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照井式問題集 理論化学 計算問題の解き方の使い方・レベル・勉強法など特徴を徹底解説!

参考書名
照井式問題集 理論化学 計算問題の解き方
出版社
学研プラス
発売日
2016/7/19
ページ数
272
科目
化学
タイプ
理解本
レベル
基礎ランク
目安時間
39 h

こんにちは、アクシブアカデミーです。プロ講師と、東大・早慶をはじめとする難関大生によるアクシブアカデミーの分析チーム「Axiv Lab」による参考書分析です。今回は「照井式問題集 理論化学 計算問題の解き方 」を解説しています。大学受験用の参考書は、たくさんあって現状の自分の学力や志望校にどれがあっているのか選ぶのが難しいですよね。そんな方へ向けて「照井式問題集 理論化学 計算問題」を参考書のレベル、特徴、使い方、勉強法、を解説していきます!

照井式問題集 理論化学 計算問題の解き方の基本情報

参考書レベル・難易度

基礎ランク

教科書をわかりやすくした説明とそれに対応する問題を掲載した、理解本と問題集の複合形態をとっています。本書を習得すれば、日東駒専・産近甲龍・共通テストレベルの化学力がつきます。化学を始める上でのスタートダッシュ的な位置付けの問題集です。とはいえ、教科書に載っているより情報量が少ないですから、本書のみを用いて化学をゼロから学ぶのは不向きであるといえます。ゼロから化学を学びたい人は「宇宙一わかりやすい高校化学」などの理解本を使っていきましょう。

ちなみに、本書は化学の内容なので、共通テスト対策をしたい文系生にとっては本書はオーバーワークとなります。「リードLight化学基礎」など、化学基礎に特化した参考書や問題集を選びましょう。

習得までに必要な目安時間

39時間

無機編、有機編と合わせると85.5時間となります。一日に2時間ほど進めていくとして三週間程度で終わる分量となっています。授業に合わせて問題集を進めていくでも良いですし、期末テストの直前に取り掛かるでも良いでしょう。化学の基礎の部分ですから、本書を解いただけで二次試験も解けるようになる、という類のものではありません。本書の後には「エクセル」や「化学の良問」といったより難しい問題集に取り組む必要があります。MARCHなどの難関大を志望する生徒であれば高二までに、日東駒専レベルを志望していたとしても夏休み前には終わらせておきたい問題集です。

照井式問題集 理論化学 計算問題の解き方の概要

理論化学を1.結晶 2.酸塩基滴定 などの11のPartにわけ、それをさらにいくつかのテーマに分割して説明しています。テーマは全部で37です。molや分子量といった化学の基礎の基礎の部分は説明が省かれていますから注意です。その部分に苦手意識がある人は本書に取り組む前にあらかじめ学習しておくことをお勧めします。

それぞれのテーマでは、会話形式の導入部分、そのテーマの基本的な知識、例題、標準演習と応用演習の順番に掲載されています。導入部分においては、問題を解くための考えやつまずきポイントを説明し、その次の「CHECK」というコーナーで、化学知識及び基本的な解法を説明しています。

生徒が化学を学習する上で苦手となりやすいポイントをピックし、詳しく解説するという親切設計になっています。

照井式問題集 理論化学 計算問題の解き方はこんな生徒におすすめ

  • 日東駒専レベルの大学を志望する生徒
  • 学校の授業の復習をしたい生徒


照井式は教科書をさらに噛み砕いた説明が載っています。教科書や授業で学んだ後にいまいちわからなかった部分の理解を補う、という使い方に向いている問題集です。
全くゼロの状態から学ぶのに使う、というよりは、ある程度化学を学んだ上で、より基礎を定着させ、オーソドックスな解法をインプットするのに向いているでしょう。導入の文章にしても、「一度はそのテーマにまつわる問題を解いたことがあり、どの部分がどのように苦手だ、と分かっている」生徒を対象にして書かれています。理論化学を一通り学んだ生徒が問題集に移っていくための橋渡し的な立ち位置と言えます。

照井式問題集 理論化学 計算問題の解き方の特徴

一つのテーマに一つの解法

本書のコンセプトは「一見違う問題でも、同じテーマなら、同じ手順に従って解けるようになる」というものです。ひねった別解を説明するのではなく、ひたすらに基本的な解法を大事にするのが本書の特徴です。解説では「知識の選択」というコーナーで、その問題を解くにはどの知識を組み合わせれば良いのかが書かれています。これを読めば、化学の問題を解くときには、たくさんの事柄を暗記するだけではなく既存の知識を組み合わせることで対応することができる、と実感することができます。

