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物理基礎・物理 明快解法講座(4訂版)の使い方・レベル・勉強法など特徴を徹底解説!

参考書名
漆原の物理(物理基礎・物理)明快解法講座 四訂版 (大学受験Doシリーズ)
略称
物理基礎・物理 明快解法講座(4訂版)
出版社
旺文社
発売日
2019/6/17
ページ数
320
科目
物理・物理基礎
タイプ
理解本・問題集
レベル
基礎ランク
目安時間
45 h

こんにちは、アクシブアカデミーです。プロ講師と、東大・早慶をはじめとする難関大生によるアクシブアカデミーの分析チーム「Axiv Lab」による参考書分析です。今回は「物理基礎・物理 明快解法講座(4訂版) 」を解説しています。大学受験用の参考書は、たくさんあって現状の自分の学力や志望校にどれがあっているのか選ぶのが難しいですよね。そんな方へ向けて「物理基礎・物理 明快解法講座(4訂版)」を参考書のレベル、特徴、使い方、勉強法、を解説していきます!

物理基礎・物理 明快解法講座(4訂版)の基本情報

参考書レベル・難易度

基礎ランク

 物理基礎さえよくわかっていない人でも取り掛かれるほどのレベル設定となっています。共通テストやMARCH・関関同立のやさしい問題レベルまでは、この参考書で十分でしょう。しかし、国立二次試験や難関私立大学の問題に対応するのは難しいです。本書に加えて名門の森等の難しい問題集を勉強しましょう。自分の目指す大学に合わせて、使うかどうか考えましょう。

 また、この『漆原の物理』では、解説に三角関数やベクトル、微積分を使っています。一応、本書の中にもこれらの軽い解説はあるのですが、あくまで流す程度なので、わからない人は先にこちらを勉強しましょう。特に微積分を使った物理は、理解できれば確実にほかの人との差を広げられるので、難しいとは思いますが頑張ってみてください。

習得までに必要な目安時間

45時間 

高校で習う、物理基礎と物理すべてがこの時間で勉強できると考えれば、充分に短いのではないでしょうか。

 『漆原の物理』は、物理で習う単元である「力学」「熱力学」「波動」「電磁気」「原子」をさらに細かい「STAGE」に分けています。「STAGE」は全部で27つあり、ひとつ当たり100分ほどかかるでしょう。ただし、本書は主に理解本なので、わからないところは何度も読み返す必要があります。あくまでこの時間は目安として、自分のペースで進めましょう。

物理基礎・物理 明快解法講座(4訂版)の概要

『漆原の物理』は、試験で速攻役に立つ、実践的な解法を身に着けることを重視しています。

 本書の流れはまず最初に「頻出出題パターン」をピックアップし、それらの問題を解くための基礎知識、用語や公式をおしえてくれます。ここでは、すぐにどれが重要かわかるよう、「問題に入る前に」とラベル付けがされてあります。次に、それらの知識の利用方法、つまりは解法を「漆原の解法」として紹介してくれます。

 ここまでは、全ての問題に使えるような一般的知識と一般的解法です。最後に、これらをふまえて具体的な問題が出題され、その解法がわかりやすい語り口調で解説されます。

 このように、まずその分野で一般的に使える知識と解法を学び、それを利用して具体的な問題を解く、というのが本書の概要となります。

物理基礎・物理 明快解法講座(4訂版)はこんな生徒におすすめ

  • 物理の公式、用語が暗記できないと思っている人
  • 物理の問題を見て、何をすればいいのかわからなくなってしまう人
  • 共通テストの物理に力を入れたい人

 

 この参考書は物理を基礎から全範囲を解説した、網羅型の参考書です。理解本としての役割がメインなので、問題演習としてはあまり使えませんが、用語の意味や公式の理解に特化しています。物理において、公式や用語が暗記できない、どう解けばいいかわからないという人におすすめです。

