「暗記が苦手で、覚えようとしてもすぐに忘れてしまう…」という方もいるのではないでしょうか?人間の脳は、頻繁に使わない情報を忘れてしまう特性があります。そのため、効率良く暗記するには、いくつかのコツを押さえることが大切です。そこでこの記事では、短時間で暗記する6つのコツや、効果を高めるポイントを解説していきます。
短時間で効率良く暗記する6つのコツ
まずは、効率良く暗記する6つのコツを見ていきましょう。今日からすぐに取り組めることばかりなので、ぜひ実践してみてください。
1.「書く→声に出す」を1セットにする
ただ見て暗記しようとするのではなく、「書く」と「声に出して読む」というアウトプットを組み合わせることが重要です。視覚と聴覚の両方を使うことで脳への刺激が増え、記憶が定着しやすくなります。
ここでは、歴史と英語の2パターンの具体例を見てみましょう。
例:歴史の勉強で「フランス革命」を暗記したい場合
- ノートに年号と出来事を書く(丁寧に書く必要はなく、走り書きでも十分)
- 書いた内容を目で見ながら、「1789年、フランス革命が始まった」と声に出して読む
- その出来事がどのような背景で起きたか、自分なりに説明する
例:「accomplish(成し遂げる)」という単語を覚えたい場合
- ノートに「accomplish」と書く
- 声に出して「accomplish、成し遂げる」と発音する
- 「She accomplished her goals by working hard.(彼女は一生懸命働いて目標を達成した)」のように、簡単な例文を作って声に出す
特に英単語を暗記するときは、例文も作って声に出すと、単語の意味と使い方が頭に入りやすくなります。このように「書く→声に出す」を1セットにして、暗記の効率を大きくアップさせましょう。
2.「10秒見る」ことを何度も繰り返す
英単語などを暗記するときは、1単語にじっくり時間をかけないようにしましょう。「10秒ずつ見るのを6回繰り返す」ことで脳を活性化させ、情報をより鮮明に記憶できるようになります。
たとえば英単語を覚えたいときは、次のような手順で暗記するのがおすすめです。
- 覚えたい英単語を10個ずつのグループに分ける
- スマホのタイマーアプリを10秒間隔で設定する
- 1つの単語を10秒間じっと見る
- 10秒経ったら次の単語に移る
- 1つのグループが終わったら、暗記した単語をノートに書き出す
逆に長時間勉強すると疲れやすくなるため、短い間隔で繰り返し行いましょう。
「英単語を勉強するコツをもっと知りたい」という方には、次の記事がおすすめです。英単語を暗記するポイントを詳しく紹介しているので、ぜひあわせてご覧ください。
・内部リンク:英語の具体的な勉強法−英単語勉強法−英語勉強法②
3.お互いに問題を出し合う
「家で一人で勉強して暗記したつもりだったけど、実は覚えられていなかった…」という経験はありませんか?そんなときは他人と問題を出し合いながら、自分の理解度を確認するのがコツです。このときに「答えられなかった…悔しい」「自分だけが合っていた!嬉しい」といった感情を問題とリンクさせることで、記憶力が向上します。
1日のうち15分間でも良いので、仲の良い友人や家族と問題を出し合ってみましょう。たとえば「magnificentの意味は?」と聞かれて記憶を引き出そうとすることで、記憶が強化されます。もし間違えたとしても、「悔しい!」という気持ちが記憶にプラスされ、次回は忘れにくくなります。
問題を出し合う際は、通学時間や休み時間を活用するのがおすすめです。授業が終わった後に、「さっき出てきた公式、覚えてる?」と確認し合うだけでも有効です。
特に「嬉しい」「もっとやりたい」というポジティブな感情になると、脳内にドーパミンが放出されます。ドーパミンは記憶を強化する重要な役割を担っているので、暗記力向上に役立ちます。
4.目を瞑って学習したことを思い出す
一度勉強した内容を自分の頭で思い起こすことは、暗記力を高める大切なコツです。目を閉じて視覚情報をシャットアウトすることで、脳への外部からの刺激を抑えられます。その結果記憶が整理され、より定着しやすくなります。
教科書や問題集を読んだ後、一度手を止めて「何が書いてあったかな?」と思い出してみてください。歴史の勉強をしている場合なら、目を閉じて頭の中に「坂本龍馬の顔」や「明治維新の様子」などをイメージするなどです。
このように思い出すことで、ただ読み返すだけよりも記憶の定着率が大きくアップします。学校のスキマ時間や寝る前など、短い時間でもできるので実践してみましょう。
5.覚えたい単語や情報を関連付ける
覚えたい情報を関連する出来事や、自分に関係のあることと結びつけて暗記すると、忘れにくくなります。特に「自己関連付け」と呼ばれる方法が効果的です。学習した内容を自分の経験や性格と結びつけることで、意味のある情報として記憶に残りやすくなるからです。
たとえば、明治維新(1868年)を覚える場合、「明治維新は1868年、祖父の生まれた年から150年前だ」と関連付けるイメージです。
また、「motivate(やる気にさせる)」という英単語を暗記する際は、「部活の先輩がよく『モチベーションを大事にしよう!』と言っていた」という経験と関連付けると、印象に残りやすくなります。
さらに、情報を関連付ける方法には次のようなものもあります。
- 語呂合わせ:「いい国(1192)つくった源頼朝」など、数字や文字に音と意味を当てはめる方法
- ストーリーテリング:物語形式にして、一つのまとまりとして捉える方法
このように、覚えたい情報を関連付けることで、単なる暗記作業も楽しくなってきます。
関連付けの活用方法は、次の記事でも詳しく紹介しています。「暗記のコツを知って、暗記科目も得意になりたい!」という方は、ぜひご一読ください。
・内部リンク:
6.セルフチェックテストをする
