「作文を書かないといけないのに、書き方がよく分からない…」と悩む方も多いのではないでしょうか?
テーマから脱線せずに書くための流れやコツを知らなければ、作文は上手く書けません。
そこでこの記事では、作文の書き方やルールを一から解説します。原稿用紙の使い方から、読み手の心を掴む文章のコツまで分かりますので、ぜひご覧ください。
目次
【作文を書く前に】原稿用紙の使い方・ルールを知ろう
まずは原稿用紙の使い方・ルールを知っておきましょう。マスの空け方やかぎかっこの使い方などを正しく知っていれば、作文全体の見栄えも良くなります。
下図をもとに、1つずつ原稿用紙のルールを見ていきましょう。
番号 | 種類 | ルール |
1 | 題名 | ・ 1行目に、2マス空けてから書き始める |
2 | 名前 | ・ 2行目に書く ・ 「名字と名前の間」と「名前の後」は1マス空ける |
3 | 段落 | ・ 段落が変わるときは、改行してから1マス空けて書き始める |
4 | かっこ (かぎかっこ・二重かぎ) | ・ 最初のかぎかっこ(「)は1マスで書く ・ 最後のかぎかっこ(」)は「。」と同じマスに書く ・ 心の中で思った会話文は改行しない ・ 通常の会話文は改行する |
5 | 句読点 | ・ 1マスの中の右上に書く ・ 行の終わりで句読点がくる場合は、文字と同じマスに書く |
6 | 小文字 | ・ 1マスで書く ・ 行の最初に小文字がきても問題ない |
このように、原稿用紙の書き方にはさまざまなルールがあります。減点を避けて良い評価を得るためにも、正しく記入しましょう。
作文の書き方①テーマの決め方
「作文のテーマが自由だから、なかなか自分で決められない…」という方向けに、作文のテーマの決め方を紹介します。
作文のテーマの決め方は、主に次の3パターンです。
- 自分の興味関心がある分野や、体験したことから選ぶ
- ニュースや新聞記事から選ぶ
- 作文コンクールなどのサイトからヒントをもらう
部活や旅行での経験、好きな本から学んだことなど、自分ならではの素材は作文の強みになります。
また、最近の社会問題や地域の出来事について自分の考えを述べることで、読み手の関心も引きやすいです。
作文コンクールのサイトからアイデアを得る方法もあります。過去のテーマや入賞作品を参考にしつつ、自分独自の視点を見つけましょう。
作文の書き方②構成を作る4ステップ
作文を書き始める前に、全体の構成を決めることが重要です。構成の作り方を4ステップで説明しますので、順番に見ていきましょう。
1.「結論・理由・具体例・結論」の順番にする
作文を書くときは、まず「結論・理由・具体例・結論」の順番で書くことを意識しましょう。この流れに沿うと、読みやすく説得力のある文章が作れます。
具体的には次の順番です。
- 結論:伝えたいことを簡潔に述べる
- 理由:主張の根拠を説明する
- 具体例:理由を補強する実際の出来事を紹介する
- 結論:内容をまとめ、読者へのメッセージを加える
この流れで書くと話がまとまりやすくなり、「何が言いたいのか分からない」という状態を防げます。
2.それぞれの項目の文字数を決める
作文全体のバランスを整えるために、各項目の文字数を決めましょう。例えば800字の作文なら、下記のような配分が適切です。
- 結論:100字
- 理由:200字
- 具体例:400字
- 結論:100字
指定文字数の8割以上は必ず書くようにし、上限は超えないことが基本です。「500字以上800字以内」といった範囲指定がある場合は、640字以上を目安にしましょう。
3.書きたい内容を箇条書きにする
項目ごとの文字数を決めたら、書きたい内容を箇条書きにしましょう。箇条書きによって、文章の流れが整理されて書きやすくなります。
一例として、次のような内容が挙げられます。
- 結論:若者は環境問題に関わるべき
- 理由:若者の行動が社会に大きな影響を与えるから
- 具体例:〇〇高校の生徒会が地域清掃活動を行い、地域住民の意識が高まった
- 結論:若者が行動を起こせば、持続可能な社会の実現につながる
