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英語の具体的な勉強法−英文解釈−英語勉強法②


ここまでの段階では、単語・文法・熟語・構文などといった知識を、「使えるものに育てていく」ことを見据えて覚えてきました。スポーツするために筋トレをする、戦うために武器を揃える、それと同じ感じです。
このステップの目的は、和訳を通した精読力の育成です。受験生の多くはこの段階が不完全なまま長文読解に移ってしまっています。英文解釈の勉強法を知って、根拠を持って正しい精読ができるようにしていきましょう。もし英語の学習ルートや参考書ルートの記事を読んでいない方は先に2つの記事に目を通してから、この英文解釈の勉強法を読んでもらえるとより理解ができると思います。

英語の具体的な勉強法−英語勉強法②−英語の学習ルート

 

〈前提条件〉

・最低限、基礎レベル(共通テストレベル)までの単語が身についてること

・基礎レベルの熟語と構文に反応できること(理想は修得まで終えていること)

・文法の機能面を中心に理解できていて、簡単な文構造の英文の和訳ができること

 

〈英文解釈でできるようになること〉

複雑な文構造でも正しく構造を把握して訳すことができるようになる

 

〈英文法との違い〉

英文法では単元ごとに構造がシンプルで、句や節が1つしかない文を扱って来ましたが、英文解釈では複数の句や節を読み解くことになる

 

〈ここでの英文解釈の定義〉

文法の識別を含む1,2文の理解と訳出

 

英文解釈とはなにかがわからない場合は先にこちらをご確認ください。

英語とは−大学受験の英語勉強法①

 

英文法識別

英文法の「識別」とは?

これは、文法知識を単元を横断して整理する「読解目線の英文法」です。文法インプットでは「機能」を理解するとお話ししましたが、ここではその「機能」を使えるようになるための実践的な知識の整理を行っていきます。英文解釈の導入ともいえる部分であり、しっかりと自分のものにできるかどうかが高得点への分かれ目です!

まず、文法の「識別」では具体的にどのようなことを学習するのか、例をみてみましょう。

例 It was no wonder that you think that that that that boy wrote on the black board is wrong.

 

見たことないくらい、thatがたくさん出てきましたね。実際にこんな英文を使う人はなかなかいないと思いますが、thatばかりでも文法上成立している文を作ることができるというのは有名な話です。

これを訳すためには、最初に「SVOCをふる」という作業が必要になります。文法インプットでは、文型が何にとって重要なのかわかりづらかったかもしれませんが、ここからはSVOCで整理できることが本当に重要になってきます!

しかし、この例文においてSVOCを正しくふっていくには “that” の用法がしっかり理解できていることが条件になります。

 

thatの用法

①指示語(代名詞、形容詞):「あの」という訳し方をして、名詞を限定したり、以前に出てきたものを指す

②接続詞:名詞節や副詞節(so that構文など)を導いて文と文を繋ぐ役割をもち、後ろに完全文がくる

③関係代名詞:名詞を修飾する節を作るが、後ろには不完全文がくる

④同格:主に意見や考え方を表す、決まった名詞の後ろについて「〜という」と訳す(完全文

⑤形式主語・目的語:主語や目的語が長い節の場合、Itで置き換えて、後ろにthat節(完全文)でまとめる

⑥強調構文:強調したい箇所を取り出して “It is” の後に置き、後ろに残りをthat節(不完全文)でまとめる

※強調構文では副詞を強調する場合は完全文になります。

 

よく文法書に書かれているものをまとめるとこんな感じになりますが、これを丸暗記してもパッと使うのは難しいですよね。それでは、これらの用法の違いを以下のようなチャートにまとめてみましょう!

 

・指示語的な働きをしているか?
 している→①
 していない→それ以外

・”It = that”となる “it” があるか?
 ある→⑤、⑥

 ・完全文か不完全文か?
   完全文→⑤
   不完全文→⑥

 ない→②、③、④

・that節が名詞を修飾しているか?
 している→③、④

 ・完全文か不完全文か?
  完全文→④
  不完全文→③

 していない→②

 

ここまでしっかりしたチャートをすべて作成する必要はありませんが、図が思い浮かんでいなくても、このような手順で用法を判断して文の構造を整理しているはずです。これで、少しはthatを整理する手順がわかりましたか?

さっそく、先ほどのthatだらけの文章でみてみましょう。

 

このように整理できました!

詳しくは割愛しますが、これらを踏まえて例文を訳すと、

It was no wonder that you think that that that that boy wrote on the black board is wrong.
(あの男の子が黒板に書いたあの”that”が間違っているとあなたが考えるのもまったく不思議ではない。

……と、なります!

 

訳してみると、そんなに複雑な文ではなかったことがわかりますね。固有名詞の”that”が混ざっているところがややズルいなという気もしますが、ここはわからなくてOKです。

英文解釈をするにあたって、文法の「識別」なるものがとても重要であることがわかってもらえたでしょうか?まずは英文解釈への第一歩として、英文法を実践的な知識へと整理する必要があるのです。先ほどのthatばかりの文をみて、「頭がこんがらがってきた…」という人もいるかもしれませんが、実際はもう少し初歩的なところから整理していくので安心してください。

 

英文法識別の段階では、不明点は既習の理解本を使用しながら確認し、知識をより実践的で強固なものにしていきましょう!

