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物理の解説を読んでも、電流や力の向きが分からない


物理の問題の図と解説を見比べ、電流や力の向きを確かめる高校生のイラスト

物理の解説を何度読んでも、電流や力がどちらを向くのか分からない。そんなときは、式を眺める前に、問題文の条件を図に書き、どの向きが分かっていて、何を求めるのかを分けてみましょう。説明を読んだあとには、解説を閉じて同じ図を自分で描き直します。そこで止まった箇所が、次に確認するところです。

記事執筆者:朝倉(アクシブアカデミー宝塚校 プロコーチ)|プロフィール

電磁気は、電気や磁石に関する現象を扱う分野です。電流や磁場の向きは、物体の動きのように見た目だけで確かめにくく、問題文や図の指定を読み取る必要があります。図の意味がつながらないと、説明を読み終えても、自分で解こうとした瞬間に手が止まることがあります。

公式を増やす前に、分からない段階を分ける

まず、最近止まった一問を開きます。「物理が全部分からない」とまとめず、問題文が分からないのか、図の矢印が分からないのか、使う法則を選べないのか、式を立てたあとの計算で止まるのかを見てください。

例えば、解説の一行目にある図を見ても分からないなら、その先の計算を何度読んでも、最初の疑問が残ります。反対に、図と立式は自分でできるのに符号を間違えるなら、確認したいのは計算や向きの約束です。戻る場所は同じではありません。

HPの物理の勉強法でも、基本事項を確かめ、基本的な問題で使う練習をしてから、難しい問題へ進む考え方を紹介しています。今回は、その順番を「向きが分からない一問」で実行する方法を整理します。

図には、条件と求めるものを分けて書く

問題文を読み、装置や物体の位置を簡単に描きます。きれいな絵にする必要はありません。問題文や元の図で指定された向き、動く部分、つながっている部分を、自分が見返して分かる形に書き込みます。

次に、矢印のそばへ「何の向きか」を添えます。電流の向きなのか、磁場の向きなのか、物体が動く向きなのか。磁場は、磁気的な作用を強さと向きで表すものです。矢印だけを増やすと、違うものを同じ向きだと思い込むことがあるので、名前と一緒に確かめます。

求める力の向きなど、まだ分からないものは、問題で指定されたものと区別して疑問符を付けておきます。解説の答えを先に書き込む前に、「この条件から、どの決まりを使えば求められるか」を考えましょう。法則の使い方を忘れたら、教科書の該当する図と説明へ戻ります。

図が分からないときは、矢印だけでなく、記号の説明も確認します。紙面の手前・奥を表す印や、図を見る位置を見落とすと、解説との対応を取り違えることがあります。今の教材でどんな約束を使っているかを確かめ、必要なら図のそばに言葉で書き足しましょう。意味の分からない記号を、見た目だけで写して終わらないことが大切です。

同じ「向きを求める問題」でも、扱っている現象が違えば確認する法則は変わります。手の形や答えの向きだけを覚えて使い回さず、授業や教材で学んだ決まりが、今の条件に合うかを確認してください。

物理の問題で、指定された条件、求める向き、確認する法則を分けて図に書く三つの確認項目
矢印には何の向きかを添え、指定された条件と求めるものを分けます。

難しい問題で止まったら、同じ範囲の基本問題へ戻る

条件がいくつも重なった問題で分からなくなったら、同じ範囲の、条件が少ない基本問題を選びます。使っている教科書や問題集の例題を見て、どの法則を確かめる問題なのかを確認しましょう。

解説では、答えの数値よりも、図から最初の式へ進むところを見ます。どの対象について考えているのか。どの条件からその式を使ったのか。記号は何を表すのか。説明できない部分に印を付け、対応する基本事項を読み直します。

確かめたら、解答を隠して一問を解き直します。図、使う決まり、式、計算、答えの確認まで進めてください。途中で止まったら、その箇所だけ説明へ戻ります。解説を丸ごと写すことと、自分で手順を出すことは、分けて確認しましょう。

動画は、止まった説明を確かめるために使う

本の説明だけでは図の変化をつかみにくいときは、学校や塾で使う映像授業など、同じ範囲を説明する動画を補助にできます。見る前に、問題番号と、分からない図や式を一つ決めておきましょう。

説明を見ながら、分からなかった図が出たところで止めます。自分の図と見比べ、何を見落としていたかを書き足します。そのあと画面を閉じて、同じ内容を紙で再現できるか確かめてください。「分かりやすかった」という感想だけでは、自分で解けるかはまだ分かりません。

別の説明では記号や向きの取り方が違うこともあります。使っている教材と対応を確かめ、混乱するなら二つの図を並べて先生に聞きましょう。動画を次々に探すより、一つの疑問を確かめ、その問題へ戻ることを優先します。

質問するときは、分かったところも一緒に示す

質問には、問題文、自分で描いた図、止まった解説の箇所を持っていきます。「ここまでは分かった」「この矢印がなぜこの向きになるのか分からない」と、境目を示してください。説明の最初から聞き直すべきか、法則の使い方だけ確認するかを考えやすくなります。

文章でうまく言えなくても、図の矢印を指して、何の向きか、自分ではどう考えたかを示すところからで構いません。まだ習っていない内容なら、そのことも伝えます。分からない理由を、努力不足だけで片づける必要はありません。

説明を聞いたあとは、その場で同じ一問を解説なしで描き直してみます。説明を聞きながらできた部分と、一人だと止まる部分を分け、残った疑問を確認しましょう。

復習の記録は、間違えた場所と次にすること

答え合わせのあとには、「図の条件を落とした」「法則を選べなかった」「式は立ったが計算で間違えた」など、止まった理由を短く残します。長い反省文を作るより、次に開くページと、解き直す問題番号が分かることが大切です。

図の条件を落としたなら、問題文と図を照らし合わせる練習へ。法則が曖昧なら、基本の説明と例題へ。計算で間違えたなら、途中式も含めて最後まで解き直します。全部を同じ方法で何周もする前に、必要な確認を分けてみてください。

次に同じ範囲を勉強するときは、前の解説を読まずに、図と最初の手順を出せるか確かめます。できなければ復習に残し、できたら別の基本問題でも試します。新しい問題では条件が変わるので、前の答えの向きをそのまま当てはめないようにします。

今日は一問の図を描き直すところから

今使っている教材から、電流や力の向きで迷った一問を選びましょう。条件を図に書く。分かるものと求めるものを分ける。使う決まりを説明で確かめる。解説を閉じて解き直す。まずは、この一巡を試してみてください。

今日の確認:解説を閉じたとき、同じ図と最初の式を自分で出せますか。出せなかった箇所に印を付け、次に確認するページか、先生への質問を一つ残しましょう。

記事執筆者

アクシブアカデミー宝塚校 プロコーチ 朝倉

朝倉|アクシブアカデミー宝塚校 プロコーチ。

1年間の浪人を経て大阪教育大学へ進学し、参考書を使った独学で受験勉強に取り組む。現在は、宝塚校で一人ひとりに合わせた進路指導・学習指導を行っています。

朝倉のプロフィールを見る

アクシブアカデミー宝塚校では、勉強の進み方を確認し、次に取り組むことを考える時間を「戦略授業」と呼んでいます。物理のどこから復習すればよいか迷っている方は、解いた問題と、分からなかった箇所を持って宝塚校へご相談ください。

基本の学習手順は、物理の具体的な勉強法と、物理の特徴とよくある疑問も参考にしてください。

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