「具体例」の部分には、理由を裏付ける実際の出来事を1〜2つ入れましょう。
最後の「結論」では最初の主張を別の言葉で言い換えたり、読者に行動を呼びかけたりすると、より伝わりやすくなります。
4.材料を集めて整理する
次に、箇条書きした内容を詳しく書くために情報を集めましょう。本やインターネットで関連する事実や統計データを探すことで、説得力のある文章になります。
環境問題について書く場合は、次のような資料が一例です。
また、家族や友人に意見を聞くのもおすすめです。身近な話題は読み手の共感を得やすく、文章にリアリティを持たせられます。
最後に集めた情報を整理し、優先順位をつけましょう。作文には文字数の制限があるので、一番伝えたい内容を中心にまとめる必要があります。
作文の書き方③上手に書くための4ステップ【例文あり】
ここからは、作文の書き方を4ステップで説明します。例文も載せているので、ぜひ書き方の参考にしてみてください。
1.結論:自分の主張や意見をはっきりと延べる
作文の出だしは、読み手の関心を引くかどうかの分かれ目です。出だしの書き方には、主に次の2パターンがあります。
- 問いかけ:「皆さんは~と思いますか?」
- 例:「地球温暖化対策として、私たち高校生に何ができると思いますか?」
- 意見表明:「私は~だと考えます」
- 例:「私は、高校生は環境問題に関わるべきだと考えます」
読者への問いかけは、読み手を作文の世界に引き込む効果があります。また、はっきりと意見表明することで、読み手に筆者の立場を明確に伝えやすいです。
このように、最初の段落で自分の立場を明確にすることで、読み手はあなたの作文の方向性を理解しやすくなります。
2.理由:主張を支える根拠を挙げる
読み手を納得させるためには、しっかりとした根拠を示す必要があります。理由の段階では、あなたの主張を支える論理的な根拠を挙げましょう。
理由付けのポイントは、多角的な視点から根拠を示すことです。例えば、環境問題について書く場合、下記のように異なる側面から理由を挙げると説得力が増します。
- 地球環境への影響(CO2排出削減など)
- 人間社会への影響(健康被害の軽減など)
- 将来世代への責任(資源の枯渇問題など)
根拠を述べる際は、次の通り具体的なデータや事例を交えるのもおすすめです。データを使用すると主張の信頼性が高まります。
「〇〇の研究によると、高校生主体の環境活動を実施した地域では、ごみの排出量が2年間で約20%減少したという結果が出ています」 |
注意点として、信頼できる情報源から最新のデータを選ぶようにしましょう。
3.具体例:理由を裏付ける事例を示す
次に、理由を裏付ける具体例を書きましょう。抽象的な主張だけでは伝わりにくい内容でも、具体例を示せば読み手の理解が深まります。
具体例を効果的に示すには、自分の経験や身近な出来事を活用するのがおすすめです。例えば、環境問題について書く場合は、次のような事例が考えられます。
このように具体例を示すと説得力が増し、読み手にとって印象に残りやすい文章になります。
4.結論:今後の展望や決意を述べる
結論部分ではそれまでの内容をまとめつつ、未来への希望や決意を述べることが大切です。ただ繰り返すのではなく、新たな視点を加えると文章に深みが生まれます。
環境問題について書く場合の一例は下記の通りです。
「このように、環境問題に対して若者が積極的に行動することは、持続可能な社会の実現に欠かせません。私も地域の清掃活動を通じて、小さな一歩が大きな変化につながることを実感しました。これからは、SNSで情報を発信し、より多くの人に環境問題を考えるきっかけを提供していきたいです。若者の行動が、未来の地球を守る大きな力になると信じています」 |
環境問題のような大きなテーマでも、自分独自の視点や決意を明確に述べることで、読み手に強いメッセージを伝えられます。
作文の書き方④見直すときの7つのポイント
作文を書き終えた後は、次の7つのポイントについて見直しましょう。
1.文末は「です・ます」か「である」に統一しているか
