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始まる新しい大学無償化! その条件やデメリット、活用方法について知っておきたい


 

2025年から、新たに多子世帯を対象として大学無償化制度が開始されることになりました。

ただ国の情報は、詳しいものの言葉が難しく、意味をつかみ切ることが難しいと頭を悩ませている人もいるかと思われます。

そのためここでは、高校生を持つ親御さんと、大学に進みたいけれど経済的な理由で悩んでいるお子さんのために、「大学無償化制度とはそもそも何か、その条件」「大学無償化制度を利用するときのポイントと注意点」「大学無償化制度以外の、大学に行くための経済的支援」について分かりやすく解説していきます。

大学無償化の条件とは

2025年から、新たに大学無償化制度が始まります。これは、「経済的なことを理由として子どもを産み控える人を支援しよう」「経済的理由で、子どもの進学が阻まれてはならない」という考えの下で作られた制度です。

大学に行くための費用は、国公立大学でも200万円~250万円、私立大学の場合は450万円~500万円程度かかります(※4年制の場合)。また、大学院に進むとなれば、さらにここに費用がプラスされます。

兄弟姉妹が多いご家庭の場合は、特に進学させるための費用が家計を大きく圧迫させることが予想されます。

そのため、「子どもが3人以上いて、かつ3人ともが扶養されている状況の家庭の場合、大学無償化制度を利用できる」という施策が敷かれました。対象となるのは国が定めた高等教育機関への進学のみではありますが、多子家庭にとっては非常に意味のある制度です。

また、2025年から始まる大学無償化制度の非常に特徴的なポイントとして、「所得制限がないこと」が挙げられます。詳しくは後述しますが、それ以前の支援制度は、親の所得によって制限がかけられていて、高所得者層の場合は利用ができませんでした。しかし新しい大学無償化制度では、世帯年収が500万円であろうと1000万円であろうと3000万円を超えている家庭であろうと、条件さえ満たせば利用することができます。

 

出典:文部科学省「2021年度学生納付金調査結果」

https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/kouritsu/detail/20210930-mxt_daigakuc01-1284429_1.pdf

文部科学省「私立大学等の令和3年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」

https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shinkou/07021403/1412031_00004.htm

大学無償化制度を利用するためのポイントとデメリットとは

上ではごく簡単に大学無償化制度について触れましたが、ここからはより細かくその制度内容を見ていきましょう。

大学無償化制度を利用するときのポイント(デメリット)は、以下の通りです。

  • 3人中1人が扶養から外れた場合、ほかの子どもも支援対象外となる
  • 「大学無償化」とあるが、完全に「無料」になるわけではない
  • 授業料は、1回留年すると打ち切りになる
  • 対象となるのは、国の定めた対象校のみ

1つずつ解説していきます。なおここではわかりやすくするために、3人きょうだいを想定してお話します。

3人中1人が扶養から外れた場合、ほかの子どもも支援対象外となる

まずもっとも大きな注意点として、
「3人以上の子どもがいる場合でも、3人中1人が扶養から外れた時点で、ほかの2人の子どもも支援の対象外となる」という点です。

たとえば、2025年2月の段階で、

長子A……15歳、中三

次子B…14歳、中二

三子C…10歳、小五

だったとします。

ストレートで4年生大学に進む場合、Aは2028年に、Bは2029年に、Cは2033年に大学に進学することになります。

Aが4年制大学を卒業して就職する年が2032年ですから、Aは大学4年分が大学無償化制度の対象となり、Bも大学3年分が大学無償化制度の対象となります。

しかしAが卒業して就職した2032年よりも後に入学することになるCは、大学無償化制度の対象となりません。また、Bも、Aが卒業して扶養から外れた時点で大学無償化制度の対象外とされます。

 

【大学無償化制度になるかならないかの参考表】

 1年生次2年生次3年生次4年生次
A(2010年生まれ)なるなるなるなる
B(2011年生まれ)なるなるなるならない
C(2015年生まれ)ならないならないならないならない

このため、「子どもが3人いれば、全員が大学無償化制度になる」という理解は誤りといえます。長子との年齢差が大きい場合、下の子の大学費用は満額自己負担となるので注意しましょう。

