皆さんは勉強中に音楽を聴いていますか?「音楽を聴きながらだと集中できない」という人もいれば、「音楽があった方がはかどる」という人もいるでしょう。
この記事では、大学受験を目指す受験生に向けて、音楽を聴きながら勉強することのメリット・デメリットを脳科学的な視点も交えて解説します!
さらに、東大生がおすすめする音楽ジャンルや、音楽を活用して効果的に勉強するための5つの方法もご紹介。音楽を味方につけて、受験勉強を乗り越えましょう!
目次
音楽を聴きながら勉強するメリットデメリット|脳科学的には?
音楽を聴きながらの勉強は、「良くないもの」「集中力を妨げるもの」と考えられがちです。一方で、2025年1月に発表された米国の研究によると、特定の音楽が注意力の維持に効果的であると報告されています。
音楽を聴きながらの勉強は、本当に効果があるのでしょうか?ここからはメリットとデメリットを脳科学的な観点も踏まえて詳しく見ていきましょう。
メリット①:集中力がアップする
音楽を聴くと、セロトニンやオキシトシンなどの神経伝達物質が分泌され、集中力を高める効果があるとされています。とくに歌詞のない音楽や自然の音は心地よい環境を作り出すのに役立つでしょう。
脳科学的には、α波を誘発し、リラックスした集中状態(フロー状態)に入りやすくすると言われています。MRIを用いた実験では、高速振幅変調の音楽を聴いているときに注意力に関連する脳領域の活動が高まることが確認されました。
勉強に集中できないときや、気が散漫になりやすいときに、音楽は良いサポートになってくれるかもしれません。
メリット②:リラックスして長時間勉強できる
音楽は、ドーパミンの分泌を促し、心地よい気分をもたらしてくれます。また、音楽を聴くとストレスホルモンであるコルチゾールの分泌が抑制され、集中力の向上が期待できます。
これにより、ストレスを軽減し、リラックスした状態で長時間勉強に取り組めるようになるでしょう。疲れてやる気が出ないときなどに音楽の力を借りて気分転換を図るのもおすすめです。
メリット③:モチベーションが維持できる
苦手な科目や、退屈だと感じる勉強に取り組む際に、音楽は強い味方になります。好きなアーティストの曲や、目標達成をイメージできるような曲を聴くことで、気分を高め、前向きな気持ちで勉強に取り組めるでしょう。
デメリット①:集中力が低下する
音楽を聴きながら勉強するデメリットは、集中力が低下してしまうことです。
とくに歌詞のある音楽や、テンポが速すぎる音楽は、脳が音楽に意識を奪われてしまい、勉強への集中を妨げる可能性があります。
人間の脳は、マルチタスクが苦手で、複数の情報が同時に入ってくると、処理が追いつかずにパフォーマンスが低下するからです。
新しい曲や、普段聴き慣れていない曲も避けた方が良さそうです。脳は新しい情報に敏感に反応するため、勉強よりも音楽に意識が向いてしまい、集中力が低下する可能性があります。
デメリット②:リラックスしすぎて真剣に勉強できない
音楽でリラックスしすぎてしまうと、勉強への集中を妨げる可能性があります。とくに眠気を誘うような音楽や、ゆったりとした音楽は、勉強への意欲を低下させてしまうかもしれません。
また、気が緩んで問題への取り組みが雑になったり、解答を急いでしまったりする可能性もあります。音楽を聴きながら勉強する際は、リラックスしすぎないように、適度な緊張感を保つことが重要です。
デメリット③:音楽がないと集中できなくなる
音楽を聴きながら勉強することに慣れすぎてしまうと、音楽がない環境では集中できなくなってしまうことがあります。
これは、「条件付け」と呼ばれる現象で、特定の環境(音楽を聴いている状態)と特定の行動(勉強)が結びついてしまうことで起こります。
音楽がないと集中できない状態になると、試験本番などで本来の力を発揮できなくなる可能性があるのです。
そのため、音楽を聴きながら勉強するだけでなく、静かな環境でも集中して勉強できるようなトレーニングも必要です。
勉強中に聴くのにおすすめの音楽|東大生が選ぶジャンルは?
ここでは、スタディコーチが実施した東大生へのアンケートをもとに、勉強中におすすめの音楽ジャンルを紹介します。
歌詞なし|クラシックが人気
東大生へのアンケートで、もっとも人気が高かったのが、歌詞のないクラシック音楽です。クラシック音楽は、脳を適度に刺激し、集中力を高める効果があることが多くの研究で示されています。
モーツァルトの音楽は「モーツアルト効果」として知られ、認知能力を高める効果があるとされています。
また、歌詞のないジャズもおすすめです。テンポがゆっくりで、メロディーが穏やかなスムースジャズは、リラックス効果が高く、集中力を高めるのに役立ちます。
歌詞あり|英語学習にも応用可能
歌詞のある音楽は、勉強には不向きとされています。しかし、歌詞の内容を理解する必要のない外国語の音楽であれば、勉強中に聴いても問題ないという意見もあります。
また、英語の音楽はリスニングの練習にもなり、一石二鳥です。ただし、歌詞の内容に意識が向いてしまわないように、ある程度聞き慣れた曲を選ぶことが重要です。
YouTubeなどの勉強用BGM
YouTubeなどの動画サイトでは、勉強用に特化したBGMが数多く配信されています。これらのBGMは、集中力を高める効果があるとされる自然音(雨の音、波の音、川のせせらぎなど)や、カフェの環境音、α波を誘導する音楽などが使用されています。
勉強用BGMは無料で手軽に利用できるため、試してみても良いでしょう。
参考:スタディコーチ|【東大生が教える!】勉強中の音楽を聴くのはありorなし!?
