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照井式解法カード(パワーアップ版)【理論】の使い方・レベル・勉強法など特徴を徹底解説!

参考書名
照井式解法カード(パワーアップ版)【理論】
出版社
学研教育出版
発売日
2013/9/23
ページ数
440
科目
化学
タイプ
理解本
レベル
基礎ランク
目安時間

こんにちは、アクシブアカデミーです。プロ講師と、東大・早慶をはじめとする難関大生によるアクシブアカデミーの分析チーム「Axiv Lab」による参考書分析です。今回は「解法カード(パワーアップ版)【理論】の使い方・レベル・勉強法など特徴を徹底解説! 」を解説しています。大学受験用の参考書は、たくさんあって現状の自分の学力や志望校にどれがあっているのか選ぶのが難しいですよね。そんな方へ向けて「解法カード(パワーアップ版)【理論】の使い方・レベル・勉強法など特徴を徹底解説!」を参考書のレベル、特徴、使い方、勉強法、を解説していきます!

照井式解法カード(パワーアップ版)【理論】の基本情報

参考書レベル・難易度

基礎ランク

教科書をわかりやすくした説明を掲載した、理解本の形態をとっています。本書を習得すれば、日東駒専・産近甲龍・共通テストレベルの化学力がつきます。一般的に言って、化学の理解本の多くで化学基礎の部分が省かれがちで、まだ化学を学んでいないという生徒にとって使いにくいことが多いのですが、本書は化学基礎にもしっかりと触れてくれているので、ゼロから化学を始める上でのスタートダッシュとして用いることができます。また、化学基礎がどの部分で、化学がどの部分なのかを示してくれているので、文系の生徒も理系の生徒も使いやすい構造となっています。ただし、なぜそのような性質になるのか」の説明などは省かれている傾向にありますから、なるべくは教科書と併用して進めていきましょう。

照井式解法カード(パワーアップ版)【理論】の概要

理論化学を8のPartにわけ、それをさらにいくつかのテーマに分割して説明しています。テーマは全部で29です。molや分子量といった化学の基礎の基礎の部分から丁寧に説明してくれています。そのため、化学が全く未修である、というような生徒でも問題なく本書に取り組むことができます。

それぞれのテーマでは、まず最初に導入として一つの質問が投げかけられます。理論化学の知識を説明する中で、自ずと答えがわかっていく、という形式で進んでいきます。重要な概念の下には先生と生徒との会話が書いてあり、つまずきやすいポイントなどを解説しています。説明の後にはその概念を使った問題が掲載されていて、概念をインプットした後すぐにちょっとした演習に触れることができます。これによって知識の更なる定着を図るというわけです。

照井式解法カード(パワーアップ版)【理論】はこんな生徒におすすめ

  • 化学が全くもって未修の生徒
  • 日東駒専レベルの大学を志望する生徒
  • 学校の授業の復習をしたい生徒
  • 文系の生徒

 

本書は最初に申し上げた通り教科書レベルの理解本です。日東駒専・産近甲龍・共通テストレベルの化学力がつきます。本書を仕上げれば全く化学がわからない状態からある程度わかるところまで仕上げることもできますし、逆に教科書の内容はある程度わかっている生徒が自分の苦手を潰すために使うこともできます。説明は教科書をさらに噛み砕いたわかりやすいものですし、逐一つまずきやすいポイントは重点的に会話形式の説明で理解を補っているからです。

また、化学基礎がどの範囲か分かりやすいので、化学基礎から逸脱した範囲はなるべく学びたくない文系生にも向いています。

ただし、本書には「なぜそのようになるのかの説明」はあまり載っていません。物事を根本から学びたいという生徒は教科書を併用するなどの工夫が必要です。

照井式解法カード(パワーアップ版)【理論】の特徴

つまずきポイントを会話で解説

本書は教科書の内容をただたんに噛み砕いて説明しているだけではなく、化学を習う学生が間違いやすいポイントを指摘し、それを解消してくれます。

知識を凝縮した別冊

別冊の方は本書とほぼ内容は同じなのですが、本書と比べて、パッと見て要点が分かりやすく無駄のないすっきりとした作りになっています。一度本書を読み終わったら、別冊を復習に使うのが良いでしょう。テスト前に一気に読んで復習するのにも向いています。