 本書は物理のあらゆる問題を一般化し、その解法をパターン分けして解説しています。ですので、全体を通してSTAGEの最初にある「頻出出題パターン」と「問題に入る前に」、「漆原の解法」の三つを読むだけで、共通テストレベルの問題であれば解けるでしょう。時間がなくてテスト前に素早く効率的に点数を底上げしたい人にもぜひ使って見てほしいです。

物理基礎・物理 明快解法講座(4訂版)の特徴

一般化された問題、知識、解法

 本書の一番の特徴は、物理で出題されるすべての問題をパターン分けして、それに対して必要となる知識や解法を一般化して解説しているところです。これらはすべて「頻出出題パターン」、「問題に入る前に」、「漆原の解法」としてすぐに目につくようにラベル付けされており、素早く復習できるようになっています。よくあるミス等も記載されているので、テスト直前でもぱらっと見るだけで点数の底上げが可能となっています。

イメージで理解する公式

 物理の公式を式として暗記させるのではなく、意味として解説をしてくれます。公式が何をあらわしているのかイメージを理解、実感することで「公式暗記の物理」ではなく「理解する物理」へとステップアップを促してくれます。

語り口調の解法解説

 漆原の物理の解法解説は、語り口調でわかりやすく解説されています。すらすら読むことができますし、まるで実際に授業を受けているかのような臨場感を味わうことができます。

物理基礎・物理 明快解法講座(4訂版)の使い方と注意点

まずは、「頻出出題パターン」と「ここを押さえよ」を見てそのSTAGEで何を意識すればいいかを確認しましょう。重要なことは青くハイライトされているので読みやすいと思います。

 次に、「問題に入る前に」に取り掛かりましょう。「問題に入る前に」ではそのSTAGEで紹介された出題パターンを解くのに必要な重要事項と解法、さらにはその単元で頻繁に発生するミスが取り上げられています。特に解法は「漆原の解法」とラベル付けされていて、ひときわ重要な情報がまとめられています。そこは絶対に理解できるよう、その後にある解説をよく読みましょう。

 これらの知識を得た後には、「出題パターン」という実際にテストで出題されるような問題が記載されています。そのすぐ下に解法が書いてありますが、まずはそれを見ないで問題を自力で解いてみましょう。出題された問題は必ず「頻出出題パターン」に当てはまっていますし、必要となる知識や解法はその直前の「問題に入る前に」で全て解説されています。ですので、そこを見直しながらしっかり考えて問題を解けば解答することができるはずです。自分で解いてみた後は解法を読みましょう。その中でも、解答のポイントはその問題を解くのに大事なエッセンスなので目を通しておきましょう。問題を間違えてしまった場合はなぜ間違えてしまったのか、必ず確認しましょう。

 本書の最後には「漆原の解法」の索引があります。もしテストや授業でわからなかったことがあったらそこから調べてみましょう。索引のページでは図や文章で簡潔にその「漆原の解法」が何を表しているのか説明してくれているので、検索がしやすくなっています。

 最後に注意点として、本書は理解本としての側面が強い反面、演習本としての役割には不安が残ります。物理を完璧にしたいという人は、『良問の風』や『重要問題集』等の問題集を併用するといいでしょう。

物理基礎・物理 明快解法講座(4訂版)の分析者コメント

物理において重要な部分をまとめ、強調してくれるいい参考書です。よくあるミスの紹介と何を意識するべきかの説明もあるのでテストでの点数の底上げにもなります。他の参考書と比べても実践的で、効率よくテストの点数を上げたいという人にお勧めできます。(東京工業大学生命理工学部)

 

全体的に実践向けであるといえるでしょう。基礎勉強を終えた人が本格的に受験の問題演習に入るときに勉強するのがよいといえます。本書は実践向きなので本書とセミナー等の問題数が多くレベルがそこそこ高い問題集と併用するとより高い学習効果が得られるでしょう。(東京工業大学工学院)

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