作文を書くときは、「です・ます」調か「である」調に統一しましょう。文末表現が混ざっていると文章がちぐはぐに感じられ、読み手に違和感を与えてしまいます。
- NG例:「私は読書が好きです。本を読むことは知識を増やす手段である。特に小説を読むのが楽しいです」
- OK例:「私は読書が好きです。本を読むことは知識を増やす手段になっています。特に小説を読むのが楽しいです」
文章に統一感を出すことで、読み手に伝わりやすい作文になります。
2.主語と述語が対応しているか
主語と述語がずれていると「誰が何をしたのか」が分かりにくくなり、読み手を混乱させてしまいます。
例えば、次の文章を比べてみましょう。
- NG例:「私の学校は、毎年文化祭で多くの来場者が集まります」
- OK例:「私の学校には、毎年文化祭で多くの来場者が集まります」
NG例では「学校」と「集まります」が対応しておらず、一度で理解しにくい文章になっています。OK例のように「には」を加えて、意味が通じるように修正しましょう。
3.1文が40文字程度か
文章を読みやすくするためには、1文を40文字程度にまとめるのがおすすめです。下記のNG例のように内容を詰め込み過ぎていると、主張が正確に伝わりません。
- NG例:「日本の伝統文化を守るためには、多くの人が関心を持ち、積極的に活動に参加し、次の世代に受け継ぐ努力をすることが大切です」
- OK例:「日本の伝統文化を守るには、多くの人が関心を持つことが大切です。そして、積極的に活動に参加し、次の世代に受け継ぐ努力をする必要があります」
作文を見直す際は、1文が長くなりすぎていないかチェックし、必要に応じて2~3文に分割しましょう。
4.被修飾語と修飾語が離れていないか
「被修飾語(説明される言葉)」と「修飾語(説明する言葉)」が離れすぎると、文章の意味が分かりにくくなります。
下記の例をご覧ください。
- NG例:「私は熱心に毎日休まずに、自分の将来のために、さまざまな困難を乗り越えながら勉強した」
- OK例:「私は自分の将来のために、さまざまな困難を乗り越えながら、熱心に毎日休まずに勉強した」
修飾語「熱心に」「毎日休まずに」を、被修飾語「勉強した」の近くに配置することで、どのように勉強したのかが明確になりました。
修飾語と被修飾語の位置を確認し、適切な順番で配置しましょう。
5.文法や表現の間違いがないか
作文の完成度を高めるには、基本的な文法や表現のチェックが欠かせません。小さな間違いが積み重なると、文章全体の印象が悪くなってしまいます。
具体的には、以下のようなミスに注意しましょう。
- 段落の空け忘れ
- 送り仮名の間違い:「行なう」→「行う」
- 話し言葉の使用:「すごく楽しかった」→「とても楽しかった」
- 誤字・脱字
こうしたミスを防ぐには、書いた直後ではなく、少し時間を置いてから文章を読み返すのがおすすめです。文章を客観的に見直すことで、間違いに気付きやすくなります。
6.テーマに関係ない話を入れていないか
作文のテーマに関係ない話が混ざると、主張がぼやけて説得力が下がります。各段落がテーマに沿っているか、脱線していないかをチェックしましょう。
例えば「日本の伝統文化の魅力」というテーマで書いているのに、「最近流行している海外のファッション」について詳しく説明すると、話の一貫性が無くなります。
「この話は本当に必要か?」と自分に問いかけながら、作文を見直すことが大切です。
7.著作権は問題ないか
作文を書くときは、他人の文章をそのまま使わないように注意しましょう。インターネットや本に書かれている内容を、丸ごとコピーするのはNGです。
著作権を侵害すると、法的な問題につながる恐れがあります。
他人の意見やデータを引用する場合は、出典(情報元の資料)を明記してください。出典の明記の仕方にはルールがあるので、学校の先生の指示に従いましょう。
作文の書き方⑤読み手の心を掴む3つのコツ
「せっかく書くなら、先生から良い評価をもらいたい」と考える方も多いのではないでしょうか?ここでは、読み手の心を掴む作文を書くコツを紹介します。
1.最初の一文で読み手の興味を引く