問題への取り組み方が明快

問題の解説は主に「情報の整理」「式への代入」「解答の導入」の3stepにわかれています。1step目で問題文の情報を整理し、構造をはっきりさせた上で、実際に問題を解くという流れになっています。問題の形式ごとにどの順番で何をすれば良いのかわかりやすくまとまっているため、思考の流れが明瞭となり、しっかりと基本的な解法が身に付きます。実際の試験本番においても、本書を解いた時の流れを思い出せば、どんなに緊張していても普段と同じように解けるようになるのです。

随所にある豆知識

本書は名称の由来や化学物質の細かな特徴など、「へえ!」となるような面白い豆知識が掲載されています。無味乾燥に勉強をするのではなく、楽しみながら化学を学ぶことができます。

照井式問題集 理論化学 計算問題の解き方の使い方と注意点

化学は、暗記、思考力の二つを求められる上に、計算の確かさも必要です。解法を思いついただけで終わるのではなく、正しく計算する必要があります。ですから、解き方を思いついたとしてもきっちり最後まで数値を出し切るようにしてください。

化学は大きく「理論」「無機」「有機」の三つに分けられ、「理論」は残り二つの土台となる分野です。苦手分野を残さぬよう、「無機」「有機」と比べても重点的にかつ早めに学習してください。

化学の勉強法の基本はこちら

本書はその重要な「理論」を扱う問題集ですが、前述した通り、基礎の基礎の基礎となる「化学基礎」の分野は説明されていません。化学が全く未修という方は「リードLight化学基礎」などの問題集を買う、教科書を読むなどして補ってください。

本書はなまじっか会話形式になっていて単純に文字数が多いので、ダラダラと読んでいてはなかなか頭に入ってきいません。自分で重要だと思った部分には鉛筆で線をひきながら読むようにしましょう。アンダーラインを引くように意識しながら文章を頭に入れることで主体的に情報を取り込むことができます。

本書の導入部分はあっさりと目を通し、基礎知識の確認部分は読み込んで知識に漏れがないか確認しましょう。その後で例題をまずはヒントなしで解いて、その後に解説を読み、思考プロセスが自分のものとあっているのかどうか確認します。問題を解く際に自分が見落としていた部分があれば、説明のところに戻ってもう一度頭に入れます。

標準演習は例題に似た構造のものとなっています。できれば例題を解いた後飛ばさずにそのまま演習に取り組んでください。解き方は例題と同じなので問題なく解けるはずです。ただし応用演習は難易度的にきつく設定されていますから、後回しにしても構いません。

二次試験に対応するためには本書を解くだけではなくある程度の量以上の演習を解く必要がありますから、本書の後には『化学頻出!スタンダード問題230選』『化学 重要問題集 化学基礎 化学(A問題)』など難易度を上げた問題集に取り組みましょう。

