「日本語なのに、なぜか頭に入ってこない…。」「意味がいくつもあって覚えられない…。」
古文単語の暗記に悩む受験生は少なくありません。
そこで今回は、現役の塾講師が古文単語を確実に定着させるコツや、おすすめの参考書まで、詳しく解説していきます。最適な学習法を見つけて、古文で高得点を目指しましょう!
なぜ古文単語を覚える必要があるのか?
古文単語の習得は、大学受験での得点に直結する学習です。なぜなら、古文特有の表現や言い回しは現代語とは大きく異なるため、正確な単語の意味を知ることが文章理解の基礎となるからです。
たとえば、「あやし」という単語一つをとっても、現代語の「怪しい」とは異なり、「不思議だ」「美しい」など、複数の意味を持っています。このような単語の意味を正確に理解していないと、テストの問題文を適切に読み取れません。
また、共通テストや私大入試では、多くの問題が基本的な古文単語から出題される傾向があります。とくに重要古文単語330語をしっかりと押さえておけば、多くの入試問題に対応できます。
つまり、古文の基本単語の習得は、確実な得点につながる効率的な学習方法といえるのです。
大学受験で必要な古文単語は300~600語
一般的な大学受験の英語では、約2,000語の単語力が必要とされます。一方、古文単語は300~600語程度。つまり、英単語と比べると半分以下の負担で済むのです。
古文単語のなかには、一つの単語が複数の意味を持つ「多義語」が数多く存在します。たとえば「すずろなり(漫ろなり)」という単語は「なんとなく」「不意に」「むやみに」「つまらない」など、複数の意味があります。
しかし、このような多義語を含めても、覚えるべき単語の総数は1,000~1,200語程度です。
このように、覚えるべき単語数が限られていることは、古文が苦手な人や、これから古文の学習を始める人にとって大きな利点といえるでしょう。
単語が覚えられない人必見!塾講師が教える覚え方のコツ
ここでは、多くの生徒を指導してきた塾講師の経験から、実際に効果があった学習法をご紹介します。
方法1:語呂合わせ・語源を活用して覚える
語呂合わせは、単語の音や意味に似たフレーズを作り、記憶のフックとして利用するテクニックです。
一見、子供だましのように感じるかもしれませんが、ユーモアを交えた語呂合わせは、脳を活性化させ、記憶力を高める効果があります。
たとえば、
「かしこし(おそれおおい・こわい)」 → 「賢い人に会うのは、恐れ多くて、こわい」
このように、単語の意味と関連付けた語呂合わせを作ると、単語をイメージで捉えられるため、記憶に残りやすくなります。
また、古文単語の語源に注目することもおすすめです。
たとえば、「おぼつかなし」という単語を辞書で引くと「はっきりしない」「不安だ」「待ち遠しい」など、複数の意味が出てきます。
これらの意味を漠然と丸暗記するのは大変ですが、「おぼつかなし」の語源が「ぼんやりとしていてつかみどころがない様子」を表す言葉だった、ということを知ればどうでしょうか?
未来が「はっきりしない」からこそ、「不安」や「期待」が生まれますね。「おぼつかなし」の「はっきりしない」という根本の意味から、「不安」「待ち遠しい」という感情が派生したと理解すれば、単語の意味がつながり、覚えやすくなるはずです。
方法2:例文をイメージして覚える
古文単語を覚えやすくするためには、具体的なイメージを思い浮かべることが重要です。
例文を読む際は、そこに描かれている状況を具体的に思い描いてみましょう。
また、単語帳の例文は、その単語が実際にどのように使われるのかを知る手がかりになります。例文を繰り返し読むことで、単語の持つニュアンスや、よくある使い方が自然に身についてくるでしょう。
単語を生きた言葉として捉え、イメージと結びつけることで、より確実な記憶定着を図れるのです。
方法3:漢字に変換して覚える
古文単語を漢字に変換するだけで、意味を理解しやすくなることがあります。
たとえば、「をかし」を漢字で書くと「可笑し」。「可笑しい」は、現代語でも使われている言葉です。つまり、「をかし」には「面白い」「風流だ」という意味があります。
また、「ありがたし」 → 「有り難し」。 「有ることが難しい」ことは、すごく貴重で感謝すべきこと、と理解できるでしょう。
だから、「ありがたし」は「めったにない」「もったいない」「感謝すべき」という意味になるのです。
ポイントは、漢字からイメージを膨らませること。 漢字の持つイメージと古文単語の意味を結びつけると、記憶に残りやすくなります。
方法5:音読、ノートに書く
古文単語の暗記には、音読と書く、という基本的な学習方法が効果的です。
声に出して読むと、視覚だけでなく、聴覚や口の動きなど、複数の感覚を使って単語を記憶できます。
初めて見る単語は5回程度繰り返し、すでに学習した単語は1回など、単語の習熟度に応じてメリハリをつけると効率的です。
さらに、音読と合わせて単語をノートに書くこともおすすめです。ノートを作る際は、単語と意味だけでなく、例文や自分なりの語呂合わせなども一緒に書き込むと良いでしょう。
この「音読」と「書く」を組み合わせた学習法は、古文全体の読解力向上にもつながります。単語の読み方や使い方に慣れることで、実際の古文を読む際の理解力も自然と高まっていくのです。
【レベル別】おすすめの古文単語帳
古文単語の学習は、1冊の単語帳でほぼすべての重要単語をカバーできます。自分のレベルに合った1冊を選んで、効率的に学習を進めましょう。