索引つき

本書は参考書の中でも珍しく、最後に索引がついています。これによって、「あれ、この単語の意味なんだっけ」となっても、索引から探して確認することができます。ぜひ上手に活用して、重要な概念に何度も繰り返し触れるようにしましょう。

照井式解法カード(パワーアップ版)【理論】の使い方と注意点

化学は大きく「理論」と「無機」、「有機」の三つに分けられ、「理論」は残り二つの土台となる分野です。苦手分野を残さぬよう、「無機」「有機」と比べても重点的にかつ早めに学習する必要があります。本書はその重要な「理論」を扱う理解本です。理論においては、その現象がなぜ起きるのか理由も含めて理解しておく必要があるのですが、本書はシンプルさを重要視してあまり「現象の理由」に説明が割かれていません。本書を最初に読んだ後に教科書で情報を補うようにしましょう。『照井式問題 理論化学 計算問題の解き方』を併用するのも良い手です。

肝心の使い方ですが、まずは本書を読み、知識の概要を掴みます。その後に本文の要約である別冊の解法カードを読み、先ほど読んだばかりの本書で学んだ内容と一致していることを確かめます。その後にまた本文に戻って、詳しい知識を細かく詰めていきます。最後に知識の確認のために例題を解いていきます。本書→別冊→本書→例題の流れです。

例題を全て解き終えた後は別冊を使って繰り返し知識を入れるようにしましょう。化学では知識をしっかりとインプットしていることが大前提ですが、知識というのは一度読んだだけではなかなか頭に入りにくいものです。演習をやるたびに忘れかけていた内容を別冊を使って入れ直すのも良いですし、暇な時に目を通すのも効果的でしょう。赤シートで文字が隠れる仕様になっているので暗記に使うには便利です。

二次試験に対応するためには本書を読むだけではなくある程度の量以上の演習を解く必要がありますから、本書の後には無機編有機編も終わらせ、『化学頻出!スタンダード問題230選』『化学 重要問題集 化学基礎 化学(A問題)』など難易度を上げた問題集に取り組みましょう。

照井式解法カード(パワーアップ版)【理論】の詳細な進め方

  • 結晶 例題8題+標準2題 4.5h

理解本を併用する場合:S01-03は勉強時間を30分追加(理解度に応じて時間は調整)し、理解本と資料集の該当箇所を学習する。

S012.0h
例題1,2,3,標準1,2
S021.5h
例題4,5,6,標準3
S031.0h例題7,8

 

  • 酸塩基滴定(中和滴定) 例題6題+標準4題 3.0h
S041.5h
例題9,10,11,12,標準4
S051.5h
例題13,14,標準5,6,7→チェックテストNo.1-1

 

  • 酸化還元滴定 例題5題+標準2題 2.5h
S061.5h
例題15.16.17,標準8
S071.0h
例題18,19,標準9

 

  • 電気化学 例題5題+標準2題 5.0h
S081.5h
例題20,21,22,標準10
S091.0h
例題23,24,標準11
S102.5h
例題25,26,27,28,標準12,13,14
→チェックテストNo.2-1

 

  • 気体 例題11題+標準3題 5.0h
S111.5h
例題29,30,31,標準15
S121.0h
例題32,33,標準16
S132.5h
例題34,35,36,37,38,39,標準17→チェックテストNo.3-1

 

  • 固体の溶解度 例題5題+標準2題 2.5h
S141.5h
例題40,41,42,標準18
S151.0h
例題43,44,標準19

 

  • 気体の溶解度 例題3題+標準2題 1.5h
S161.5h
例題45.46,47標準20,21

 

  • 沸点上昇・凝固点降下 例題6題+標準2題 3.0h
S171.5h
例題48,49,50,標準22
S181.5h
例題51,52,53,標準23

 

  • 浸透圧 例題6題+標準3題 3.0h
S191.0h
例題54,55,標準24
S201.0h
例題56.57,標準25
S211.0h
例題58,59,標準26
→チェックテストNo.4-1

