- 参考書名
- 理系数学 入試の核心 標準編 改訂版 (数学入試の核心)
- 略称
- 理系数学入試の核心 標準編(改訂版)
- 出版社
- Z会
- 発売日
- 2014/3/3
- ページ数
- 296
- 科目
- 数学
- タイプ
- 数と式,2次関数,図形と計量,データ分析,場合の数(事象)と確率,図形の性質,整数の性質,式と証明,複素数,図形と方程式,三角関数,指数関数と対数関数,微分法,積分法,ベクトル,数列,複素数平面,式と曲線,複雑な関数,極限,数Ⅲ微分法,数Ⅲ積分法
- レベル
- 標準‐難関ランク
- 目安時間
- 122 h
こんにちは、アクシブアカデミーです。プロ講師と、東大・早慶をはじめとする難関大生によるアクシブアカデミーの分析チーム「Axiv Lab」による参考書分析です。今回は「理系数学入試の核心 標準編(改訂版) 」を解説しています。大学受験用の参考書は、たくさんあって現状の自分の学力や志望校にどれがあっているのか選ぶのが難しいですよね。そんな方へ向けて「理系数学入試の核心 標準編(改訂版)」を参考書のレベル、特徴、使い方、勉強法、を解説していきます!
目次
理系数学入試の核心 標準編(改訂版)の基本情報
参考書レベル・難易度
標準‐難関ランク
定石の組み合わせや応用で解くことのできる入試標準レベルの問題が揃っています。青チャートなどの網羅型の参考書を使用し、分野の基礎の必要な知識や、問題を身につけた後に使用しましょう。共通テストレベルの数学で7割取れていれば問題なく取り組むことができます。入試において正解しておきたい問題が多く揃っていますが、問題数が少なく、「これだけ解けば大丈夫!」というような類の網羅性の高い問題集ではないので、あくまで到達度を確かめるために使用し、他の問題集などと併用することをおすすめします。この問題集を使用後は『理系数学入試の核心 難関大編』などの、さらにレベルが高い問題集に移っていきましょう。
習得までに必要な目安時間
122時間
150題のみと比較的少ない問題数なので、102.5時間で一通り全ての問題を解くことができます。1日3題ずつ解けば50日で終わる計算です。一問当たり30分を目安に、入試本番と同じような意識で集中して取り組みましょう。
この102.5時間という数字はあくまで一周するのにかかる時間であり、ここからさらに二周、三周と繰り返すことを考えると、もう少し長い時間がかかると考えるのが良いでしょう。自分の到達度を確認して、あまりできなければ前の問題集に戻って復習し、よくできればより難しい問題集に移りましょう。数学が得意で、最難関大学を目指す生徒であれば、1日に5,6題解いて早めに終わらせることも可能でしょう。
理系数学入試の核心 標準編(改訂版)の概要
理系数学のほとんどの分野から満遍なく問題を掲載しています。3題セットが50回分、合計150題というコンパクトな問題集で、直前の仕上げにちょうどいい難易度となっています。難易度が★マークで三段階に分類されている上に、チェック表もついていて見直しもしやすいなど、受験生の勉強の効率が考え抜かれた親切な設計です。ただし問題数が少ない分、網羅性は低く、合同式など扱われていない分野がいくつかあるという欠点があります。
解答編では模範解答だけでなく、「考え方」でどのように考えて解法を選択しているのか、「Process」でどのような流れで解答を描けばより伝わりやすいか、「解説」で解答のポイントや注意すべきことが書いてあり、思考の流れがとてもわかりやすいです。一目で直感的に解説を理解できるように工夫された問題集です。
理系数学入試の核心 標準編(改訂版)はこんな生徒におすすめ
- 難しい問題集に取り組む前に標準的な問題までの演習をしたい生徒
- 数学の解法の暗記が苦手な生徒
この問題集は、分野ごとに基礎から標準までの問題がバランスよく扱われている上、コンパクトなので、標準問題精講など難易度の高い問題集への橋渡しに適しています。この問題集だけで難関大学の入試問題を解けるようになることは難しいですが、これまでに習ってきた定石を深く定着させ、問題を解くことに慣れるために役立つ問題集です。