作文の成功を左右するポイントの一つが、冒頭の一文です。最初に興味を引く言葉を使えば、読み手は続きを読みたくなります。
例えば、「朝食を食べないと成績が下がる可能性があることを知っていますか?」といった問いかけをすると、読み手は「なぜ?」と気になって読み進めてくれるでしょう。
他にも「実は、日本人の約○%が朝食を食べていません」といったデータを示すのも効果的です。
冒頭で読み手の興味を引くことで、あなたの主張や考えを最後まで伝えやすくなります。
2.文中に問いかけを盛り込む
作文の中で問いかけを使うと、読み手の関心を引きつけられます。問いかけがあると、読み手は自然と考えを巡らせ、自分の経験と結び付けやすくなるからです。
- 「あなたは作文を書くとき、最初の一文に悩んだことはありませんか?」
- → 読み手は「あるある!」と共感しながら続きを読みたくなる
- 「なぜ、このような現象が起こるのでしょうか?」
- → 読み手は答えを知りたくなり、文章に引き込まれる
問いかけを活用すると、作文が一方的な説明にならず、読み手と対話するような流れを作れます。結果として、より伝わりやすく印象に残る文章になるのです。
3.自分の体験や感情を含める
自分の実体験や感情を盛り込み、より説得力のある作文にしましょう。具体的なエピソードを入れることで、読み手は問題をより身近に感じられます。
一例として、環境問題について書く場合を考えてみましょう。
- NG例:「地球温暖化は深刻な問題です」
- OK例:「地球温暖化は深刻な問題です。去年の夏は猛暑が続いたので、私は部活の練習中に熱中症になりかけました」
NG例もOK例の方が「自分もそんな経験がある」と感じて、文章に引き込まれたのではないでしょうか?
日頃から今日の出来事や感じたことをメモする習慣をつけると、作文を書くときに困らなくなります。
作文の書き方でよくあるQ&A
ここでは、作文の書き方についてよくあるQ&Aを紹介します。
1.作文に苦手意識を持ってしまう原因は?
作文に苦手意識を持つ原因として、以下が考えられます。
- 何を書けばいいのか分からない
- 書き方のルールを知らない
- 文章の構成が作れない
- 表現力に自信がない
特に「何を書けばいいのか分からない」と悩むのは、テーマに対して自分の考えや経験を整理できていないことが原因です。
しかし、作文の苦手意識は克服できます。普段から日記を書いて文章に慣れることや、読書を通じて表現の幅を広げることが効果的です。
2.作文の初めには何を書けばいい?
作文の初めには、読者の興味を引くような文章を書きましょう。最後まで読んでもらうために、冒頭で注目を集める工夫が必要です。
- 意外性のある問いかけをする
- 例:「あなたは一日のうち、何時間スマートフォンを見ていますか?」
- テーマに対する自分の立場を示す
- 例:「私は○○という立場から、この問題について考えていきたいと思います」
特にテーマに対する自分の立場を示すと、文章全体の方向性が分かりやすくなります。
3.作文における数字の正しい書き方は?
作文における数字の表記方法は、文章の種類や目的によって使い分ける必要があります。次の通り、基本的なルールをしっかり押さえておきましょう。
数字 | 表記方法 |
2〜4桁の数字 | 「十」「百」「千」(例:一九九三年) |
5桁以上の数字 | 「万」「億」「兆」 (例:45500 → 四万五五〇〇) |
小数点 | 「・(中黒)」を使う (例:3.15 → 三・一五) |
割合 | 「%」→「パーセント」とカタカナで書く (例:80.7% → 八十・七パーセント) |
これらのルールに従うことで、より正式な文章として仕上がります。
まとめ
本記事では、原稿用紙の使い方のルールから、具体的な作文の書き方まで詳しく解説しました。
作文を書く前に、まずは構成を作るところから始めましょう。「結論・理由・具体例・結論」の順に書くことで、一貫したテーマの作文に仕上がります。
また、読み手への問いかけや実体験を盛り込むと、より魅力的な文章になります。
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