「大学無償化」とあるが、完全に「無料」になるわけではない

「大学無償化制度」の「無償」という言葉の意味を正しく理解することも重要です。

「無償化」とありますが、これは「どんなにお金がかかったとしても、子ども3人以上の家庭で、かつ全員が扶養に入っている場合は、大学の授業料はすべて負担してもらえる」といった意味ではありません。大学無償化制度で支給される金額には、学校種(昼間制の国公立大学/昼間制の私立大学/昼間製の短期大学/昼間制の高等専門学校および専門学校……など。夜間制および通信課程も対象)によって、支給金額に上限額が定められています。

上限額は、「入学金」と「授業料」に分けられています。

すべてを紹介することは控えますが、たとえば昼間制の国公立大学の場合は入学金28万2000円・授業料53万5800円(/1年分)、昼間制の私立大学の場合は入学金26万円・授業料70万円(/1年分)が上限額とされています。

つまり国公立大学の場合は4年間で入学金28万2000円+215万2000円=243万4000円分を、私立大学の場合は4年間で入学金26万円+280万円=306万円 を限度に支給がされます。

上でも紹介したように、国公立大学に通うのに必要な金額の平均はおおよそ200万円~250万円、私立大学に通うのに必要な金額の平均はおおよそ450万円~500万円です。

国公立大学の場合は大学無償化制度を利用することで負担金をほぼ0にできますが(※ただし支援をフルに利用できるのは長子のみ)、私立大学の場合はオーバーすることになります。

そして上限額をオーバーした場合は、そのオーバーした分は自分たちで支払う必要があります。

もちろん学校によって必要となる学費は異なりますが、「大学に必要なお金がすべて無料になるわけではない」ということは押さえておかなければなりません。

 

出典:公明党コメチャンネル「子育て・教育 大学無償化制度はいつから?必要な条件や内容を分かりやすく徹底解説」

https://www.komei.or.jp/komechan/education/education202401/#d_kodomo

授業料は、1回留年すると打ち切りになる

大学無償化制度は、あくまで「学ぶ意欲がある人」を対象とする支援制度です。

そのため、修業年限内での卒業・修了ができないと、支援は打ち切りとなります。つまり、一度でも留年してしまえば、大学無償化制度は利用できなくなるわけです。

また、修得単位数が7割以下になった場合は警告が与えられ、修得単位数が6割以下になった場合は支援が打ち切られます。

さらに、半期15回のうち欠席が3回以上になった場合は警告が与えられ、6回以上になった場合は支援が打ち切られます。

なお、著しい学業不振がみられたり、虚偽の申告があったと判断されたりした場合は、悪質であるため返還が求められることもあります。

※ただし「本人または家族の病気、あるいは災害などのやむを得ない不慮の事態によって、欠席回数がかさむなどした場合は、警告・打ち切りの措置は取らない」という方針が取られています。

対象となるのは、国の定めた対象校のみ

大学無償化制度は、すべての学校を対象としているわけではありません。国の定めた対象校で学ぶ場合のみ有効です。

ただ、「自分の行きたい学部のある学校が、大学無償化制度の対象校のなかにまったくない」という状況になることはまずないでしょう。なぜなら大学無償化制度の対象校となっている学校は、全国で3100件を超えているからです。

また、「現在すでに大学に通っていて、自分の通っている大学が大学無償化制度の対象校になっていて、さらにほかの条件も満たしている」という場合(在校生)でも、大学無償化制度の支援を受けられます。

大学無償制度の対象校となる学校の検索は、文部科学省のページからできます ▶ https://www.mext.go.jp/kyufu/support_tg.htm

2024年までの大学無償制度の内容と、2025年からの大学無償化制度の内容の違い

上述した通り、2025年から新しい大学無償制度が始まることになりました。ただ、実は2024年度以前も、かたちは違えども、大学無償制度はありました。

ただその制度は、新しい大学無償制度とは少し内容が異なりました。ここでは、2025年以降の大学無償制度を「新大学無償制度」、2024年までの大学無償制度を「旧大学無償制度」として解説していきます。