 

識別の段階での注意点

・この段階までは音読や速読を意識しなくて構いません。文法の知識の整理にこだわって学習してください!

・句と節の塊を意識して、SVOCを確実にふれるようにしましょう。ただし、こだわりすぎると進まないので、訳に必要な範囲での整理を行うと効率的です。

・単語レベルや構文の難易度が低いもので学習しましょう。これから、英語学習をするうえで段々と何に問題があるか分からなくなっていきやすいので、無理をせず、簡単なものから取り組むよう気をつけてください。

 

精読力とは?

端的に言って、精読力とは「文法に忠実に読む力」のことです。

具体的に言えば、文型(SVOCなど)を軸にして句や節をまとまりごとに分け、文法を使って主節を見抜き、句や節の修飾関係などを整理することで文構造を理解することです。つまり、「英文法識別」で「使える」ように整理した知識を、実際に英文を読みながら「使う」練習をするということです。

そのため精読においては、「和訳」といっても文構造の整理を踏まえて、自分の解釈を入れないよう文法に忠実に訳すことが重要になります。綺麗な意訳をできる必要はないので、まずは文法が正しく使えることを目指してください!

 

Trying to understand an insect taken out of its ecological setting is as futile as trying to see significance in a single word lifted from its context.(京都大)

【精読のポイント】

 

◯Trying to understand

分詞や分詞構文の可能性もありますが、文頭の”ing”は基本的に動名詞のS(主語)であることが多いです。主語かな?と暫定的に考えながらこの後を読んでみましょう。ひとまず、「〜を理解しようとすること」としておきます。

 

◯an insect taken out of its ecological setting is

“understand” は他動詞なので、後ろの “an insect” がO(目的語)だと考えられます。その後ろの”taken” は過去分詞の後置修飾、 “an insect” から続くO(目的語)の一部であると判断するのが妥当です(ここまでにbe受があれば受動態の可能性が高いですし、haveがあれは現在完了の可能性が高いです。ですが、それらがなかったので受動態や現在完了にはなりません)。

また、ここで “is” が出てくるので、”Trying” から続く意味のカタマリ(句)はS(主語)であり “is” の前で終わると考えられます。

 

◯as futile as

“futile” は形容詞なので、C(補語)であると考えられます。ここまでで、S is futile(SVC・第2文型)であることはほぼ確定です。(一応、最後まで読み切るまで暫定的なものだと思ってください。)

 

◯ trying to see significance in a single word lifted from its context

ここでの”as … as 〜” は比較なので、”trying to see …” 以下は “Trying to understand…” 以下のS(動詞)が比較されていると考えられます。この比較から何と何が対応しているのかをみていくと、”lifted from” は ”taken out  of” の言い換えだとわかります(同様に、”see significance” は「意味を見る」ではなく”understand”の言い換えと考えて「意味を理解する」と考えましょう)。

 

以上のポイントを踏まえると、和訳は次のようになります。

環境から取り出された虫を理解しようとすることは、文脈から取り出された単語の意味を理解しようとすることと同じくらい無駄なことである。

 

このように、一文の中で動名詞、不定詞、過去分詞、比較が使われていることがわかります。文法で学んだことはこういった形で使われるのです。英文解釈を行う際はなんとなくで考えずに、「何と何を接続しているか」「句や節はどこまでか」など、文法上の根拠をもって解くように努めてください!

 

精読するうえで重要なこと

例をみてもらえばわかると思いますが、精読をするうえで重要なことは「文法の用法」です!

単語ごとの用法がたくさんあるなかでどれを当てはめるのが適切か、どの単語とどの単語が繋がっているのか(例でいうと、”lifted from” は何と比較されているのか、など)といったことを正確に読み取らなければなりません。英語の先生が「文法が大事だ!」と言っている理由がわかってもらえたでしょうか?

慣れれば、例を説明したときのように詳しく考えなくてもぱぱっとできるようになりますが、最初は少し時間がかかるかもしれません。ただ、本当にきちんと解いてきちんと量をこなせば必ずできるようになるので根気よく取り組んでください!

英語の具体的な勉強法−英文法−英語勉強法②

 

和訳する意味ってなに?

和訳に必要になる3つの要素

構造を整理する力

文脈を把握する力

日本語の語彙力

 

皆さんには、和訳を通して英文解釈を学習するうえで絶対にわかっておいてほしいことがあります。「英語とは−大学受験の英語勉強法①」でも触れましたが、和訳自体が英文解釈の目的ではありません

和訳をするには、構造を整理する力・文脈を把握する力・日本語の語彙力の3つの要素が必要になります。英文解釈では構造を整理する力を中心に鍛えたいので、後者2つから生まれる間違いについて、この段階ではあまりこだわりすぎないよう気をつけてください。長文読解への最終的な目標は、複雑なものを正確に整理できるようにすることです。和訳の内容が重要なのではなく、和訳の程度によって間接的に文法の定着度合いをみることが重要だということを忘れないようにしましょう!