照井式問題集 理論化学 計算問題の解き方の詳細な進め方

  • 結晶 例題8題+標準2題 4.5h

理解本を併用する場合:S01-03は勉強時間を30分追加(理解度に応じて時間は調整)し、理解本と資料集の該当箇所を学習する。

S012.0h例題1,2,3,標準1,2
S021.5h例題4,5,6,標準3
S031.0h例題7,8
  • 酸塩基滴定(中和滴定) 例題6題+標準4題 3.0h
S041.5h例題9,10,11,12,標準4
S051.5h例題13,14,標準5,6,7
→チェックテストNo.1-1
  • 酸化還元滴定 例題5題+標準2題 2.5h
S061.5h例題15.16.17,標準8
S071.0h例題18,19,標準9
  • 電気化学 例題5題+標準2題 5.0h
S081.5h例題20,21,22,標準10
S091.0h例題23,24,標準11
S102.5h例題25,26,27,28,標準12,13,14
→チェックテストNo.2-1
  • 気体 例題11題+標準3題 5.0h
S111.5h例題29,30,31,標準15
S121.0h例題32,33,標準16
S132.5h例題34,35,36,37,38,39,標準17
→チェックテストNo.3-1
  • 固体の溶解度 例題5題+標準2題 2.5h
S141.5h例題40,41,42,標準18
S151.0h例題43,44,標準19
  • 気体の溶解度 例題3題+標準2題 1.5h
S161.5h例題45.46,47標準20,21
  • 沸点上昇・凝固点降下 例題6題+標準2題 3.0h
S171.5h例題48,49,50,標準22
S181.5h例題51,52,53,標準23
  • 浸透圧 例題6題+標準3題 3.0h
S191.0h例題54,55,標準24
S201.0h例題56.57,標準25
S211.0h例題58,59,標準26
→チェックテストNo.4-1
  • 化学反応と熱 化学反応の速さ 例題5題+標準2題 2.5h
S221.0h例題60,61,標準27
S231.5h例題62,63,64,標準28
  • 化学平衡 例題19題+標準7題 7.5h
S242.0h例題65,66,67,68,標準29,30
S252.5h例題69,70,71,72,73,74,標準31,32
S261.5h例題75,76,77,78,79
S271.5h例題80,81,82,83
→チェックテストNo.5-1
  • 復習
S281.0hS01,02,03,04,05の復習→チェックテストNo.1-2
S291.0hS06,07,08の復習→チェックテストNo.2-2
S301.0hS09,10の復習→チェックテストNo.3-2
S311.0hS11,12,13の復習→チェックテストNo.4-2
S321.0hS14,15,16,17の復習→チェックテストNo.5-2
S331.0hPartテストNo.1-1を解く
→合格なら間違えた箇所を確認して次の講へ進む

→不合格ならS28に戻る(時間は同じ)
→PartテストNo.1-2
  • 応用13題(MARCH関関同立以上めざすならやる) 2.0h
2.0h
応用1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13
  • 修了後に復習する場合
R0113.0h問題集の△☓?が2つある箇所(理論化学)

 

照井式問題集 理論化学 計算問題の解き方の具体的な勉強法

解法20分→問題20分→解法暗記20分→間違えた問題復習20分

  1. 理論化学:『解法』2,3『問題』7ページ、無機:『解法』2,3,6,7『問題』7ページ、有機:『解法』2,3,6,7『問題』7ページを読み(それぞれ冊ごとに確認)、参考書の構成を理解
  2. 『解法』を理解しながら読む→「解法カード」で確認
  3. 『問題』の「知識」をみてから「例題」を解く。「例題」以外を隠して問題をノートに解く。
    理論化学:応用問題は単元の最後にやるので飛ばす。
    無機:チャレンジ問題は単元の最後にやるので飛ばす。

    答え合わせをして、アクシブチェック。【無印】△×?をつける。
    <アクシブチェック>問題を解いた時のチェック記号
     【無印】:初見で解けた
     △:方向性はあってたけどケアレスミスなどで間違えた
     × :解けなかったが指針・解説・映像授業を見ると理解できた
     ?:解説や映像授業を見ても理解できなかった
  4. △×の場合はもう一度、解答などを隠して問題をノートに解く。(?の場合は戦略面談または個別指導で質問し、理解する)ここではアクシブチェックは不要。何も見ずに自力で正解できるまでやりこむこと。この一手間で化学の力は上昇しやすい。
    有機:知識をまとめた別冊があるので、それも良く理解すること。
  5. もう一度『解法』を読んで暗記する。
  6. 『問題』を「【無印】は解かずに復習、△×?は解いて復習」
  7. チェックテストで間違った問題はもう一度確認して、もう一度解く。
  8. S◯の復習はそれまでの復習。「【無印】は解かずに復習、△×?は解いて復習」で復習を実施し、チェックテストNo.◯-2を実施。アクシブチェックの記号をもう一つつける。
  9. Partテストや修了テストで80%正解で合格!
  10. 合格できない場合は間違った問題に該当する箇所を復習「【無印】は解かずに復習、△×?は全部解く」
  11. 模試などで公式が抜けているなと感じたらR01を実施

 

照井式問題集 理論化学 計算問題の解き方の分析者コメント

導入部分や例題の解説部分の会話形式の説明は正直なところまだるっこしいと感じる人もいるかもしれない。私もまだるっこしいと感じた。相性がわかれる問題集だと思うので買う前に見定めておくと良いと思う。演習問題の解説はとても丁寧でわかりやすい。(東京大学理学部)

 

会話形式の解説が入っているので、堅苦しい文章が苦手な生徒には取り組みやすい参考書でしょう。会話形式の解説は、共通テストにおける会話形式の出題に通じるものがあるので、読みなれておいて損はないと思われます。入試問題に向けた学習をするときは、難易度を上げた参考書に切り替えましょう。 (東北大学工学部)

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