数学の勉強は、内容を理解し、基本・典型問題の解法を習得して、より難しい問題に対して試験中どう試行錯誤するかを学ぶという流れで進んでいきます。教科書レベルの概念の理解をした後、典型問題をどうやって解くのかを学ぶには、この参考書は非常に役立ちます。典型問題の解法を学ぶと、ひらめきに頼らずに素早く確実に数学を解くことができるようになります。この参考書では解法を一目で確認できるので、体系立てて解法を理解しやすくなっています。
理系数学入試の核心 標準編(改訂版)の特徴
一目でわかる解説
この参考書の解答編には、「考え方」「Process」「解説」の項目があります。「考え方」では、問題の特徴や、考えられる解法が書かれており、「Process」においては、問題を解き、解答を書く際にしなければならないことが段階に分けられ、図で示されています。「解説」では、「考え方」「Process」などで出てきた用語や問題を解く際に必要な知識が解説されています。解答はシンプルですが、「考え方」「Process」「解説」でとても親切に解説されていながらも、パッと見て視覚的に理解することができるようになっているので、数学が苦手で、難しい用語がたくさん並んだ文章を読むことに気が進まない、というような人も取り組みやすいです。
一言にまとまったポイント
解答編には「核心はココ!」という、一言で解法のポイントをまとめたフレーズが載っています。日頃からこのフレーズに目を通して、典型問題を素早く解けるよう、練習するのもいいですし、テスト直前にパラパラと見直して、解法のポイントを思い出すという使い方もおすすめです。他の問題集で、何回やっても典型問題が解けるようにならない、という人は、ぜひこのフレーズに目を通すことで解法を印象深くしてみましょう。
入試問題から厳選された問題
この問題集は、実際の入試問題やその改題をまとめたものです。各問題の出典が示されているため、出題頻度が高い問題が集められていることが実感できると思います。どこの大学の出題か、実力の確認や自分のモチベーションアップのためにもチェックしてみましょう。
理系数学入試の核心 標準編(改訂版)の使い方と注意点
問題を解く際には、演習形式で時間を測って解いてみましょう。志望校の入試時間と出題数を調べ、本番を想定して取り組むのが良いでしょう。順番に前から解いていく進め方だけでなく、自分の苦手分野から先に取り組むのも良い進め方です。解説を読んでもわからない場合は、基礎が定着できていない可能性があるので、少し下のレベルの参考書に戻って、知識の確認をしましょう。
解説を読むときには、まず「考え方」で、自分が同じように解答を組み立てることができていたか、確認します。次に「解答」を読みながら、「Process」で解答の流れを確認します。そして最後に「核心はココ!」に目を通す、という流れです。
この問題集の目的は、典型問題を素早く解けるようになり、二次試験での定石を身につけることなので、10分ほど考えてわからなければ答えを見ても構いません。ただし、復習の際には、解答がなぜそのような解法をしているのか、解答の意図を理解し、「核心はココ!」を頭に入れるようにしましょう。この部分が解説の要点であるので、解法を印象づけるためにとても重要です。きちんと頭に入れて、自然と手が動くようになるまで、頻繁に目を通すよう、習慣づけましょう。さらに、「Process」の部分も頭に入れておけば、典型問題に対してよりスムーズに手が動くようになるでしょう。
問題を丸つけするときには必ず「◯×△?」といった印をつけておき、自分が間違えた部分や、逆に解けるようになったため、もう取り組む必要がない部分を一目でわかるようにしましょう。最終的には、どの問題に取り組むときも、問題のポイントが思いうかび、迷わず手が動くようになることを目指しましょう。
理系数学入試の核心 標準編(改訂版)の詳細な進め方
1日3題を目安に進めていきましょう。
1章 数と式、集合と論理(3題) | ||
S01 | 1.5h | 問題1~3 |
2章 式と証明、方程式と不等式(6題) | ||
S02 | 1.5h | 問題4~6 |
S03 | 1.5h | 問題7~9 |
3章 整数(6題) | ||
