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スマホゲーム依存症part8

こんにちは!

アクシブアカデミー 東陽町校の及川です!

今回はスマホゲーム依存症についてお話していこうと思います。

スマホゲーム依存症part7の続きとなりますので、まだ読んでいない人はそちらを先にお読みください。

樋口進さんの著書 ”スマホゲーム依存症” を参考にお話します。

 

なぜプレー時間が長くなってしまうのか?

「前頭前野の機能低下」と「報酬の欠乏」によって、理性的な判断が下せなくなった脳は、依存をますますエスカレートさせ、常に報酬の欠乏を感じるようになります。

例えば、ある人は当初、わずか10分間のプレーでもスマホゲームを十分に楽しめたと感じていました。

ところが、報酬の欠乏が起こると、同じプレー時間では満足感が得られなくなり、すぐにプレー時間が伸びていきます

その結果として、症状の重い人では、1日10時間を優に超えるような長時間プレーへとつながっていくのです。

 

家庭用ゲーム機の時代は一つのソフトに飽きることでプレーが終了していました。

ところが、スマホゲームには終わりがありません。

絶えざる「アップデート」と、それをユーザーに伝える「プッシュ通知」は、スマホゲーム依存者に対するキュー(きっかけ)の役割を果たしています。

スマホゲームには、より高い報酬を得るためのさらに難度の高い展開があるばかりではなく、それをクリアするのに役立つアイテム入手のための「ガチャ」という課金システムまで用意されています。

ユーザーをゲームの世界につなぎとめ、さらに多くのユーザーを獲得するために、ゲーム会社は、このような仕組みを作り上げました。

ゲームの虜となったユーザーは、この洗練されたシステムの中で、プレー時間をますます、そして急ピッチで長時間化させていきます。

特に、ガチャに関しては明らかにギャンブルと同等の刺激があります。

ガチャは、スマホゲームにギャンブルを掛け合わせた、「二重の依存」を誘う仕組みなのです。

 

スマホゲーム依存の人は、より強い刺激を求めて、貴重な時間とお金を投じていきます。

そして、そこには「前頭前野の機能低下」と「報酬の欠乏」という、明らかな脳内の変化が確認されました。

絶えず強い刺激を求めてドーパミンを放出し続ける一方で、快感や多幸感を司るドーパミン受容体の数が減少していく

脳の中で起こるこの残酷な反比例は、スマホゲーム依存の人にとって、迷宮にも等しい過酷な状況と言えるのではないでしょうか。

 

依存脳になると「不幸」になる

最初は全てが目新しく、楽しかったスマホゲームも、依存が進めば進むほど、以前ほどの楽しさを感じなくなっていきます。

そして私たちは、より強い刺激を求め、さまざまな新作ゲームをプレーしたり、1回のプレー時間を長くしたり、ガチャに傾倒していくといった行動を取るようになるかもしれません。

そのような行動を通して、理性を司る脳の前頭前野の機能が低下し、報酬欠乏症となれば、私たちは「依存」の深みにハマっていきます。

アルコール、薬物、ギャンブルなど、さまざまな依存にも、同じような行動パターンが見られます。

 

さらに依存状態が長期に及ぶ人の場合には、日常生活から受ける様々な刺激に対する反応も鈍くなっていきます

例えば、依存の人が、友人たちと食事に出かけたと仮定しましょう。

テーブルを囲んだ友人たちの誰もが、「うまい!」と料理を楽しんでいます。

おのずと会話も弾みます。

気の置けない仲間たちとのひとときを、誰もが心から楽しんでいるようです。

しかし、依存者は、脳の損傷によって刺激全般に対する反応が鈍くなっているかもしれません。

すると、どんなことが起こるでしょうか?

依存者の場合は、料理の美味しさや、友人たちとのひとときがもたらしてくれる満足を、同じテーブルを囲む友人たちと同程度に感じることができない状態になっていると考えられるのです。

このような「人生の醍醐味」に対する感覚の鈍化も、依存が引き起こす一つの特徴的なパターンではないかと考えられています。

スマホゲームに依存するあまり、引きこもり気味になり、会社や学校に行けなくなってしまった人もいます。

また、ほとんど外出をしないことで運動不足になり、体調を崩してしまう人もいます。

 

ゲーム依存は脳を破壊する

ここ数年の間に、「ネット依存者の脳の神経細胞が壊れている」という報告が、しばしばなされるようになってきました。

脳の神経細胞が壊れる場所は一定ではなく、どの部位も破壊の対象となりえます。

しかし、現時点ではその原因は特定されていません。

ネット依存の期間が長ければ長いほど、破壊の程度が深刻になると報告する論文もあります。

ですが、ネット依存から回復すれば、同じように脳の障害も回復するのか、あるいは破壊されたままなのかについての報告はありません。

脳の表層(外周)部分には、灰白質という領域があり、その中心部分には神経細胞があります。

ネット依存の人の脳は、神経細胞が破壊され、健常者の脳の同じ箇所と比べて小さくなっています

ネット依存の期間が長くなれば長くなるほど、脳の損傷と萎縮が進んでいきます。

 

これに加えて、脳の情報伝達機能を司る白質と呼ばれる部分も、ネット依存によって破壊されることが報告されています。

脳の灰白質の中心にある神経細胞には、軸索という器官があり、その軸索の束のことを白質と言います。

白質とはいわば電気のコードのようなもので、脳内の縦横に走り、脳の様々な部位が必要とする情報を伝える役割を果たしています。

この白質の働きが過剰な状態になると、脳の神経細胞から出される情報の伝達がスムーズにいかなくなります。

専門的には、この状態を「走行の乱れ」と呼んでいます。

これらの状態を簡潔に言い表すと、前頭前野の損傷と機能低下が生じ、同時に白質の働きが過剰な状態になると、人は理性的な行動をとることが困難になる、ということになります。

ネット依存の期間が長ければ長いほど、白質の破壊の程度もひどくなります。

 

これらの研究はネット依存に関するものですが、これらの結果をスマホゲームに置き換えても同じことが言えます。

つまり、スマホゲームをプレーすればするほど脳は破壊され、人間は理性的な判断を下せなくなっていく、というわけです。

 

スマホゲーム依存は治せるのか?

依存は脳の病気です。

また、私たちが依存に陥るときには

  1. 前頭前野の機能低下
  2. キュー(きっかけ)に脳が過剰反応
  3. 報酬の欠乏

という脳の中で起こる明らかな反応のパターンがありました。

それはまるで、完結した負のループのようにも見えます。

しかし、病気の進行のプロセスそのものは、比較的明快ともいえるものであり、それだけに医学的に対抗する余地があります。

「スマホゲーム依存」を克服することは、決して容易ではありません。

しかし、回復した人も多くいます。

 

依存かな?と思ったらすぐ始めること

いかがでしたでしょうか?

今回はスマホゲーム依存者の脳内で起こっていることについてお伝えしました。

次回 ”スマホゲーム依存症part9” では今回の続きで「依存かな?と思った時に自分でできる対処法」についてお話していきます。

 

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