理系学部の多くは、理科を2科目選択します。物理・化学・生物の中から2つという大学が一般的ですが、物理は主に理工学系の学部が必須になっています。今回は、共通テスト物理の対策と問題傾向を解説していきます。理科の選択が物理になっている受験生は、この記事を読んで参考にしてください。
目次
大学入学共通テスト 物理の問題の難易度と出題傾向
物理は理科の中でも難しい印象のある科目です。国公立の2次だと物理が必須になっている大学もあるので、共通テストは高得点を狙いたい受験生が多いと思います。ここでは、2021年度共通テストの物理の難易度と出題傾向を説明していきます。高得点を狙うには、出題傾向を知ることが重要です。
【共通テスト物理の難易度】
- 2020年度センター試験の平均点 60.7点
- 2021年度共通テストの平均点 62.4点
物理の平均点を見ると難易度が低く見えるかもしれませんが、あくまでも理系志望の受験生が多く万全の対策でのぞんでいる結果だと考えられます。2020年の共通テストよりも平均点が高くなっていますが、問題の難易度も高くなっている出題内容です。共通テストの特徴である文章形態もありました。
【共通テスト物理の出題傾向】
センター試験は公式や解法を使って解ける問題もありましたが、共通テストは考えることが重要な出題形式になっています。現実社会に近い設定を想定することで、暗記力よりも考察力を求めるスタイルになっています。全体的に考えることを意識している出題形式です。
共通テスト 物理の出題内容と配点
2021年度共通テスト地理の全体的な出題傾向や難易度がわかったところで、少し細かく出題内容や配点にも注目していきます。
- 第1問 小問集合
- 配点 25点 平均点 15.9点
第1問は、力学2問・電磁気1問・波動1問・熱力学1問の合計5問が出題されました。トータル的には難しい問題ではありませんが、考えさせる内容になっています。小問集合というと公式や解法を使用すれば解けるイメージがありますが、共通テストらしい情報整理や考察力が必要な問題もありました。
- 第2問 電磁気
- A、コンデンサーを含む直流回路
- B、導体棒の電磁誘導
- 配点 25点 平均点13.0点
Aはセンター試験のときから見られる計算力を求める問題です。難易度は標準レベルですが、計算ミスに注意が必要になります。利用する公式によって計算量がかわるのも特徴的です。Bは導体棒のはたらく力のことを理解していれば、比較的解きやすい問題です。後半部分は、物理らしい難易度の高い問題なので受験生の学力差が出やすいと予想できます。
- 第3問 波動・原子
- A、波動
- B、原子
- 配点 30点 平均点 17.7点
Aはダイヤモンドの輝く理由に関する出題です。反射に関する知識を理解しているかどうかがポイントになりますが、ダイヤモンドのことを理解していると難しくありません。Bは蛍光灯が光る理由や原理にかんする出題です。標準的な問題もありますが、後半部分は難易度が高いので苦戦した受験生も多いと思います。
- 第4問 力学
- 配点 20点 平均点 13.9点
斜方に投げたボールをソリの上に立っている人が受け手になっている想定の問題です。問1~問3は基本的な問題なので、解けた受験生も多いと思います。問4に関しては、解法のポイントと会話文という出題形式になっているので、情報を整理する力が求められています。共通テストらしい難しさを感じる問題です。
共通テスト 物理の対策
教科書や問題集を利用するこれまでと同じような受験対策も必要ですが、グラフや資料を読み取る力を身につける必要があります。今後も予想される傾向に日常生活と物理の関連を意識した問題があります。身近におこる現象を物理的に考える練習をオススメします。暗記や計算力も重要ですが、どのように利用するかがポイントになります。文章や資料の情報整理ができるようになることが重要です。
物理 大問別の対策と勉強方法
- 第1問 小問集合
第1問は物理の各単元からの基本的な出題なので、できるだけ得点を重ねたい受験生も多いはずです。計算は容易ですが、共通テストの特徴でもある考察力を求めています。物理で使用する公式の暗記や計算力を向上させるのはこれまでと同じですが、文章を読み取る力や情報の整理ができる力を身につける必要があります。
- 第2問 電磁気
- A、コンデンサーを含む直流回路
- B、導体棒の電磁誘導
Aは共通テストの特徴が出ている出題形式なので、対策方法も工夫が必要になります。解答方法が変わることは、今後も予想できるのでできるだけ慣れるようにしてほしいと思います。Bはグラフを正確に読み取れる力が必要になります。単純に公式や解法を覚えるのではなく、イメージ化していつでも引き出せるようにすることをオススメします。
- 第3問 波動・原子
- A、波動
- B、原子