・所得制限があった

新大学無償制度の利用にあたっては、世帯の所得額は問われません。高所得者世帯(たとえば世帯年収3000万円超えなど)であっても、問題なく利用できます。

しかし旧大学無償制度では、所得制限が設けられていていました。具体的に言うと、世帯年収が600万円以上の世帯では旧大学無償制度は利用できませんでした。

・多子世帯でなくても利用ができた

新大学無償制度の対象となるのは、3人以上の扶養する子どもがいる家庭だけです。

しかし旧大学無償制度の場合は、子どもの数に制限がありませんでした。子どもが1人しかいなくても、所得制限にひっかからなければ、旧大学無償制度は利用できました。

・共通点も多い~選べる学校の制限、上限金額、学業の出来

新大学無償制度と旧大学無償制度には、共通点も多く見られます。

新大学無償制度も旧大学無償制度も、両方とも文部科学省が指定した学校に進学する場合にのみ支援が受けられるという点では共通しています。

また、新大学無償制度と旧大学無償制度はどちらも支援の限度額が決められていて、これは両制度でまったく変更がありません。

なお学業不振によって大学無償制度の停止が行われる点も共通しています。また、著しく学業が不振であったり、虚偽の申告があったりした場合は、返還が求められる点も同じです。

ただし新大学無償制度の方が旧大学無償制度よりもこの基準が厳しく定められています。たとえば旧大学無償制度では習得単位数が6割以下で警告で5割以下で停止、出席回数は5割以下で打ち切りとされていました。しかし新大学無償制度では、修得単位数が7割以下で警告で6割以下で打ち切り、出席率は6割以下で打ち切りになります。

旧大学無償制度と新大学無償制度を見るとき、もっとも大切な点は、「新大学無償制度が施行された後も、旧大学無償制度の支援制度は存続する」というところです。

たとえば「子どもは2人だが、世帯の年収が所得制限内に収まる」といった場合は、新大学無償制度が施行された後でも、旧大学無償制度を利用して支援を受け続けることができます。

「学ぶこと」をあきらめないで! ほかにも支援制度はあります

大学無償化は頼りになる制度ですが、受けられる条件が厳しく、大学無償化に該当しないご家庭もあるでしょう。

ただそのような場合であっても、あきらめる必要はありません。大学無償化以外にも使える制度はあります。

最後に簡単に、「大学無償化以外の手段」について触れていきましょう。

奨学金

「奨学金」は、経済的に厳しいご家庭にとって強い味方になります。

奨学金には、大きく分けて下記の4つの種類があります。

返済不要の奨学金

上で挙げた「旧大学無償化」とも通じるのですが、世帯年収が600万円までの過程の場合、返済不要の奨学金を受けることができます。

返済必要、無利子の奨学金

返済は必要ではあるものの、無利子で借りられる奨学金を利用することも可能です。

返済必要、有利子の奨学金

返済は必要で有利子ではあるものの、一般的な借金よりも格安の利子で借りることができる奨学金もあります。比較的利率の低いといわれている住宅ローンでもあっても利率は0.4パーセント~0.6パーセント程度ですが、奨学金の場合はさらに低く0.02パーセント~0,15パーセント程度です。

条件を満たすと返済不要の奨学金

「成績優秀者は学費全額免除あるいは減免」「学校卒業後、指定された施設で一定期間働くと奨学金免除(看護学校など)」、条件を満たすことで返済不要で受けられる奨学金もあります。

 

条件は個別の奨学金で異なるので、受けたい場合は事前にしっかり確認を行いましょう。

生活保護世帯でも世帯分離で大学に通うことが可能に

生活保護世帯であっても、世帯分離を行うことで大学に進めるようになります。

ただし世帯分離を行うと、対象者(この場合は受験する児童)が保護対象から外れるため、世帯が受けられる生活保護費が少なくなります。また、対象者も医療費扶助などから外されることになります。

なお、世帯分離をした後でも、同じ住まいに住み続けることは可能です。

教育一般貸付制度(大学ローン)を利用する

教育一般貸付制度(大学ローン)は、最大で450万円まで教育のためのお金を借りられる制度です。用返済・有利子の奨学金と比べて金利は少し高く2.65パーセント(条件によっては2.25パーセント)とされていますが、入学料や授業料だけではなく、通学費用や留学費用、受験費用や一人暮らしをするための敷金や家賃にまで利用することができます。

また、この教育一般貸付制度は、奨学金と併用できます。

経済的な不安を支援する制度を知って、受験に臨もう

大学無償化制度は決して万能なものではなく、なんらかのかたちで「持ち出し」が生じることが多い制度だといえます。しかし利用することで、大学に通う費用の負担を大きく軽減できる制度であることはたしかです。大学無償化制度を利用できる状態にあるのであれば、積極的に利用するべきでしょう。

また、大学無償化制度以外にも、大学進学の経済的負担を軽減できる制度は数多くあります。経済的な問題だけで、「学びたい」という気持ちを諦める必要はありません。

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