- 参考書名
- 照井式解法カード(パワーアップ版)【有機】
- 出版社
- 学研教育出版
- 発売日
- 2014/10/14
- ページ数
- 384
- 科目
- 化学
- タイプ
- 理解本
- レベル
- 基礎ランク
- 目安時間
こんにちは、アクシブアカデミーです。プロ講師と、東大・早慶をはじめとする難関大生によるアクシブアカデミーの分析チーム「Axiv Lab」による参考書分析です。今回は「照井式解法カード(パワーアップ版)【有機】 」を解説しています。大学受験用の参考書は、たくさんあって現状の自分の学力や志望校にどれがあっているのか選ぶのが難しいですよね。そんな方へ向けて「照井式解法カード(パワーアップ版)【有機】」を参考書のレベル、特徴、使い方、勉強法、を解説していきます!
目次
解法カード(パワーアップ版)【有機】の基本情報
参考書レベル・難易度
基礎ランク
教科書をわかりやすくした説明を掲載した、理解本の形態をとっています。本書を習得すれば、日東駒専・産近甲龍・共通テストレベルの化学力がつきます。ゼロから化学を始める上でのスタートダッシュとして用いることができる上、それぞれの化合物がどのような性質を持っているのかについても詳しい説明が載っていて、基礎を固めるだけではなく化学の細かい知識まで抑えることができます。教科書を逸脱した豆知識も豊富に絡めた説明なので、教養としても楽しみながら元素の知識を深められます。同シリーズの「理論」編では「なぜそうなるかの理由の説明」が少なく教科書で補うことが求められますが、有機編については教科書と遜色ない内容の充実具合であるといえます。
バックグラウンドもしっかりと理解しながら覚えられるので、安定した暗記が期待できます。ただし問題数は少ないので、本書で知識をインプットした後には演習に触れる必要があります。
解法カード(パワーアップ版)【有機】の概要
有機化学を9のPartにわけ、それをさらにいくつかのテーマに分割して説明しています。テーマは全部で29です。教科書をわかりやすく噛み砕いた説明が載っていて、化学が全く未修である、というような生徒でも問題なく本書に取り組むことができます。
それぞれのテーマでは、まず最初に導入として一つの質問が投げかけられます。有機化学の知識を説明する中で、自ずと答えがわかっていく、という形式で進んでいきます。重要な概念の下には先生と生徒との会話が書いてあり、つまずきやすいポイントなどを解説しています。説明の後にはその概念を使った問題が掲載されていて、概念をインプットした後すぐにちょっとした演習に触れることができます。これによって知識の更なる定着を図るというわけです。
別冊の解法カードには、主たる有機化合物やその検出方法などが一覧でまとめられていて、繰り返しの暗記にはもってこいです。復習にうまく使いましょう。
解法カード(パワーアップ版)【有機】はこんな生徒におすすめ
- 化学が全くもって未修の生徒
- 日東駒専レベルの大学を志望する生徒
- 学校の授業の復習をしたい生徒
本書は最初に申し上げた通り教科書レベルの理解本です。日東駒専・産近甲龍・共通テストレベルの化学力がつきます。本書を仕上げれば全く化学がわからない状態からある程度わかるところまで仕上げることもできますし、逆に教科書の内容はある程度わかっている生徒が自分の苦手を潰すために使うこともできます。説明は教科書をさらに噛み砕いたわかりゃすいものですし、逐一つまずきやすいポイントは重点的に会話形式の説明で理解を補っているからです。しかも、教科書には載っていないような化学物質の豆知識も載っているので、学校で習った有機化学をさらに深めることも可能です。
解法カード(パワーアップ版)【有機】の特徴
つまずきポイントを会話で解説
本書は教科書の内容をただたんに噛み砕いて説明しているだけではなく、化学を習う学生が間違いやすいポイントを指摘し、それを解消してくれます。
知識を凝縮した別冊
別冊の方は本書とほぼ内容は同じなのですが、本書と比べて、パッと見て要点が分かりやすく無駄のないすっきりとした作りになっています。一度本書を読み終わったら、別冊を復習に使うのが良いでしょう。テスト前に一気に読んで復習するのにも向いています。
索引つき
本書は参考書の中でも珍しく、最後に索引がついています。これによって、「あれ、この単語の意味なんだっけ」となっても、索引から探して確認することができます。ぜひ上手に活用して、重要な概念に何度も繰り返し触れるようにしましょう。
解法カード(パワーアップ版)【有機】の使い方と注意点
化学は大きく「理論」「無機」「有機」の三つに分けられ、無機と有機は理論を土台として成り立っています。本書は「有機」を扱う問題集です。三つの分野の中でも、有機は暗記が無機の次に多いです。本書は、無味乾燥に知識を詰め込むのではなく、豆知識的な部分も書いてくれたりと、楽しみながら暗記できるように工夫してくれています。暗記は反復が重要ですから、化学の演習問題を解くたびに本書に立ち戻り、演習問題に関連する知識を確認するようにしましょう。
肝心の使い方ですが、まずは本書を読み、知識の概要を掴みます。その後に本文の要約である別冊の解法カードを読み、先ほど読んだばかりの本書で学んだ内容と一致していることを確かめます。その後にまた本文に戻って、詳しい知識を細かく詰めていきます。最後に知識の確認のために例題を解いていきます。本書→別冊→本書→例題の流れです。
本書を一周した後の復習ですが、使う場面によって使い分けると良いでしょう。本書はとにかく情報量が多いですし、別冊はすっきりとまとまっています。どちらが好みかで選んでもいいですし、普段使いには本書、テスト前など一気に知識を確認したいときには別冊、などとしても良いです。どちらにせよ繰り返し知識を入れるようにしましょう。化学では知識をしっかりとインプットしていることが大前提ですが、知識というのは一度読んだだけではなかなか頭に入りにくいものです。演習をやるたびに忘れかけていた内容を本書や別冊を使って入れ直すのも良いですし、暇な時に目を通すのも効果的でしょう(同シリーズの理論化学については、復習には別冊を使うのがおすすめです)。
二次試験に対応するためには本書を読むだけではなくある程度の量以上の演習を解く必要がありますから、本書の後には『化学頻出!スタンダード問題230選』『化学 重要問題集 化学基礎 化学(A問題)』など難易度を上げた問題集にうつっていきましょう。
解法カード(パワーアップ版)【有機】の分析者コメント
同シリーズの理論化学編は若干説明が簡素だったが、こちらはだいぶ説明が丁寧で、読み物として面白い。有機化学についてバックグラウンドから詳しく書いてある。暗記というのは知識同士を関連づけた方がむしろ能率が上がるという研究結果もある。ただしゴロは少ないように感じた。そこだけは自分で補う必要があるだろう。(東京大学理学部)
有機化学の問題を解くのに必要な情報を抽出して集めたような参考書です。共通テストに出てくるような問題をマスターするにはこれで十分でしょう。二次試験で出るような問題を解くのに必要な根本的な理解を得るには少々力不足なように思われるので、そういった点は他の参考書などでカバーしましょう。 (東北大学工学部)
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