ここでは、基礎レベルから最難関まで、志望校のレベルに合わせた古文単語帳をご紹介します。
【基礎・重要単語】わかる・読める・解ける Key&Point 古文単語330(4訂版)
古文単語学習の定番として、多くの受験生に支持されている教材です。330個の重要古文単語を厳選して収録しており、古文学習の基礎固めに最適な一冊となっています。
古文単語の解説はもちろんのこと、単語の理解度を確認できる実戦問題を収録。単語の暗記だけでなく、実際の古文読解でどのように活用されるのかまで学べます。
詳しい学習方法は、こちらの記事で紹介しています。
「わかる・読める・解ける Key&Point 古文単語330(4訂版)(いいずな書店)の使い方・レベル・勉強法など特徴を徹底解説!」
【日東駒専・産近甲龍レベル】マドンナ古文単語230 パワーアップ版 (大学受験超基礎シリーズ)
230語の厳選された単語数は、古文に多くの時間を割けない受験生でも無理なく学習できます。語源や語呂合わせを活用した覚え方が詳しく記載されているので、暗記が苦手な人にもおすすめです。
また、例文も充実しており、実際の文章のなかでどのように使われるのかが理解しやすくなっています。
詳しい学習方法は、こちらの記事で紹介しています。
「マドンナ古文単語230(パワーアップ版)の使い方・レベル・勉強法など特徴を徹底解説!」
【日東駒専・産近甲龍レベル】速読古文単語[改訂版]
必修300語を効率的に学べる単語帳です。単なる意味の暗記ではなく、その単語が持つ微妙なニュアンスまでしっかりと理解できるよう工夫されています。
「文章でチェック」というコーナーでは、やや長めの例文のなかで単語の使われ方を確認でき、実践的な理解を深められます。
ただし、「重要古文単語315」と比べると、古文常識などの発展的な情報は少なめです。そのため、古文の配点が高くない大学・学部を志望する受験生におすすめです。
詳しい学習方法は、こちらの記事で紹介しています。
「速読古文単語(改訂版)の使い方・レベル・勉強法など特徴を徹底解説!」
【MARCH・関関同立レベル】基礎からのジャンプアップノート 古文単語・暗記ドリル
単なる暗記ではなく、実践的な学習を重視した参考書です。330語の重要古文単語を、例文を通じて効果的に学習できる点が特徴です。
例文の現代語訳に取り組みながら単語を覚えていく形式で、より深い理解と記憶の定着が期待できます。また、随所にイラスト付きの古文常識が掲載されており、単語の学習と同時に幅広い知識も身につきます。
詳しい学習方法は、こちらの記事で紹介しています。
「ジャンプアップ古文単語の使い方・レベル・勉強法など特徴を徹底解説!」
【センター試験~私大最難関レベル】古文単語FORMULA600【改訂版】
600語という豊富な単語数に加え、さまざまな工夫が施された一冊です。すべての単語にイメージを表現したイラストが描かれており、単語の意味を直感的に理解できます。
また、単なる単語帳としてだけでなく、簡易辞典としても活用できるよう、語義と解説が詳細に記載されています。付属のCDや専用アプリで音声学習や確認テストにも取り組めるため、多角的な学習が可能です。
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古文単語の覚え方でよくある質問
古文単語の覚え方についてよくあるご質問を紹介します。
古文単語を覚えるためのおすすめアプリはありますか?
スマートフォンで手軽に古文単語を学習できるアプリ。隙間時間を活用できる点が大きな魅力です。
とくにおすすめのアプリを2つご紹介します。
Look@古文単語337
イラストとキャッチコピーで単語のイメージをつかみやすく、複数の意味をまとめて表示する機能が特徴。多義語の理解も深められます。
また、ジャンル別の問題演習や、文章中での単語の使われ方を学べる機能もあり、読解力の向上も期待できます。
ダウンロードはこちら:株式会社啓隆社|Look@古文単語337
古文・漢文
古文単語はもちろん、文法や助動詞、漢文まで幅広く学習できます。語源や豆知識が豊富に収録されており、単語の意味を印象づけやすいのが特徴です。
また、暗記シートや活用表など、さまざまな学習補助機能も充実しています。
ダウンロードはこちら:古文・漢文(古文単語、古典文法、漢文)
ただし、アプリでの学習は、あくまでも補助的な手段です。基本的な学習は単語帳やノートでしっかりと行い、復習や確認のツールとしてアプリを活用すると、より効果的に学習できるでしょう。
古文単語はどのくらいの期間で覚えられますか?
基本的な古文単語は、3週間程度で一通り学習できます。その後は繰り返し復習し、記憶を定着させましょう。
具体的には、1日あたり30〜50語のペースで覚えることをおすすめします。このペースであれば、1週間で210〜350語を習得できます。
一見多く感じるかもしれませんが、英単語の学習量に比べるとかなり少ない数です。また、古文単語は日本語の単語なので、英単語よりも覚えやすい面もあります。
早めに学習を進めて、より多くの復習時間を確保することが重要です。
古文単語は覚え方のコツをつかんで早めに習得しよう!
今回は、古文単語の効率的な覚え方とレベル別のおすすめ単語帳をご紹介しました。
大学受験で必要な古文単語は300〜600語程度です。コツをつかんで早めに対策を始めれば、誰でも着実に習得できます。計画的に取り組んで、古文を得点源にしましょう!
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