英語とは−大学受験の英語勉強法①

 

英文解釈の具体的な勉強法

英文解釈を強化する手順

①何も調べずに、自分の知識だけで文構造の記号と和訳を書く。

※文構造の記号の書き方は使用教材の指示に従う。

※知識を思い出して使うという段階のため、間違えても書くことが重要。

 

②曖昧な部分を既習の参考書や辞書を使って調べ、文構造と和訳を青ペンで修正する。

※単語や熟語は、まず既習の参考書で確認する。その際に形容詞として覚えた単語でも名詞として使われていることがあるので、他の品詞の可能性も検討する。

※単語帳に載ってなければ辞書で確認する。

※基礎動詞や接続詞、前置詞など、文構造に関わる単語は基本的に辞書で確認する。(辞書には単語の用法まで載っているため)

※曖昧だった知識を確認したい場合、どの単元を確認したらいいか自分でわかるのであれば、既習の文法書や英文解釈の今まで学習した範囲を確認するのも効果的。

 

③解説を読み、自分の構造・訳と模範解答を比べて間違えた箇所を分析する。

※次に自分が解くときは何に着目するかを意識する。

※曖昧な知識や何度も間違える文法事項は既習の文法書で調べる。

※既習の教材で調べた事項は、付箋やマーカーで印をつけておく。

 

④もう一度自分で解説を再現するように解いてみる。

※自分で解説と同じような説明ができるように考えながら解く。

 

☆必須アイテム:辞書、自分の目標レベルを網羅している英文法の辞書的な参考書

 

参考書使用上の注意

・ツリー構造を自分で書く必要はない

英文の構造を視覚的につかむため、予備校や塾などでノートにツリー構造を取ることがありますが、自分で演習しているときには自分でノートにツリー構造をとる必要はありません。本番はこういったことができないので、英文を他のところに書き写さずにできる記号で整理する方法を身につけましょう。

・構造を整理する記号に注意!

参考書で英文の構造を解説する際には記号が使われますが、その記号の種類は主に以下の2つです。

①句と節の違いで記号を分ける

 

この表記では上記のように、句と節のみを分けて区切ってから、品詞の判断や句と節同士の修飾関係の整理を行っていきます。

参考書例:『Rise構文解釈』シリーズ、『Rise読解演習』シリーズ

 

②品詞の違いで記号を分ける

①の表記と異なり、カッコの種類で品詞を分けて句や節を区切っていきます。句や節の区切りと品詞の判断を同時に処理するということです。こちらのほうが簡潔なため説明としてわかりやすく、予備校の授業などではこちらが使われやすい傾向にあります。

 

参考書例:『読解のための英文法』シリーズ、『英語長文問題Solution』シリーズ、『ハイパートレーニング』シリーズ、『関正生のThe Rules』シリーズ、『スピード英語長文』シリーズ など

 

参考書によって、これらの2つの表記のどちらをとるかは異なります。こういった記号は長文読解でも使用されますが、使用する教材間で表記の違いがある場合は注意しましょう。英文解釈に慣れていない場合、表記に違いがあると学習する際に時間がかかってしまうことがあるため、なるべく同じような表記のものをお勧めします。

また、比べてみるとわかるように、①のほうが段階を踏んでいることがわかります。②では品詞の判断が瞬時に行えないとかえって時間がかかってしまうことがあります。もし使用する参考書で②の表記が使用され、やりづらさを覚える場合は、まず①のように区切りを重視していくとよいでしょう。

 

使用する教材について

文法の識別(不定詞の名詞形容詞副詞の識別や、thatの判別など)は多くの場合、英文解釈の教材で出てくる内容です。そのため、英文解釈の段階に入っても、既習の英文法教材をその都度復習するようにしましょう。また、英文解釈の学習を終えた後には長文読解の教材に入りますが、長文読解の1、2冊目あたりでは本文を全訳して、英文解釈に慣れていく必要があります。英文解釈の初期段階は質を重視して学習に取り組みますが、長文読解の教材で学習する際は、簡単な解釈から難しい解釈まで、様々な解釈のパターンに触れられるように量を意識して取り組みましょう。

 

その他注意点

英文解釈では、基本的にセンテンス間の繋がりを意識しなくても構いません。もちろん、センテンス間の繋がり、つまり文脈を理解していないと和訳が難しいものもありますが、詳しくは次の読解・解法フェーズで学習します。

英語の具体的な勉強法−長文読解・解法−英語勉強法②

英文解釈の段階では速読は不要です。英文解釈の学習にはやや時間がかかってしまうように感じるかもしれませんが、まずは精読をしっかり行うよう努めてください。精読がしっかりできないと速読もできません。

 

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