S04 | 2.0h | 問題10~12 |
S05 | 1.5h | 問題13~15 →チェックテストNo.1-1 |
4章 場合の数と確率(15題) | ||
S06 | 1.5h | 問題16~18 |
S07 | 1.5h | 問題19~21 |
S08 | 1.5h | 問題22~24 |
S09 | 1.5h | 問題25~27 |
S10 | 1.5h | 問題28~30 |
5章 図形と計量、平面図形(6題) | ||
S11 | 1.5h | 問題31~33 |
S12 | 1.5h | 問題34~36 →チェックテストNo.2-1 |
6章 いろいろな関数、図形と方程式(21題) | ||
S13 | 1.5h | 問題37~39 |
S14 | 1.5h | 問題40~42 |
S15 | 1.5h | 問題43~45 |
S16 | 1.5h | 問題46~48 |
S17 | 1.5h | 問題49~51 |
S18 | 1.5h | 問題52~54 |
S19 | 1.5h | 問題55~57 →チェックテストNo.3-1 |
復習 | ||
S20 | 4.0h | S01~S05の復習 |
S21 | 3.5h | S06~S10の復習(アクシブ復習法) |
S22 | 1.5h | S11~S12の復習(アクシブ復習法) |
S23 | 3.0h | S13~S16の復習(アクシブ復習法) |
S24 | 2.5h | S17~S19の復習(アクシブ復習法) +個別授業をチェックテストで間違えた問題や範囲を中心に実施 |
7章 微分・積分(数学Ⅱ)(6題) | ||
S25 | 1.5h | 問題58~60 |
S26 | 1.5h | 問題61~63 |
8章 数列(15題) | ||
S27 | 1.5h | 問題64~66 |
S28 | 1.5h | 問題67~69 |
S29 | 1.5h | 問題70~72 |
S30 | 1.5h | 問題73~75 |
S31 | 1.5h | 問題76~78 →チェックテストNo.4-1 |
9章 ベクトル(15題) | ||
S32 | 1.5h | 問題79~81 |
S33 | 1.5h | 問題82~84 |
S34 | 1.5h | 問題85~87 |
S35 | 1.5h | 問題88~90 |
S36 | 1.5h | 問題91~93 |
10章 式と曲線(6題) | ||
S37 | 1.5h | 問題94~96 |
S38 | 1.5h | 問題97~99 →チェックテストNo.5-1 |
11章 複素数平面(6題) | ||
S39 | 1.5h | 問題100~102 |
S40 | 1.5h | 問題103~105 |
12章 極限(9題) | ||
S41 | 1.5h | 問題106~108 |
S42 | 1.5h | 問題109~111 |
S43 | 1.5h | 問題111~114 →チェックテストNo.6-1 |
復習 | ||
S44 | 1.5h | S25~S26の復習(アクシブ復習法) |
S45 | 3.5h | S27~S31の復習(アクシブ復習法) →チェックテストNo.4-2 |
S46 | 3.5h | S32~S36の復習(アクシブ復習法) |
S47 | 1.5h | S37~S38の復習(アクシブ復習法) |
S48 | 1.5h | S39~S40の復習(アクシブ復習法) |
S49 | 2.5h | S41~S43の復習(アクシブ復習法) →チェックテストNo.6-2 +個別授業をチェックテストで間違えた問題や範囲を中心に実施 |
13章 微分法・積分法(数学Ⅲ)(36題) | ||
S50 | 1.5h | 問題115~117 |
S51 | 1.5h | 問題118~120 |
S52 | 1.5h | 問題121~123 |
S53 | 1.5h | 問題124~126 |
S54 | 1.5h | 問題127~129 |
S55 | 1.5h | 問題130~132 →チェックテストNo.7-1 |
S56 | 1.5h | 問題133~135 |
