主張を端的にまとめ、問題提起に対する答えを明示する。
試験本番では時間制限があるため、各セクションにどれだけの時間をかけるか、事前に時間配分を計画しておくことも大切です。
問題を読む時間、構成を考える時間、解答を書く時間を考慮し、時間内に解答を書き終えられるように練習しておきましょう。
3:正確な用語で論述する
論述では、歴史用語や専門用語を正確に使わなければなりません。
用語の使い方が不適切だと、内容が正しくても減点される可能性があります。
教科書や参考書、一問一答などを活用し、正しい用語を身につけ、使うべき文脈で使えるようにしておきましょう。
自分の解答を書いたら、必ず模範解答や過去問の解答例と比較しましょう。
不足している点や改善点を見つけ、次回に活かすことが重要です。
プロの添削で自分の弱点を見つけよう
論述問題や記述問題は、自分一人で学習するだけではなかなか上達しません。学校の先生や塾講師など、第三者に添削指導してもらいましょう。
添削は、自分では気づきにくい論理展開の矛盾や、用語の誤用などを指摘してもらえるため、非常に効果的です。
近年では、オンラインの添削サービスも充実しています。
これらのサービスでは、自宅にいながらプロの講師による添削指導を受けられるため、積極的に活用しましょう。
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大学受験の歴史の勉強に役立つ!YouTube&歴史勉強アプリ
部活などで忙しい高校生活は、スキマ時間の有効活用が重要です。
通学時間などには、YouTube動画や歴史勉強アプリで効率よく学習しましょう。
【おすすめ歴史学習アプリ】
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まとめ・合格をつかむ歴史の勉強法
本記事では、大学受験の歴史で合格点を取るための効率的な学習法を徹底解説しました。
- 過去問分析で出題傾向を把握し、戦略的に学習プランを立てる
- 自分に合った参考書選び、効果的に活用する
- 語呂合わせや視覚的イメージ、反復学習などを組み合わせて記憶を定着させる
- 論述・記述問題は3つのポイントをおさえる
- スキマ時間を有効活用する
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