ある程度暗記できたと思ったら、セルフチェックテストをするのもコツの一つです。自分の頭だけで思い出す訓練になるので、覚えたことが記憶に長く残りやすくなります。
テストをする際は、下記の手順で実施してみてください。
- 何も見ないで、前日に学習した人名や英単語などを思い出す(1分間以内)
- 白紙に書き出す
このようにすることで、理解度を確認できるだけではなく、「この範囲は弱い」といった重点的に復習すべき部分も分かります。また、「各問題に対して1分間だけ考える」など、時間制限を設けるのがおすすめです。時間を決めることで緊張感が生まれ、集中して望めます。
セルフチェックテストは定期的に行いましょう。1日後・1週間後・1ヶ月後など、あらかじめテストする日を決めておくと習慣化しやすくなります。
ここまで暗記する6つのコツを紹介してきました。もし「休み時間や通学中にも、手軽に暗記できる方法を知りたい」という場合、「カード暗記法」がおすすめです。いつでもカードを開いて学習できるので、続けやすいのもメリットといえます。下記の記事で解説していますので、あわせてチェックしてみてください。
・内部リンク:カード暗記法−理解型の参考書の暗記に役立つ経験値を圧倒的に上げる暗記法
暗記の効果を高める3つのポイント
暗記するコツが分かったら、暗記の効果を高めるポイントも押さえておきましょう。
1.1時間勉強したら休憩する
1時間勉強するごとに、10~15分の休憩を入れましょう。人間の集中力は子どもで45分、大人で90分しか持たないと言われています。さらに、アメリカの会社で調査した結果によると、仕事で成果を出している人の多くが「52分仕事し、17分休憩」のスタイルでした。そのため、長時間連続して机に向かうよりも、適度に休憩する方が効率的です。
休むときにおすすめなのが、座りながらできるストレッチです。息を吐きながら体を前に倒し、ゆっくりと体を起こしてください。これにより血流が良くなって脳に酸素が行き渡り、思考力が高まります。
2.勉強場所をコロコロ変える
勉強場所をコロコロ変えて「場所ニューロン」を刺激することも、暗記の効果を高めるコツです。場所ニューロンとは、動物が経験や学習したことを記憶する際に必要な神経細胞です。アメリカのミシガン大学の研究によると、場所を変えて勉強すると記憶力が40%向上することが分かっています。
「何だか頭が回らなくなってきたな…」と思ったら、自分の部屋からリビングや図書館などに移動しましょう。1階から2階に移るだけでも、場所ニューロンを活性化させる効果があります。
3.夜に勉強して朝に復習する
夜は暗記中心で勉強し、朝は復習とアウトプットに使うのがおすすめです。寝る直前に勉強することで、記憶が脳に定着しやすくなります。これは睡眠中に脳が情報を整理し、記憶を強化するためです。
また、朝は脳がリセットされるので、記憶をしっかりと定着させることが可能です。特に、起床してからの3時間は、脳が最も効率的に働く時間とされています。この時間帯を利用すれば、よりスムーズに学習を進められます。
朝起きたら夜に学んだ内容を復習し、さらに英文作成や長文読解など、考える系の問題を解くようにしましょう。暗記した情報を実際に使うことで理解が深まり、記憶が深く根付きます。
暗記のコツでよくあるQ&A
ここでは、暗記のコツについてよくあるQ&Aを紹介します。
1.一夜漬けで暗記するときのコツはある?
勉強を始める前に、10~15分の仮眠をとることが一夜漬けで暗記するコツです。短い仮眠をとることで記憶が整理されるだけではなく、集中力もアップします。30分以上寝ると深い睡眠に入ってしまい、目覚めにくくなるので注意してください。
さらに、暗記したい内容を声に出して、音読しながら書き取りましょう。視覚と聴覚の両方から情報を取り込むことで、短時間でも記憶に定着しやすくなります。
2.一瞬で覚える方法はある?
一瞬で暗記するには、単語や文章をイメージ化することが効果的です。人間の脳には、「映像やイメージで覚えた情報は忘れにくい」という特性があります。
「化学式がなかなか覚えられない」と悩んでいる場合、以下の方法を試してみましょう。
- 原子や分子を、球や記号で表現する(例:H2Oを小さな球2つ、大きな球1つで表すなど)
- 異なる元素や化合物を、色分けして描く
また、語呂合わせも併用すると記憶できるスピードが速まります。
3.長文を暗記するコツはある?
文字列として覚えるのではなく、ストーリー化することが暗記のコツです。「いつ・どこで・何を経験したか」というエピソード記憶は感情と結び付いているので、思い出しやすくなります。
たとえば、日本国憲法の第9条をストーリー化する一例は、次のとおりです。
■原文
日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する
■ストーリー
ある日、日本の国民たちは大きな広場に集まりました。彼らは正義と秩序を守りながら、平和な世界を誠実に求めていました。そこで、彼らは「私たちは戦争や武力による威嚇を一切行わず、国際的な紛争は話し合いで解決することを誓います!」と宣言しました
また、長文を音読した声を録音しておいて、通学中に繰り返し聴くこともおすすめです。
まとめ
本記事では、英単語や年号などを効率良く暗記するコツについて解説しました。「書く」「声に出す」だけではなく、覚えた単語や数式を何度も思い出したり、問題を出し合ったりすることが重要です。繰り返し行うことで、記憶が保持される期間が長くなり、長期的に覚えられるようになります。
また、適度に休憩を挟み、勉強場所をコロコロ変えてみましょう。1ヶ所で机に向き合っているよりも、場所ニューロンが活性化して記憶力が向上します。まずは1つでも良いので、暗記のコツを実践することから始めましょう。
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