- 参考書名
- とってもやさしい物理基礎
- 出版社
- 旺文社
- 発売日
- 2013/3/27
- ページ数
- 192
- 科目
- 物理基礎
- タイプ
- メイン問題集、インプット系問題集
- レベル
- 基礎ランク
- 目安時間
- 24時間30分
こんにちは、アクシブアカデミーです。プロ講師と、東大・早慶をはじめとする難関大生によるアクシブアカデミーの分析チーム「Axiv Lab」による参考書分析です。今回は「とってもやさしい物理基礎」を解説しています。大学受験用の参考書は、たくさんあって現状の自分の学力や志望校にどれがあっているのか選ぶのが難しいですよね。そんな方へ向けて「とってもやさしい物理基礎」を参考書のレベル、特徴、使い方、勉強法、を解説していきます!
目次
とってもやさしい物理基礎の基本情報
参考書レベル・難易度
基礎ランク
その題名の通り難易度はとっても易しく、物理基礎を具体例を交えながらじっくり丁寧に解説してくれます。共通試験を目標に取り組むにはちょうどいい難易度ですが、国立大学の二次試験や難関私立大学には対応できないでしょう。物理基礎が全く分からない、苦手だという人向けの参考書で、ある程度物理基礎がわかる人には物足りなく感じてしまうでしょう。
また、「とってもやさしい物理基礎」は問題集ではありますが、そのほとんどが穴埋め問題で解説が大部分を占めています。穴埋め問題も直前に書いてある知識のまとめページを見れば簡単に埋められるものです。なので、問題の途中で詰まってしまうということはないでしょう。
習得までに必要な目安時間
24時間30分
物理基礎を勉強する時間としては標準的でしょう。
1項目当たり大体70分、それが計21個あるので単純計算で24時間30分かかるでしょう。文章が非常に多いので読み飛ばして問題だけを解いてしまうともっと早く終わりますが、どちらかといえば文章のほうをじっくり丁寧に読んで進めてほしいです。解説の中には考え方が詳しく書いてあるので、そこに着目して読んでください。決して焦らず、時間をかけて取り組みましょう。
とってもやさしい物理基礎の概要
式や記号、法則が多くてわかりづらい物理基礎を解法のプロセスから解説する、物理基礎が苦手な人にとってもやさしい参考書です。単元ごとに何を学ぶのか初めに書いてあり、大事なところには図やイラスト、表などをたくさん使ってわかりやすく説明しています。その後すぐに、知識をアウトプットするための穴埋め問題があり、考え方を定着させやすいような工夫もなされています。
途中にある、「解いてみよう!」では複数の単元を応用した問題が出されます。ここはより実践的なのでぜひチャレンジしてみましょう。また、別冊である「解いてみよう!の解答」の後半には、ベクトルの基礎を解説している付録がついています。ベクトルは数学のイメージがありますが発展した物理問題でも大事になってくるので興味のある人は読んでみましょう。
とってもやさしい物理基礎はこんな生徒におすすめ
- 理解本だけではわかりにくいと感じる人
- 物理基礎を初めて学ぼうとする人
- 物理基礎を最初っから学びなおそうと思っている人
「とってもやさしい物理基礎」は、誘導に従って、基礎的な問題の解法の考え方を教えてくれる参考書です。勉強が得意と言われているような人が無意識の中で行っている思考のプロセスをわかりやすく言葉に表現してくれています。全く物理基礎がわからないという人のために、1から全てを解説しているので、その分文章量は多く感じてしまうかもしれません。
扱っている問題の難易度は基礎レベル、高くても共通試験レベルです。国公立大学の二次試験や難関私立大学で物理基礎を使うという人以外はこのレベルでも十分でしょう。穴埋め問題が多く、直前に解説が書いてあるので、ゆっくり読み解けば途中で詰まってしまうことはないでしょう。物理基礎の知識や考え方がわからないという人におすすめです。
とってもやさしい物理基礎の特徴
イメージをつかみすい多くの図やイラスト、表
本書は全体を通して、非常に多くの図やイラスト、表が描かれています。文章題を絵にすることで直観的にわかりやすくしたり、人がふきだしでしゃべるように説明してくれるため印象に残りやすいです。
定着しやすい穴埋め問題形式
「とってもやさしい物理基礎」の問題の多くは穴埋め形式であり、公式や法則、用語の確認にぴったりです。書き込み形式なので物理基礎に苦手意識がある人も取り組みやすく、その題名の通り優しく教えてくれます。
いくつかの単元をまとめた確認問題
解説や穴埋め問題を終えて、その単元を本当に理解できたのか、少し応用をきかせた確認問題が記載されています。範囲もそこまで広くないので間違えた場合復習がしやすく、まとめ問題のように使えます。センター試験の過去問題から取り上げている問題も多く、とても実践的となっています。
とってもやさしい物理基礎の使い方と注意点
本書は基本的に、左ページに書いてある解説を読んでから穴埋め問題を解くことで進めていきます。単元のはじめには、これから何を学ぶのか大まかに書いてあるので、それを意識するとうまく知識が定着しやすくなるでしょう。解説の中でも重要な内容は図やイラスト、表でわかりやすくまとめられており、教科書や資料集を使わなくても進めていけます。穴埋め問題もすぐ下に解答があるのでわからなかったらすぐ見てしまいましょう。その代わり、わからなかったところをあとで見直せるようにチェック等をつけ、何度も復習できるようにしましょう。他にも、赤ペンで穴埋め問題を埋めてしまうという使い方もおすすめです。あとで赤シートを使って隠しながら復習しましょう。ただこの使い方をする場合、間違えた答えを書いてしまわないように注意しましょう。
次に、いくつかの単元をまとめている「解いてみよう!」のコーナーがあります。実際のセンター試験問題をアレンジしたものもあり、実践的な内容です。「解いてみよう!」は別冊に解答が書かれているので、丸付けがしやすいです。ここでも間違えた問題はあとで復習できるようメモをし、その問題を解説している単元に戻ってもう一度確認をしましょう。基礎的な知識や考え方はとにかく繰り返し頭にインプットすることが大事です。面倒くさがらずに1つ1つ理解できるようになりましょう。
「とってもやさしい物理基礎」は物理基礎の範囲をすべて網羅しており、試験で出されるような用語や公式をすべて解説しているので、直前の確認にぴったりです。自分に抜けがちな部分をわかるようにハイライトやメモしていれば、パラパラと本書をめくるだけで知識の底上げができるでしょう。試験前に持っておく参考書の1つとしておすすめできます。
とってもやさしい物理基礎の分析者コメント
穴埋め問題が多く、解説もイラストが多いので、苦手な人でも進めやすいような参考書です。大事なところがわかりやすいので、テスト直前にパラ見で復習するのにちょうどいいと思います。題名の通り、とっても優しく問題を解説し、易しく理解できるようにしてくれる、いい参考書だと思います。(東京工業大学生命理工学部)
穴埋め問題が多いので物理がとても苦手で自分で解答の道筋が立てられない人にはお勧めの参考書であるといえるでしょう。ですが本番の入試では穴埋め問題が出題されることは極めて少ないので問題の解き方がつかめてきたら自分で解き方を考える問題に入りましょう。(東京工業大学工学院)
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