Aは、ダイヤモンドが光る理由に関する問題ですが、ダイヤモンドが全反射することを知っていると全体的に解きやすくなるはずです。Bは蛍光灯に関連する問題です。ダイヤモンドと同様に日常にある身近な現象と物理で学ぶことを結びつける習慣が重要になります。
- 第4問 力学
投げたボールを氷上ソリに立っている人が受ける設定になっています。問題を解くポイントは、状況をイメージできることです。最後の小問には共通テスト定番の会話文になりますが、情報整理力や読み取る力が必要になります。物理の学力や知識だけでは解けない問題も増える可能性があります。
物理の勉強方法
共通テストになっても基本的な土台部分は、これまで同様に教科書や資料集を使う必要があります。次に重要なことが、情報の整理と読解力です。物理に限らず全教科で国語力を求める出題傾向がみられます。読解力や考察力を身につける必要があります。
物理の時間配分
物理は公式や解法を暗記することで解ける問題も少なくありませんが、共通テストではひとひねりしている出題形式が定番になると予想されています。与えられた資料やグラフを正確に判断する力や、普段の生活と物理学の関係性にも注目しておくと時間的にゆとりが出ることも考えられます。
時間配分もこれまでとは異なる工夫が必要になります。現状は模試や共通テスト用の問題を利用して時間配分を考えることをオススメします。問題文が長文になることも、共通テストで見られる傾向です。数学や他の理系科目も同様の流れなので、読解力を身につけて時間配分を少しでも組みやすくする必要があります。
物理のオススメの解く順番は?
物理を解く順番は大問1から解くことは共通ですが、その他の問題は自身の得意な分野や見た目に解けそうな問題から解答することをオススメします。高得点を狙う受験生は、基本的に順番とおりで問題ありません。問題文を理解するのに時間がかかる可能性はありますが、冷静に対処すれば十分解ける問題です。マークシート方式の試験は、基本的に順番を変えるリスクが大きくなります。解く順番を変更することのメリットが大きい場合のみ解く順番を変更しても良いと考えています。
共通テスト 物理の目標点数
難関大学の合格を考える場合は、どの科目も80%以上を目安にする必要があります。難関国公立や難関私大は85%~90%以上がボーダーになることも少なくありません。
私立大学の「上智大」「東京理科大」「明治大」「青山学院大」「立教大」「法政大」「中央大」「関西学院大」「関西大」「同志社大」「立命館大」を目指すのであれば、80%~85%を目標にする必要があります。国立の「東京大」「京都大」「北海道大」「東北大」「名古屋大」「大阪大」「九州大」や私立の「早稲田大」「慶應大」を目指すのであれば、90%以上が必要です。
- 物理得意な受験生 90点以上
- 物理が苦手な受験生 80点以上
大学入学共通テスト物理で9割を目指す!オススメの問題集と参考書!
物理の基本は教科書や資料集を使った基礎固めですが、自分に適した参考書や問題集を見つけることも重要になります。ここでは、物理でオススメの参考書と問題集を紹介していきます。自分の学力や性格に適したものを選ぶと効率良く受験対策ができます。
- 物理のエッセンス
物理の参考書の中でも特にオススメできる一冊です。難易度も幅広く対応している優れた一冊です。シリーズに「良問の風」「名問の森」と続きますが、いずれも難易度が高くなります。
- 漆原の物理 最強の99題
難関大学向けの問題を解く解法パターンが身につきますが、クセの強いシリーズなので一般的には「物理基礎問題精講」「標準問題精講」のシリーズをオススメします。
- 教科書
大学受験対策で教科書を軽視する受験生もいますが、大きな間違いです。理想は学校で使用している教科書に加えて、他社のものも1冊熟読することをオススメします。
- 資料集
資料集は重要な存在ですが、共通テストになると活用方法が更に工夫が必要になります。特に模試などに登場する資料やグラフなどは、様々な活用方法を考えてみてください。
- 過去問題
共通テスト用の過去問題や予想問題集は、各社から発売されます。問題よりも解説がわかりやすいものを選ぶことをオススメします。
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- 共通テスト英語 対策
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- 共通テスト化学 対策
- 共通テスト物理 対策
- 共通テスト生物 対策
国公立大学おすすめのコース
特に国公立大学志望の方は共通テストの対策が必須になります。アクシブアカデミーでは「難関国公立コース」では基礎から合格できるレベルまで学力を上げることができるコースとなっています。共通テストから各大学の2次試験対策も行っています。気になる方は下記リンクをご確認ください。
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