音楽を聴きながら効果的に勉強する5つの方法
ここでは、音楽を聴きながら効果的に勉強する5つの方法を紹介します。
方法①:勉強内容で音楽を使い分ける|音楽を聴きながら勉強していい教科は?
勉強中に音楽を聴くなら、教科によって向き不向きがあることを知っておきましょう。 音楽を聴きながらでも比較的集中しやすいのは、おもに以下の教科です。
- 数学:公式や解法を理解したら、あとは問題を解く練習が中心になります。手を動かす作業中は、音楽があっても集中力を保ちやすいでしょう。
- 理科:計算問題が多い分野や、問題集を繰り返し解くような場合は、数学と同様に音楽が気になりにくいかもしれません。
反対に、音楽を聴きながらの勉強があまりおすすめできないのは、以下の教科です。
- 国語:文章をじっくり読み解いたり、登場人物の心情を考えたりする際には、音楽が邪魔になる可能性があります。
- 社会:用語や歴史の流れを暗記する必要があるため、歌詞やメロディーに気を取られてしまうと、記憶の妨げになることがあります。
- 英語:長文読解は、内容を正確に理解することが重要です。また、単語や文法を暗記する際も音楽がない方が集中できるでしょう。
方法②:音楽を聴くタイミングを工夫|いつ聴くのがベスト?
音楽を聴くタイミングも重要です。たとえば、勉強を始める前に好きな音楽を聴いて、モチベーションを高めるのは効果的です。また、休憩時間に音楽を聴いてリラックスするのも良いでしょう。
しかし、勉強の合間に頻繁に音楽を聴いたり止めたりするのは、集中力を妨げる原因になります。音楽を聴く時間をあらかじめ決めておき、それ以外の時間は音楽を聴かないようにするなど、メリハリをつけることが大切です。
方法③:音量設定が重要!|集中を妨げない最適なボリュームとは?
音楽を聴きながら勉強する際は、音量設定にも注意が必要です。大きすぎる音量は、脳に過剰な刺激を与え、集中力を低下させてしまいます。また、小さすぎる音量は、周囲の雑音が気になってしまうことも。
最適な音量は、人によって異なりますが、一般的には、周囲の雑音が気にならず、かつ音楽に意識が向きすぎない程度の音量が良いとされています。BGMとして、かすかに聞こえる程度の音量に設定するのがおすすめです。
方法④:タイマー併用で効率アップ|ポモドーロ・テクニックとの組み合わせが最強!
音楽を聴きながら勉強する際は、ポモドーロ・テクニックを併用すると、さらに効率を高められます。
ポモドーロ・テクニックとは、25分間集中して作業を行い、5分間休憩するというサイクルを繰り返す時間管理術です。
たとえば、25分間は歌詞のないクラシック音楽を聴きながら集中して勉強し、5分間の休憩時間には好きな音楽を聴いてリラックスするなど、自分なりのルールを決めて実践してみましょう。
ポモドーロ・テクニックと音楽を組み合わせると、集中力の維持と、適度なリフレッシュを同時に実現できます。
方法⑤:自分に合った環境を作る|イヤホン?スピーカー?周囲の環境も意識しよう
音楽を聴きながら勉強する際は、イヤホンを使うか、スピーカーを使うかもポイントです。イヤホンは周囲の雑音を遮断し、音楽に集中しやすいというメリットがあります。しかし、長時間使用すると耳が疲れてしまうため、適度に休憩を挟む必要があります。
一方、スピーカーは、イヤホンに比べて耳への負担は少ないですが、周囲の環境によっては音が漏れてしまうため注意が必要です。
自分の好みや、勉強する環境に合わせて選ぶと良いでしょう。
まとめ|音楽を上手に活用して、大学受験を乗り切ろう!
音楽を聴きながら勉強することには、メリットとデメリットの両方があります。
今回ご紹介した、おすすめの音楽ジャンルや、効果的に勉強するための5つの方法を参考に、自分に合った音楽の活用方法を見つけてください。
音楽を上手に活用して、集中力とモチベーションを維持し、長丁場の受験勉強を乗り切りましょう!皆さんの大学受験の成功を心から応援しています!
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