 

  • 化学反応と熱 化学反応の速さ 例題5題+標準2題 2.5h
S221.0h
例題60,61,標準27
S231.5h
例題62,63,64,標準28

 

  • 化学平衡 例題19題+標準7題 7.5h
S242.0h
例題65,66,67,68,標準29,30
S252.5h
例題69,70,71,72,73,74,標準31,32
S261.5h
例題75,76,77,78,79
S271.5h
例題80,81,82,83
→チェックテストNo.5-1

 

  • 復習
S281.0h
S01,02,03,04,05の復習→チェックテストNo.1-2
S291.0h
S06,07,08の復習→チェックテストNo.2-2
S301.0h
S09,10の復習→チェックテストNo.3-2
S311.0h
S11,12,13の復習→チェックテストNo.4-2
S321.0h
S14,15,16,17の復習→チェックテストNo.5-2
S331.0h
PartテストNo.1-1を解く
→合格なら間違えた箇所を確認して次の講へ進む
→不合格ならS28に戻る(時間は同じ)
→PartテストNo.1-2

 

  • 応用13題(MARCH関関同立以上めざすならやる) 2.0h
2.0h
応用1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13

 

  • 修了後に復習する場合
R0113.0h
問題集の△☓?が2つある箇所(理論化学)

 

照井式解法カード(パワーアップ版)【理論】の具体的な勉強法

解法20分→問題20分→解法暗記20分→間違えた問題復習20分

  1. 理論化学:『解法』2,3『問題』7ページ、無機:『解法』2,3,6,7『問題』7ページ、有機:『解法』2,3,6,7『問題』7ページを読み(それぞれ冊ごとに確認)、参考書の構成を理解
  2. 『解法』を理解しながら読む→「解法カード」で確認
  3. 『問題』の「知識」をみてから「例題」を解く。「例題」以外を隠して問題をノートに解く。
    理論化学:応用問題は単元の最後にやるので飛ばす。
    無機:チャレンジ問題は単元の最後にやるので飛ばす。

    答え合わせをして、アクシブチェック。【無印】△×?をつける。
    <アクシブチェック>問題を解いた時のチェック記号
    【無印】:初見で解けた
     △:方向性はあってたけどケアレスミスなどで間違えた
     × :解けなかったが指針・解説・映像授業を見ると理解できた
     ?:解説や映像授業を見ても理解できなかった

  4. △×の場合はもう一度、解答などを隠して問題をノートに解く。(?の場合は戦略面談または個別指導で質問し、理解する)ここではアクシブチェックは不要。何も見ずに自力で正解できるまでやりこむこと。この一手間で化学の力は上昇しやすい。
    有機:知識をまとめた別冊があるので、それも良く理解すること。
  5. もう一度『解法』を読んで暗記する。
  6. 『問題』を「【無印】は解かずに復習、△×?は解いて復習」
  7. チェックテストで間違った問題はもう一度確認して、もう一度解く。
  8. S◯の復習はそれまでの復習。「【無印】は解かずに復習、△×?は解いて復習」で復習を実施し、チェックテストNo.◯-2を実施。アクシブチェックの記号をもう一つつける。
  9. Partテストや修了テストで80%正解で合格!
  10. 合格できない場合は間違った問題に該当する箇所を復習「【無印】は解かずに復習、△×?は全部解く」
  11. 模試などで公式が抜けているなと感じたらR01を実施

 

照井式解法カード(パワーアップ版)【理論】の分析者コメント

痒いところに手の届くような理解本である。教科書を一旦読んだ後にわかっていない部分を強化するのに良いなと感じる。ただし説明は簡素で物足りなく感じる。使いようによってはとても効果的な理解本になると思う。(東京大学理学部)

 

理論化学の問題を解くのに必要な情報を抽出して集めたような参考書です。共通テストに出てくるような問題をマスターするにはこれで十分でしょう。二次試験で出るような問題を解くのに必要な根本的な理解を得るには少々力不足なように思われるので、そういった点は他の参考書などでカバーしましょう。 (東北大学工学部)

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