首都圏の難関私立大学である青山学院大学。青山学院大学を志望し、受験勉強を進めている受験生も多いと思います。この記事では青山学院大学の物理入試について、入試概要や対策方法などの合格するために必要な情報をまとめています。青山学院大学の合格を目指している方は是非参考にしてみてください。
青山学院大学の物理について
MARCHの一角、青山学院大学の物理試験について記述していきます。今回は、2020年度の全学部統一入試における物理の試験概要を見ていきましょう。
【試験概要】
- 試験時間 60分
- 問題数 40問前後
- 出題形式 マークシートによる選択式
- 問題構成 大問3題(力学1題+電磁気1題+残り分野から1題(近年は波動が多い))
【各大問で出題された問題】
大問1:力学
斜面上でつながれた二つの物体の運動に関する設問です。異なる三つの状況それぞれについて別途に考える必要があり、特に後半は標準レベル以上の難度となっています。
大問2:電磁気
電場、磁場内における荷電粒子の運動に関する設問です。大問の中でさらにA~Cに設問が分かれ、それぞれ異なる状況を設定されています。座標の意識や近似計算が必要になる設問もあり、全体的に難度の高い大問となっています。
大問3:波動
平面波の屈折、およびブラッグ反射の条件についての設問です。問題文が長く、内容をしっかり読み取る読解力が必要となりますが、それができれば、前の大問2題と比較して解きやすい難度となっています。
【受験者平均点と目標得点率】
青山学院大学の全学部統一入試で物理を用いるのは理工学部のみです。2019年度の理工学部全学部統一入試における合格者最低得点率は以下の表の通りとなっており、7割前後の学科が多いことがわかります。青山学院大学の試験の中でも、物理は他の教科と比べてやや難しいことが多いので、目標得点率としては65~70%を目指すと良いでしょう。物理が得意な人は75~80%まで目指せると、かなり合格が近づきます。
学部 | 学科 | 合格最低得点率(2019年度)[%] |
理工 | 物理・数理 | 72.0 |
化学・生命科 | 68 | |
電気電子工 | 66.5 | |
機械創造工 | 70.5 | |
経営システム工 | 72.25 | |
情報テクノロジー | 72.0 |
各大問の詳細とその解き方
大問1:力学
斜面上でつながれた二つの物体の運動に関する設問です。大問の中で三つの中問に分かれており、それぞれ一物体のみの場合、ひもで二物体がつながっている場合、ばねで二物体がつながっている場合を考えています。非慣性系における慣性力の導入や、座標の設定など、問題文で誘導がされているものの読解が難しい問題であり、物理の思考力が十分に養われていないと解ききれない応用問題となっています。まずは前半の基本的な設問を素早く押さえた上で、後半の応用問題にじっくり取り組めるように時間を残しておくと良いでしょう。前半は基礎的な問題なので、ミスのないよう正確に解きましょう。そのうえで後半の問題については、無理に自分の発想力だけで臨もうとせず、問題文の誘導をしっかり理解した上で取り組むと解きやすいです。
- 時間配分:15~20分
- 目標得点割合:70%
大問2:電磁気
電場・磁場における荷電粒子の運動に関する問題です。A~Cの三つに問題設定が分かれており、Aは教科書に乗っている典型的な内容の出題ですが、B,Cはやや難度の高い応用問題となっています。Bはローレンツ力による荷電粒子の等速円運動の問題で、座標の意識や数学力が必要となります。またCでは近似計算が必要となり、しっかり対策を行っていないと解答が難しい問題です。またグラフを選ばせる出題もあり、起こっている物理現象を俯瞰的に正しくとらえる力が問われています。電磁気の分野であっても力学的な考えや数学的な思考力を合わせて考えていくことが必要となる問題です。分野をまたいでもしっかり基礎知識を応用していけるように、柔軟に考えるようにしましょう。また近似計算は、慣れていない人によっては手が出ないとはいえ、典型的な処理にはなるので、試験に望む前に基礎知識の一つとして方法を覚えておくといいでしょう。
- 時間配分:20分
- 目標得点割合:70%
大問3:波動
ⅠとⅡの二部構成となっている大問です。Ⅰでは平面波の屈折に関する出題となっており、問題文が非常に長いですが問われている内容自体は基礎的なものとなっています。Ⅱではブラッグ反射に関する問題が出題されており、一見原子分野に見えるものの問われている内容は波動を応用した内容です。難易度としては前の大問2題より解きやすい難易度であるものの、高校物理の総合力が求められる大問となっています。まず長い問題文にも圧倒されず、丁寧に読み解きましょう。内容をしっかり理解できれば、少なくともⅠについては基本レベルの知識で取り組むことができます。またⅡでは、原子分野だからと思考を狭めず、要求されている波動の知識をしっかり紐づけながら取り組むようにしましょう。
- 時間配分:15分
- 目標得点割合:80%
大問ごとの学習・対策方法
力学
まずは基礎的な知識や典型問題の解法を確実に身に着けた上で、入試問題集などでより複雑な状況設定の問題にチャレンジしていきましょう。複雑な状況を考える際も、一つ一つ要素をしっかり把握し、自分の持つ基礎知識をどこにどう当てはめていくかを考えてながら演習を積んでいくと、より効果的に物理の思考力を鍛えることができるでしょう。
電磁気
電磁気分野の基礎知識を十分に身に着けた後は、その分野の入試問題に取り組んでいくと同時に、力学との融合問題なども探して取り組んでいくと良いでしょう。全体としてレベルの高い問題が出題されることが多いので、基礎は早めに定着させて、なるべく数多くの入試問題に触れながら、引き出しを増やしていくのがおすすめです。
波動
光の屈折や薄膜の干渉が近年多く出題されています。また2020年の原子との融合問題のように、他の分野と絡めた出題も見られるので、日頃の演習から意識的に、分野複合の問題に取り組むようにしましょう。
▼おすすめの参考書
- 物理のエッセンス
- 名問の森
最後に
青山学院大学の物理はかなりハイレベルです。全体の合格最低点は7割前後ですが、物理は他の科目より点数を稼ぐことが難しい傾向にあるので、物理が苦手な方は目標点を少し下げて、他の科目でリードするといった戦略も十分考えられます。自分の得意分野苦手分野をしっかりと見極め、適切な目標点を設定し、受験勉強に取り組みましょう。
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