S57 | 1.5h | 問題136~138 |
S58 | 1.5h | 問題139~141 |
S59 | 1.5h | 問題142~144 |
S60 | 1.5h | 問題145~147 |
S61 | 1.5h | 問題148~150 →チェックテストNo.8-1 |
復習 | ||
S62 | 3.0h | S50~S53の復習(アクシブ復習法) |
S63 | 3.0h | S54~S57の復習(アクシブ復習法) →チェックテストNo.7-2 |
S64 | 3.0h | S58~S61の復習(アクシブ復習法) →チェックテストNo.8-2 +個別授業をチェックテストで間違えた問題や範囲を中心に実施 |
修了テスト | ||
S65 | 3.0h | ミニマム数学公式集や教科書で全範囲を復習 →修了テストNo.1(13問) →不合格ならS66へ |
S66 | 3.0h | 間違った問題に該当する章を復習 →修了テストNo.2(13問) →不合格ならS67へ |
S67 | 3.0h | 間違った問題に該当する章を復習→修了テストNo.1 No.2(26問) |
修了後に復習する場合
R01 | 8.0h | S20-24 |
R02 | 7.0h | S44-49 |
R03 | 4.5h | S62-64 |
理系数学入試の核心 標準編(改訂版)の具体的な勉強法
S01-19,25-43,50-61
1例題:理解・解き直しまで含め30min計算
- 別冊の問題編で問題をノートに解く。
- 答え合わせをして、アクシブチェックを本書に書き込む。(無印△×?をつける)
<アクシブチェック>問題を解いた時のチェック記号
無印:初見で解けた
△ :方向性はあってたけどケアレスミスなどで間違えた
☓ :解けなかったが指針・解説・映像授業を見ると理解できた
? :解説や映像授業を見ても理解できなかった → 質問をして解決すること - 【無印】△×?に関係なく「考え方」「Process」「核心はココ!」「解説」「別解」を読み、理解を深める。
- △×の場合はもう一度、解答などを隠して問題をノートに解く。(?の場合は戦略面談または個別指導で質問し、理解する)ここではアクシブチェックは不要。間違えたら、正解するまで解く。
※何も見ずに自力で正解できるまでやりこむこと。この一手間で数学の力は上昇しやすい。 - 正解したら次の問題へ。①〜④を繰り返してテスト範囲まで到達したら、ミニマム数学公式集で範囲の公式を確認してからチェックテストを実施。
- チェックテストで間違った問題は今一度確認して、もう一度解く。
S20-24,44-49,62-64
- 【無印】は解かずに頭の中で解法の流れを再現できるか確認する。
- △×?は再度解いて復習する。
- チェックテストNo.◯-2を実施。全て理解できたら次のステージに進む。個別授業を推奨してるパートの場合は担当講師と相談して実施する。
S65-67
- 修了テストの合格基準は以下の通り。
S65 13問中10問正解
S66 13問中10問正解
S67 26問中20問正解 - 合格できない場合は間違った問題に該当する章を復習「【無印】は解かずに復習、△×?は全部解く」
R01-03
- 模試などで公式が抜けているなと感じたらR01-03を実施
理系数学入試の核心 標準編(改訂版)の分析者コメント
★ごとに難易度にばらつきのある問題集だと感じた。簡単な問題なら暗算で解けるが、難しい問題はちょっと考え込んでしまう。とはいえ難易度が一番高い星3でも、しっかり基礎を身につけていれば十分も考えればサクッと解けるレベルだった。プラチカなどとは違ってシンプルな問題が多い。(東京大学理学部)
出題頻度が高く、重要な範囲は問題数が多くなってはいますが、典型問題1パターンに対し1問の出題になっている部分が多いので、この問題集は苦手な分野を見つけるために使用し、そのような分野に対しては別の問題集を使用して、1パターンに対してたくさんの量の問題を解くようにしましょう。(東京大学理科一類)
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